そそり立つ壁?
眼前に広がる光景を前に俺は、溜め息をはきつつ一人疑問を口にだす。
「これって本当にどうやって登るんだのうね?無理ゲーじゃね?」
これ、というのを説明するためにここについてからちょっと前までの事を回想しよう
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そもそも今俺が、何処にいるのかといいますと、あのいろいろ意味をこめて大声で宣言のような事をした場所から徒歩30分ほどでつきました滝の横にある崖の下です。
この崖の下に向かう途中の事なのですが、アリアがもう少ししたら例の樹木がある、と言っていたにもかかわらず
滝と崖と回りを探しても
どれも似たような木ばかりで魔力も感じないものしかなかったのだ。
現状を鑑みてして質問したのですが
「ああ、それに関しては心配するな
あるじ様。恐らくこの川にも聖水がながれておるはずじゃ。つまり、この滝の上には、水源があるはずなのじゃ。
そこが濃度が一番濃い、恐らくはそこに生えているはずなのじゃよ例の木はの」
と、具体的な確証をいただきましたので
これでようやく肉の悪夢のような事がおきない事が保証されたと思いニコニコしていたのですが
そう物事は上手くは進まないという事なのでしょうか…
この崖は遠目にみてもかなり高かったのですが近づくにつれてだいたい全長がわかってきまして…
手で傘を作り太陽の光を遮りながら上を見る。
目測だいたい100mくらいはありますかね?
それだけでも相当な高さで厄介なはずなのですが、そこは俺の今の姿に関してはかなりのチートスペックですから。
崖はかなりの急斜面であまりゴツゴツしておらずロッククライミングには向いていなそうです。
ですがここは異世界!
『身体強化』と風系統と火炎系統の魔術を併用でもすればいけると思いますし、アリアに関しては飛べますからね。
背中から、こう、ブァ、っと影で編まれた翼が生えています。
カッコいいぜアリアさん!俺も欲しい!
まあ、それはともかく本当にただのかなり急斜面でかなり高い崖、だったらそれでよかったのだが
そうも簡単にいかないわけで。
何故か、崖に近づいて登ろうと足を一歩踏み出したとたん魔術が無効化されてしまいました。
すでに次の一歩のために魔法を構築していたのでバランスを崩し倒れかけてしまいます。
「まったく、先の聖水の事といい危なっかしいのう。あるじ様は」
後ろから抱きとめられなんとか後頭部を打つ事は防げました。
「あ、ありがとうございます。アリア」
「しかし、いったいどうしたのじゃ?」
「うむ〜……………」
それで、無効化されてしまった理由はいろいろ考察したところ魔力を吸収または霧散させるSSランクの『魔鉱結晶』と呼ばれるアイテムの 原石がかなりの高純度で含有されているのではないか。と言う結論に落ち着きました。
魔鉱結晶と言うのはイベントなど限定でドロップするレアアイテムです。
この『魔鉱結晶』と言うのは特殊な方法で錬成すると通称:AMF(アンチマジックフィールドの略)と呼ばれる魔法の使用魔力を3倍にするというというアイテムなのだ。
戦争などの拠点に好んでこれを使う者(廃人プレイヤー)がいたほどに強力なアイテムなのだ。
ていうかアイテムボックスの中身もこの世界ではチートになる似たようなレアアイテムがわんさか眠っているんですよね…
と、余談はともかくそれで、登れないのでどうしようかという話になりましたが、そのまま何もしないのは悔しいですし。
アイテムボックスの中に野営用のアイテムがあるのですが今はそれはつかえないですし。
流石に今から町に向かうとしても途中で日が暮れてしまいます。
皮を集める事を優先して枠組みを適当なテントを立てて野宿するにしても一応モンスターがいる訳ですから、それは避けたい。
それで、とりあえずアリアに何かいい案がないか聞いてみた。
が、あれ?いない?いったいどこに?
「ただいま戻ったのじゃ。残念ながら登れそうな場所はなかったぞ」
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