第五十三話『D級英雄94位』
「やったらできた!」
ぶっつけ本番で、すごい技を成功させた、格闘家の少女サラがニコッと笑った。野球やボクシングの天才の説明が、すごすぎて良くわからない、というのをテレビで見たことがあるけど、あの感じに近い、ヒュッて来たら、バンって打つ、みたいな。
「サラちゃん凄すぎです!」
魔法使いの少女奈緒子が言った。彼女の身体能力の高さを最初から見抜いていた奈緒子だったが、それでも、毎回その想像を超えてくるようだ。
「サラが言ったことを整理すると、『雷迅 - ライトニング』で雷を手に纏って、そのまま、地面に「前方倒立回転とび」(ハンドスプリング)をして、雷が地面を押す反動で飛んだ、と」天才過ぎてわからなかった、サラの説明を丁寧に分かる言葉で整理する僕。整理しても、すごい、単純にそんなこと思いつくのか??思い付いたとしてもできるのか?、と
「うん、そうそう!」
サラがニコッと笑う。
「その反動で、敵の近くまで飛んだ時に、そのまま、雷を纏った手刀の斬撃で、敵を倒した」更に僕が説明を続ける。続けて、難しい事をやっている、自分が高速移動しながら、攻撃をしっかり当てるなんて、簡単に言っているけど、実際にはかなり難しい。動かないで射撃しても難しいのに、走りながら全弾的中させる、そういう、ような事をいいのけているのだ。サラは。
「うんうん、わかってるじゃん!!簡単でしょ、みんなできるよね!」何をそんなに驚いているの?といった表情でケロリと言った。
「できるか!!」僕が突っ込む。
「神業ですね」奈緒子が褒める。
そうこうしていると、先ほど倒した「キングガーゴイル」から光が飛び出し、僕の手元に宝石が飛んでくる。第三のチェックポイントの宝石だ。
「きたきたー!!」
サラが喜ぶ。サラはこの宝石が気に入ったようだ。これもRPGの醍醐味の1つと言えるだろう、すべてのアイテムを集めて最後の扉を開ける。いわゆるフラグを立てて最後の扉を開けるというのがRPGの基本だから。
「『D級英雄の宝石箱』に入れよう!!」
サラがそう言ったので、僕が『D級英雄の宝石箱』を取り出して、第三の宝石を入れる。すると、さらに、光だす『D級英雄の宝石箱』。宝石を入れる毎に光を増す。
「おー、これでやっと半分かぁー。」
「ここからが後半戦だね」
僕が応える。割とサクサク来ているけれど、まだ半分。ここからは更に強い敵が出てくるはずた、すごく楽しみだ。
「そろそろ、順位が発表される頃だね、さっきまでは、998位だったから、だいたい1,000位だね」
「今までの感じから言って、500位くらいまであがってるとうれしいなぁ」とサラが期待を込めた。
すると、ステータス画面が光り出し、大きく順位が表示された。
チーム名:ドラゴンハンター
順位:D級998位→94位
「94位!?!?きたー!!」
1000位からの、いきなりの2ケタ台の突入に、サラが喜んだ。
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