第九十一話『ラスト・オンラインの根源的楽しさ』
『雷迅 - ライトニング』を纏った、足で、地面を蹴り、高速でジャンプしちたサラは、そのまま手にも纏っていた、『雷迅 - ライトニング』の手刀で、ゴーレムを倒してしまった。
「鬼に金棒、サラに『雷迅 - ライトニング』だ。」
サラの凄まじすぎる攻撃に、僕はまた思った。
その声が聞こえてしまったのか「だれが鬼よ!!」と笑顔で睨まれサラに言われてしまった。すみません。。。
決してサラが鬼という意味では。。。
それは、さておき、戦いが続く。
「300体ということは一人何体倒せばいいのジュン??」
「約50体」と即答する僕。
「約じゃないですねそれ!」と奈緒子がいつもの突っ込みをして笑う。でも、今回の計算は簡単だから私でもできるかも!と笑った。
「一時間で終わらせるなら、一体約1分12秒。30分で終わらせるなら一体約36秒だよ」さらに追加して報告する僕。
「それは、もう私には無理です!」と奈緒子が笑った。
「オッケー!一体、36秒ね!」と更に別のゴーレムに向かって『雷迅 - ライトニング』を使って、地面を蹴り飛んでいった。
「すごいな、30分で終わらせる気なのか!」と僕は笑った。
「僕も頑張ってみよう!」と別のゴーレムと戦闘した。
SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を構え、斬る。
ゴーレムを倒した。ゴーレムは光のエフェクトを纏い、半透明になり消える。
「もう一体!!」と僕が言いながら剣を振り下ろす。
そうして、更にもう一体、倒した。
「た、楽しい!」僕は口に出した。
この「「ラスト・オンライン」」の原点の楽しさを思い出していた。
体を動かす気持ちよさ、音がなる気持ちよさ、光に包まれる気持ちよさ。
それらをまた噛み締めていた。
この「ラスト・オンライン」はそのゲームの根本的な部分のレベルがめちゃくちゃ高いのだった。
他のゲームとは違い、まず、1つのキャラクターあたり、20種類の音が同時になる。足音、衣擦れの音、剣を振る音。さういうのが重なっているそうだ。さらに、キャラクターが8人いれば368個。これが同時に鳴っているらしい。
それらを同時に鳴らすと、ゲームが固まってしまうので、必要な順番に音量を制御し、ギリギリの音数を鳴らしているという、これが、ヘッドフォンを使って360度に配置されている。これが、この「ラスト・オンライン」の根本的楽しさを生み出している。
普通のゲームは左右に振るステレオどころか、モノラル、つまり両耳から同じものしか流れない、というものが主流だという。この、クオリティの高さが、200万本の大ヒットを生み出した、「ラスト・オンライン」の楽しさの根本といえる。
「よし、三体目!!」僕はなんとか、三体のゴーレムを楽した。この50体斬とも言えるクエストにより、根本的な面白さ、剣を振る感触。
「あー、このゲーム面白い!!」
「いまさら何いってんの、ジュン」
「そうですよ!!ジュンさん」
とサラと奈緒子が言う。
「ずっと、おもしろいよ!」
「ずっと、おもしろいです!」
二人は笑顔でそう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます