第二百四話『新たな美少女剣士』

「一回戦??」

と、サラが言う。


「そう、『C級英雄ランク戦』はトーナメント風マラソン方式だからね!」

と、現れた美少女はそう言った。


「トーナメント風マラソン方式?」

とサラが聞き返す。


「そだよん!同じモンスターと同時に戦って、先に倒したほうが、速く先に進めるっていう方式だからね!」

「なるほど、それはおもしろそう!」

と僕は言う。


「そう、おもしろいんだからね!!」

と、その美少女は言う。


『ラスト・オンライン』の美少女とは、どういうものかすこし思い出す。


『ラスト・オンライン』のアバターは基本的には、自動で作られる。それは、筋電位を計る『バーチャルウォーカー』やヘッドマウントディスプレイについているカメラから自動で生成される。


もちろんリアルそのままの姿で生成されるわけではなく、一番似ているものを自動でセレクトしてくれる感じだ。よっぽど気にいらなければ変えることもできるけど、自分の体系とあまりにかけ離れたものにすると、動かしにくくなるのでそのままにすることが多い。


なので、僕は、ゲーム上で美人だったら、美人ということでいいと思っている。


「先に名乗っておくね!私はランコ、こっちはリンコ、こっちはレンコ!」

とかなりざっくりした、自己紹介をする剣士のランコ。


「リンコだ!よろしく!」

「レンコ。よろしく!」

剣士のリンコと、格闘家のレンコが挨拶した。


「はじめまして!剣士のジュンです!」

「格闘家のサラです!よろしく!」

「魔法使いの奈緒子です!よろしくおねがいします!」

と僕とサラと奈緒子は挨拶した。


「それ?傘??」

とサラが聞く。

リンコの持つ武器を見て気になったのかすぐに質問した。


「そう、私の武器は『傘型中剣 - アンブレラソード』だ!いいだろう!あげないぞ!!」

ともう一人の剣士リンコが言った。


「いーなー!楽しそう!雨の日の学校の帰りとか、絶対振り回すもんね!!」

とサラが何のためらいもなくそう応えた。

うん、サラなら振り回すでしょうな。

僕はもう子どもじゃないのでやりませんが・・・。


「そう、そのときの気持ちが蘇るおもしろい武器なんだ!!」

とリンコは応えた。


「傘で戦えるなんておもしろいね!ラスト・オンライン!そういうのもあるのかー!」

とサラが感動している。


「三人とも『アタッカー』なんですね。珍しい!」

と僕が言う。


「どゆこと??」

とサラが聞く。


「全員、近接戦闘の職業なんだよ!基本は、遠隔攻撃の人を入れるんだけど、魔法使いとか」

と僕が基本の戦い方を思い出してサラに説明する。


そうこう話をしていると、敵が現れた。

また『ガーゴイル』三体だった。『D級英雄ランク戦』にも出てきた敵だ。

ランク戦を思い出す上でもいい敵かもしれない。


「ふっふっふ!見た目で判断したらだめなんだよ!!私達の戦い方見せてあげるんだからね!!」

と、美少女剣士のランコはそう言ってギザギザした不思議な形状の剣を構えた。

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