○魔法と魔王

魔法とは初級〜最上級まであり、自身が持つ属性の魔法しか発動出来ない。初級は大体10ぐらいの魔力で発動可能。最上級は1万を軽く超える。

そして発動にはイメージが大きく関わる。

魔力が足りなければ威力が下がるか発動途中で消える。


「そう魔力が足りないなら消えるんだ。

爆発などはしない。

僕の魔力量は無限に近いから魔力が足りなかったりするわけではない。魔力質が悪くてコントロールがいくら下手でも魔力さえ足りていれば一応は発動する」


なら、何が原因か……


大体の察しはついてる。

きっと僕は魔力を込めすぎていたんだ。


「初級魔法発動に必要な魔力量は約10。

魔法は自分の意思で魔力を込め発動するから必ずしも魔力量10で初級魔法が発動しているわけじゃない」


僕は紙とペンを取り出した。


「例えば僕の魔力量が仮に1億だとしよう。

1億分の10……つまり、たった0.00001%の力だけを引き出せるだろうか?いや、無限に近い魔力量だから1兆や1京など余裕で超えてる可能性が高い。

そんな力コントロール出来るわけがない」


力を抜いて等と言われて自分では抜いてるつもりなのに力が入っているのと同じだ。

明日ブラウトさんにこの仮説を言って全力で魔力を込めた初級魔法を使って貰おう。


「思えば初級の回復魔法で完全に切断されたドラゴンの尻尾が治るわけがないじゃないか」


初級で出来る事といえば精々擦り傷を治す程度。

属性や魔法の種類で効果がきっと変わるんだ。

回復系は効果上昇。闇属性の攻撃系は爆発し、多分魔法の無効化もする。重力属性はブラックホール。光属性の攻撃系はあまり使ったことないからわからないけど闇属性のように爆発し眩い閃光を発した。


「中級魔法『ライトサークルサーチ』」


国王が変わって暫くしてから攻撃系の魔法以外なら国内のどこでも使えるようになった。

国民から回復魔法も使えないせいで満足いく応急処置が出来ず怪我が悪化するという意見が多かったからだ。


まあ、そんなのは今どうでもいいな。

僕が使った魔法は僕の身体を中心から魔力で出来た光を発し僕が探してるものが光に触れたら場所やある程度の状態がわかるようになってるかなり便利な魔法だ。

普通は半径100mぐらいまでしか光は届かないけど……


よし!成功だ!


「ここから約400km北」


もしかして同盟国のポスクア国かな?

今は寝ているようだけど、取られた腕も何とか繋がってるから多分親切な人に助けてもらったんだろう。


「明日行ってみるか。

依頼があれば転移魔方陣で簡単に行けるけど、最悪ココナミに乗ってい「よお人間」カイオス!?」


僕の部屋のベッドにカイオスが胡座をかいでいた。


「何の用だ?」


僕は何時でもブラックホールを出せる準備をして聞いた。


「身構えるな。話し合いに来ただけだ。

ちょっと事情が変わってよ」


カイオスに戦う意思があるかどうかなんて僕にはわからないから気は緩めない。


「まあいいや。そのまま聞け。

封印されてる魔王復活を手伝って欲しい」



思ってもみない言葉だった。

そして僕からすればかなり魅力的な言葉……


「人間のお前に頼むのはどうかと思うがお前じゃなけりゃだめなんだ。

適当な人間でいいなら、どこかから攫って操ればいいだけだがそれじゃだめなんだ。その底が見えない魔力量と俺に壊されなかっ刀の力、そして人間であるお前の力がどうしても必要なんだ。

来てくれたら、お前の修行を手伝ってやる。

普通の魔法も使えるようにもなるし刀の使い方も魔族式だが教えてやる」


「何が目的なんだ?」


「ん?最初に言ったろ。

魔王復活のためだよ。

なんなら魔族の女や人間の女を攫ってお前にやるぞ?」


「そこまでの待遇をする理由が聞きたいんだ」


「だから魔王復活だって言ってるだろ?

そこまでの待遇をしてでも魔王を復活させたいんだ」


「わかった。

僕も魔王を封印から解いてやりたかったんだ」


「おっ?本当か?」


「うん。僕は魔王復活の手助けをするよ」


そして……今はまだいいか。


「ところで、どうしてここにピンポイントで来れたんだ?」


「ん?お前、自分がついさっきしたこと忘れたのか?」


「?」


「……わかってないって顔だから教えてやるよ。お前の『ライトサークルサーチ』が一瞬この世界全てを包み込んだんだよ。

本当に一瞬だったから気づいたのは魔族でも四天王クラスのやつと魔力に敏感なエルフや精霊ぐらいだろうけどな。アレで四天王の1人が、お前の位置を逆探知したんだ」


まじかよ……


「じゃあ魔族の国へ行くぞ?

俺が転移してやるから手を繋げ」


「あ、ちょっと待って」


「ん?」


「その前にポスクア国に寄ってくれないか?」


「別にいいぞ」


◇◆◇◆◇


「あの門の中からポスクア国だ」


「ありがと」


さて、ここからレイトを探すのは辛そうだな。


「『ライトヒール』発動」


「フハハッ!国全体に覆い被せるように回復魔法をかけるだと?そんなの見たことも聞いたこともないぞ!流石はクロス、俺が認めた人間だ!」


僕はカイオスと共に魔族の国。

魔国へ転移した。

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