第二百七話『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』

「そんなの決まってるじゃん!!だって『かっこいいから』なんだからね!!」

と、『連結中剣 - チェインソード』使いのランコが自信満々に、少し高く剣を掲げながら言う。


と、言うと、傘使いのリンコと格闘家のレンコも頷いていた。

なにやら特殊武器にこだわりがあるチームっぽかった。


「次は私も見せたい!」

と一番普通そうな武器、刃物のついた籠手を装備する格闘家のレンコがそういった。


「あ、格闘家だね!ナカーマ!」

と、サラが言う。


「うん、そうだね。刃物がついた籠手だ!」

と僕が言う。


その少女が装備していたのは、刃物が手の甲に当たる部分についた、強力な武器。


「これは、『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』!」

とその格闘家の少女、レンコは言った。


「ガントレットってなに?あ、スパイダーはわかるよ!蜘蛛でしょ!」

ふっふっふっと、自慢気に微笑むサラ。


「ガントレットは籠手だね、サラがつけているのと同じ感じ」

と僕が説明する。


「あー、籠手ね、籠手!籠手って言ってくれたらいいのに!ほんとゲームは難しいんだから!!」

とサラは笑う。


「ガントレットの方がなんかかっこいいからだろうね!」

と、僕も笑う。


「でも、蜘蛛って何かしら、籠手と蜘蛛って・・・」

とサラが言いかけたところで、格闘家の少女レンコが言う。


「見せてあげる!」

とガチャンと、『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』を操作した。


すると、籠手に付いている、刃の部分が、ぐるんと、うしろに下がる。

普通は前に刃を出したまま、敵に殴りかかるためのものだ。

それを回転させて下げた。


「あ、ハサミみたいになってるんだね、いまは、ハサミを広げた状態で、指先でボタンを押すことによって変形するのかな?」

と僕が推測する。


「正解」

と格闘家の少女レンコは答える。


「でも、蜘蛛って変形するっけ?」

とサラが聞く。


「ここからが蜘蛛!」

とレンコが言う。


すると、ビュッと、籠手から何かが発射される。


「おもしろい!!糸だ!」

と僕が言う。


「糸!?」

とサラも驚く。


そして、その糸はもう一体の『ガーゴイル』に当たる。


「キャプチャー!!」

とレンコが叫ぶ。


すると、『ガーゴイル』にひもがまとわりつく。


そして


「えい!!」

と、レンコがいいながら、ガチャンと、『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』から音が鳴る。

なにかボタンを操作したのだろう。


「グオォォォォォォ!」

と『ガーゴイル』がうなる。


「なるほど、遠隔地の敵に当てて引き寄せるのか!」

と僕が言う。


そして、近づいてきたところで、開いていた、ハサミの部分が、閉まって、『ガーゴイル』を攻撃した。


そして一体目の『ガーゴイル』を倒した。


「すごーい!!おもしろーい!!」

とサラが言う。


「これが『蜘蛛籠手 - スパイダーガントレット』の力!」

と格闘家のレンコが嬉しそうに言った。

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