第二百五話『連結中剣 - チェインソード』
そうこう話をしていると、敵が現れた。
また『ガーゴイル』だった。『D級英雄ランク戦』にも出てきた敵だ。
ランク戦を思い出す上でもいい敵かもしれない。
「ふっふっふ!見た目で判断したらだめなんだよ!!私達の戦い方見せてあげるんだからね!!」
と、美少女剣士のランコはそう言ってギザギザした不思議な形状の剣を構えた。
「よし、まずは私が行こう!!」
と傘型の剣を持つリンコが、『ガーゴイル』に向かっていった。
「とおりゃぁぁ!!」
と、リンコはジャンプしながら大きく、傘を振り下ろす。
ドカッ!と音がなり、『ガーゴイル』がダメージを受ける。
「なるほど、剣というより、棍棒とかの感じか、鈍器で殴る感じの武器なんだね」
と僕が言うと、にやりと、笑うリンコ。
それは発想があまいな、というような、なにか、含むところがありそうな笑顔だった。
そして、『ガーゴイル』はダメージを受けて、後ろに下がり少し羽を使って浮いた。
そこからでは、彼女たちの武器、『剣』、『傘』、『籠手』では、攻撃を当てられない・・・はずだった。
「『連結中剣 - チェインソード』の力みせてあげるんだからね!」
とランコは言いながら、ギザギザの剣を振る。
『連結中剣 - チェインソード』と彼女は言った。
その口ぶりから、普通の剣ではないということだけはわかる。
「ギザギザの剣だ。でも、この距離だと、当たらないよね??」
とサラが呟く。
ギザギザの剣。ランコが構えた『連結中剣 - チェインソード』は剣の部分がギザギザになっていて、剣というよりはのこぎり、しかも随分一つ一つの歯が大きいのこぎりのような形状をしていた。
「うん・・・」
と、僕も呟く。
普通の剣であれば、少し浮いている、『ガーゴイル』にダメージを与えるのは難しい。
近づいてきたら、さらに大きく逃げられる事は想像に難しくない。
「チェインモード!!」
と言いながら、ランコはその剣を振った。
ガチャン!と何かボタンのようなものを押した音が聞こえる。ランコの手元から。
すると、ギザギザな剣だと思っていた、それが『離れた』!
そして、『ガーゴイル』の元に飛んで行く。
「え?なに?ムチ??」
とサラが叫ぶ。
そう、剣だと思っていた。『連結中剣 - チェインソード』は一つのムチの用にしなって、変形したのだった。
そして、その先端が『ガーゴイル』に当たり、『ガーゴイル』は倒された。
「ソードモード!」
とランコが言うと、キュルキュルと音を立てて、ムチの用になっていた『連結中剣 - チェインソード』がランコの手元に向かって戻ってくる。そして、ガチャンと剣の形状にもどった。
「すっごーい!!なにそれ!」
とサラが驚く。
「ふっふふー!すごいだろー!これが『連結中剣 - チェインソード』なんだからね!!」
と、美少女剣士ランコは『連結中剣 - チェインソード』を自慢気に振り、微笑んだ。
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