Silver Collector Run 永遠の二番手

作者 緋呂

99

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★★★ Excellent!!!

青春群像劇は正直なところ、あまり読みません。
ですが、この作品には陸上をもっと知ってればよかった、青春群像劇にもっと興味関心が湧けばよかったと思わせる魅力があります。
主人公の葛藤やそれを取り巻く人間が操り人形のようにただ動いているだけではなく、しっかりと存在していると思いました。

村上春樹氏が短編小説は陸上競技で言えば、短距離、スプリントの世界だ。と言っていましたが、この長編作品は主人公の千奔と同様、読み手側も短距離を何本も走らせてくれるような抑揚があります。
その分、書き手側は大変なんでしょうが。

もし、三人称のこういったものを書くなら、単純に初めてこのジャンルを読むなら。
ぜひ、一読してみてください!
さすがプロだ!と思うはず!

★★★ Excellent!!!

二番手と言って有名な話で言うなら、私が思いつく話ではモーツァルトとサリエリ。音楽とは違い、目に見えて結果が出るスポーツというジャンルでのこの例えはおかしいかも知れませんが、この話も青春ドラマ仕立ての中、様々な葛藤が見られそんな一面が見え隠れしている様に見えます。今後の展開が気になる作品です。そしてなによりちーちゃん可愛い。

★★★ Excellent!!!

本作はキャラたちの葛藤が見事に描かれている作品です。
葛藤を含む内面の描写こそが小説という媒体が持つ最大の強みだと私は思います。
小説は漫画などの媒体と違い、視覚的に表現できる面が極端に少ないためスポーツなどの動きの激しいジャンルには本来は不向きなはずです。
しかし、本作は陸上競技というスポーツを取り扱いながらも緊張感のある展開を見せてくれます。。
「走る」という単純で、しかし究めようとすればキリがない事柄を通してキャラクターたちの内面や関係性が掘り下げられています。
しかも「登場人物が走っていれば何となく物語が進んだように見えるよね」というダラダラ感はありません。極めて機敏なストーリー展開です。
現在進行形で青春を送っている人にも、青春時代が過去のものになってしまった人にもそれぞれの楽しみ方ができる作品と言えるでしょう。