第百五十九話『かわいい水着』
「さて、ショップにつきましたね!可愛い水着買いましょう!」
と奈緒子が再び目をキラキラ輝かせて言った。
と、奈緒子が言って女子たち、サラ、奈緒子、珊瑚、水晶、瑠璃は水着の売っているお店に入っていった。
普通に、僕が入るのはどうかと思ったので、僕は、ショップには入らず椅子に座っていた。
「ほんとに、現実のショッピングモールみたいだなぁ」
と、座りながら呟いた。
そう、郊外の複合型ショップそのものだった。
ぬいぐるみも、家具も、服もそれぞれ別のお店として展開している。
郊外の複合型ショップには、通り道に椅子が置いてあるところも多く、ここもそれを意識してか、ふわふわタイプの椅子が置いてあった。
きゃっきゃっきゃっきゃと、サラたちの声が聞こえてくる。
「サラちゃん!この水玉の水着かわいいですよ!!」
と奈緒子。
「なるほどですね」
と、営業マンのような相槌をうつサラ。
「このフリフリしたやつはどうですか?」
「機動性が気になりますな!」
と奈緒子とサラのやりとり。
水着の話をしているのか、一瞬よくわからなくなった。
「珊瑚ちゃんはどうするの?」
と水晶が珊瑚に聞く。
「うーん、やっぱり、赤かなぁ!」
とたくさんの種類の色の水着を見て、悩む珊瑚。
「瑠璃ちゃんは?」
「私はこれ」
と瑠璃は即決して、かわいいシンプルな下着を選んだようだった。
「サラちゃん!せっかくだから試着してみましょうよ!」
と奈緒子がテンション高めでサラを説得している。
人は、一度着たら戻れなくなる性質があることを明らかに知っている、営業マンのような説得方法だった。
「うん、まぁ、着るだけでジュンに見られないなら!」
とサラが言った。
うん、全部聞こえているからね。
「大丈夫です!ジュンさんには見せません!!私一人でしっかり見ます!!」
「それなら・・・」
とサラと奈緒子は試着室に入っていったようだ。
・・・見れないらしかった。
「わー、サラちゃん、かわいいー!!」
と奈緒子が言う。
ほ、ほう・・・。
「えー、これガード面積狭すぎるでしょ!!」
とサラが何やら抗議している。
ほ、ほう・・・。
面積がせまいとな・・・。
「じゃ、逆にこれはどうですか?これはこれで逆にいいでよ!」
と奈緒子がサラを説得している。
ほ、ほう・・・
逆にいいってどういうこと・・・?
あーでもないこうでもない、と言っている美少女達であった。
「よっし、ジュン買ったよ!!」
「お疲れ、いいのあった?」
と、とりあえず聞いてみた。
「ふふ、秘密!」
とサラはにっこり笑ってこたえた。
「秘密ですね!」
と奈緒子もにっこり微笑む。
サラへの営業はうまく行ったようだ。
「わたしたちも終ったで!」
と、珊瑚、水晶、瑠璃もショップから出てきた。
「よし!カピちゃん達を迎えに行こう!!」
と、サラが言い。
温泉の近くに置いてけぼりにしている、カピバラたちを迎えに行くことにした。
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