第百二十五話『空中戦』
「いっくぞー!!」
とサラは言って、『雷迅 - ライトニング』で大きくジャンプし『大龍 - ワイバーン』の背中に跳びかかった!!
それに気がついた『大龍 - ワイバーン』が「グオオオオォォォ」と吠えた。
サラはまっすぐ後ろから、『大龍 - ワイバーン』の背中に向かって行った、格闘少女のサラに対して、ぐるりと向きを変える巨大な龍。
「わ!背中が遠くなっていく!!」
と叫ぶサラ。
そう、『大龍 - ワイバーン』は
サラに背中を隠しつつ、サラの方を向くために、大きく回転して背中を守ろうとした。
結果、その巨大な翼がサラに目掛けて向かっていく。
「このおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
とサラがその回転して迫ってくる、翼の端に手をかける。
空中で器用に体をコントロールしている。
高速で動く龍の翼を空中でガシっと掴む。
「マジで?!」
と僕が驚く。
地上で動く『大龍 - ワイバーン』すら狙えない僕としては、信じられない身体能力だった。
サラは『龍が回転して背中を守ろうと振り回した翼』をガシッと掴んだ。そして、そのまま回転する龍の翼に両手で捕まっている。
「そんなことできるの?」
と僕が笑う。
笑うしかないレベルの体術だった。
空中で人って動けるの??と思った。
地上でもそんなにちゃんと動けないのに・・・と。
そして、『大龍 - ワイバーン』が回転を止める。
その巨大な龍は辺りを見回す。
背中を守ったはずの対象物、であるところのサラを見失ったからだ。
「とおおぉぉりゃあぁぁぁぁ」
サラは、その龍が回転させるとともに少し開いて浮いた翼の力を利用して、鉄棒でいうところの後方車輪、つまり『手を伸ばしたまま、後方に一回転』かつジャンプした。
「マジ??体操選手?そんな技オリンピック選手でもないと出来ないんじゃないの?」
と僕が驚く。
「サラちゃん相変わらずすごすぎますね」
一緒に見ていた、奈緒子も驚いていた。
「ふふ、昔体操もちょっとやってたんだよ!」
とサラが微笑み、くるっと回って『大龍 - ワイバーン』の背中に着地した。
そうだったのか、いままでの凄い動きに納得がいった。
ただ、明らかにちょっとやっていたレベルではなかった。
「やったああぁぁぁ!!」
無事に『大龍 - ワイバーン』の特等席、背中に着席したサラが喜ぶ。
「ふはははは!どんなもんだい!!」
と、にっこり笑顔のサラさんだった。
「これで、あこがれのドラゴンでのドライブができる!!」
と喜ぶサラ。
ところが・・・
「グオオオオォォォォォ」
サラに背中を取られた、『大龍 - ワイバーン』が暴れだした。そう、カピバラの時もそうだった。乗った後も、暴れるのであった。
「この駄々っ子め!!負けないわよ!!もうカピちゃんで慣れてるんだからね!」
とサラはグッと『大龍 - ワイバーン』をつかんで微笑んだ。
『大龍 - ワイバーン』とサラのロデオ対決が始まる。
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