第百十三話『競争』

「「「サイ!!」」」

三人が一斉に言った。


「あ、そういえばツノついてる!!」

とサラが言う。

そうサイはかっこいいし、大きい。

剣士が乗っていてもどっしりした感じで、サマになるのではないか。


「よし、決まりだな!」

と、僕はサイに向かっていった。


僕は灰色でツノの生えている動物、サイに「騎乗 - ライディング」することにした。


要領は今までと同じなはずだ。

近づいて跨げばいい。


怒らせてバトルにならなければいいな、と思う。


のそのそと歩いているサイの横について、並走する。


「特に問題なく近づけた!」

と僕は言う。

特にバトルになる展開ではなさそうだ。

このまま、乗れてしまうかもしれない。


「よしっ」

と、縦の長さが2m、高さは1メートルちょっとはありそうな、サイにさっと跨る。


「おおおおおおぉぉぉお!乗れた!乗れた!」

と僕は喜ぶ。

これはすごく嬉しいものだ。

そして、楽しい。


「サイってあまり意識しなかったけど、ゾウの次くらいに大きいんじゃないかな」

と僕は言う。


そして、ゾウより速いのではないだろうか、と気がついた。

試してみたくなった。


「よし、進んでみよう!」

と僕はサイに話しかけた。


「サイって、どのくらいのスピードが出るのかな」

と僕は思う。


「確かにイメージわかないですね!」

と奈緒子も頷いていた。


僕の声に呼応したサイのスピードが上がる。

更に、だんだんと、スピードが上がっていく。


「あ、はやいね!!」

とサラがその姿を見て言う。

そう、どんどん早くなっていく。

時速50kmくらいあるのではないか。


ゆっくりめな原動機付自転車くらいの速度が出ているだろう。


「おおおおおお!」

と、僕も予想外のスピードに驚いた。

だけど、安定している。

サイは体が大きく安定している上にスピードが速い。


たぶん重い甲冑を来ている僕にピッタリの動物だったのではないだろうか。


「よし、勝負だよ!ジュン!!」

と、カピバラに乗ってサラは言った。

すでに走り回ってる僕を目指しているようだ。

そして、すでに走りだしていた。


軽いサラを乗せてカピバラは走る。走る。


「よし!来い!!」

と僕は、その挑戦を受け取った。

少しスピードを落として、サラがサイに乗っている僕に追いつくのを待った。


「ふっふっふ、来たよ〜!ジュンくん!私のカピちゃんに勝てるかね!」

とメガネをクィッと上げるジェスチャーをするサラ。当然メガネはかけていない。


「よし、あそこの木まで競争しよう!」

とサラに言う。


「ズルいです!!私も入れてください!!」

と奈緒子が言って、馬に乗って僕達のところまできた。


「もちろん!!」

とサラが大きな声で答え奈緒子がくるのを待った。


そして、「騎乗 - ライディング」競争に奈緒子も合流した。

そして三人の競争が始まる。


「よし!競争だ!」

僕たちは、目印の木の所に向かって走りだした!

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