第九十八話『活発少女達の日常』

「すごい、ぴったり435万ゴールドです!」

奈緒子が表示された、数字を見て読み上げる。


「え、手品??」珊瑚がそう言った。

僕らは、一人435万ゴールドを手に入れた。


「いや、算数だよ!」と僕が珊瑚に言う。


「しかも、金の相場とか、コーティング率が0.1%だとか適当な値をいれたから、たまたまだと思う。そもそも、1円、1ゴールド、というわけでもないしね。」

「でも考え方はあってますよね!プログラマーさんたちも同じような計算をしたのかも!」と胸に手を持ってきて嬉しそうに奈緒子が言う。


「そういえば、お兄ちゃんもそういうことをよくぶつぶつ言ってるような」とサラが思い出したように言う。そうだった、サラのお兄さんのデバイスを借りて、サラはプレイしてるんだった。何をしている人なんだろうか。


「しかし、435万ゴールド!!」

と思い出し言うサラ。


「すごい!!思ってたよりずっともらえたね」

わーいと喜ぶサラ。いつもなら走り回っているところだが、ダメージのため、動きはおとなしかった。


「お姫様ベッドが4つも買える!!」

「そんなにいらないでしょ」と笑う僕。必要だった、115万円より遥かにもらえたので、無駄遣いの仕方を考えるサラ。


「いや、横に並べてぴょんぴょん飛び跳ねて、疲れたところで寝るとか」

「なんじゃそりゃ!!でもサラならやりそう・・・」

と僕が笑った。


「え、みんなやらないの?」

と、キョトンとするサラ。

「やらないですね」と笑う奈緒子。


ちらり、と珊瑚を見るサラ。「あなたはやりますよね!?」という視線で珊瑚を見ている。お姫様ベッドを隠していた珊瑚だ、サラと同じ趣味をもっていてもおかしくないと思ったのだろう


「いや、さすがに、それはせえへんで!」

とバッサリ突き放す、珊瑚。やってないらしかった。


「飛び移りはしないけど、ジャンプでベッドにダイビングはしょっちゅうしてるわね」

「うんしてる。」

と、水晶と瑠璃が言う。


「ばっ!言うなや!!」と慌てる珊瑚。

「はっはっは、ナカーマ!」と珊瑚の肩をポンポン叩きながら、握手するサラと珊瑚。


「いや、違うんや!!ベッドにダイブするのと、川の字に並んでるベッドにぴょんぴょん飛び移るのはまったく違うんやー!!」と叫ぶ珊瑚。


これは、一回はやったことあるな・・・と僕が思っていた所、奈緒子も同じような表情をしていた、その様子を見ていた僕と目があって笑う奈緒子。


「こら、そこ、信用してへんやろ!!」と言う珊瑚。


「ほんとなんや!!ぴょんぴょん飛び跳ねたりしたりしてないんや、昔、オカンに怒られたから・・・」と説明を続ける珊瑚。そこまで言って気がつく。


「あ!!」

すっかり全部薄情した珊瑚であった。サラの握手が大きくなっていた。うんうん、わかるよ。という顔をしている。珊瑚は両手で赤くなった顔を隠している。


「クエスト終了ね、街に戻るわ!」と水晶さんが言う。

僕らの体が光り、転送が開始された。

===

最後までお読みいただきありがとうございます

皆様のおかげでカクヨムpvランキング11位、SFランキング40位になりました!


せっかく最後まで読んでいただいたので

レビュー書いてみていただけるとうれしいです!

できれば★3個、レビュー優しめだとうれしいです m(_ _)m

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る