「D級英雄ランク戦」

第四十一話『D級英雄ランク戦』

「そろそろ『D級英雄ランク戦』に出ようかと思うんだけど!」

主にぬいぐるみの買い物を、終えて雑談している時に、僕が、魔法使いの少女奈緒子と格闘家の少女サラに切り出した。


「あ、いいですね!!勝てば、お家も買うことが出来るようになりますね!」

両手を胸のところに持ってきて軽く組み、大きく頷きながら賛成する奈緒子。さきほど、今の我々では、まだ家を買うことが出来ない、という話があったのだけど、このランク戦を勝ち抜くと、買うことが出来るようになる。


「D級英雄ランク戦ってなに??」

また、新しい単語がでてきた、RPGって難しいわね、と言いながら、サラが疑問を口にした。


「この『ラスト・オンライン』は『英雄ランク戦』が売りの1つになっていて、チームにランキング、つまり順位が付くようになっているんだ」

「ふむふむ」

僕の説明に頷く、サラ。


「ランク戦は、基本的には3人から5人のチームで戦う事になっているんだけど、このゲームにはプレイヤー同士で攻撃を与える機能はついていない。なので、直接殴りあって決着をつける、とは行かない。」

「あー、そういえばそうね、ダメージを与える攻撃をすることはできないわね、触ったりはできるけど」とペシペシと僕を、叩いてくるサラ。


「うん、やっぱりダメージは与えてないわね。」

「そうなんだ、このゲームはプレイヤー同士でダメージを与えることははできない」

プレイヤー同士が直接攻撃によってダメージを与えることが出来ないことを、サラが僕を叩いて確認した。できれば他の方法で確認して欲しかったが。


「じゃあ、どうやって決めるの??」

「わかりやすく言うと、マラソンに近いね、階級が同じもの同士が、全員同じステージに集まって、せーので、スタートし、一番最初にボスを倒してゴールした、チームが優勝、あとは、そこまでの距離で順位が決まるんだ。」

と、ざっくりしたルールをサラに説明した。マラソンよりも、トライアスロンや障害物競走に近いかもしれないけれども、ここから先は実際に体験したほうがわかりやすいだろう。


「シンプルでいいね!!そういうの好きよ。ところで、今私達って何位なの??」

サラは僕の話に順位という単語がでてきて不思議に思ったのか、そんな疑問を口にした。わからないことを素直に口にすることが出来ることは好ましい。


「まだ詳しくはわからないんだけど、この『ラスト・オンライン』は200万人が参加しているゲームだから、全部が5人チームだったら、40万位、3人チームだったら66万位だね」

「相変わらず計算が速いですね!!」その計算を暗算でやったんですか??と奈緒子が驚く。


「66万位!!なるほど、先は遠いなぁ」

サラは現状を確認し、大変長い道のりであることを確認してにっこり笑った。


「でも楽しみだね、早く一番になろう!」とサラは笑った。彼女は本気だ。

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