上手に焼き尽くしました?
結局、俺があの『ファイアーボール?』でオーク達を倒した後には、『魔封じの網』以外、死体すら残っておらず、鞄系のアイテム作成に必要な素材はオークからは何もとれなかった。
ちなみにここでゲームの世界が現実になった事での違いがあったのだが、この世界では死体に耐久力があるようで魔物や人のHPなくなって死んだり、凍結、火傷などの状態異常の継続ダメージで結果的に死んでからまたHPにダメージを与えると死体は消滅するらしい。
めんどくさく無くていいね
なら、どうやって素材を回収するのかというと、『ステータス』があったことでもなんとなくわかっていたのだが、アリア曰く『解体』というスキルがあってそれを使うと
魔物は素材やアイテムに
人は持ち物と装備、そしてギルドや国で発行される住民票やらギルドカードの強化版の個人認証カードになるということらしい。
現実的なんだかゲーム的なんだか。
どっちかによせてけよ。
なんて思いつつ誰かを殺しても隠蔽が楽なんじゃないだろうかと疑問があったのでアリアに質問してみた。
個人認証カードはなんと、死の直前の事を記録できるらしい。しかも特定の道具を使うことで生きている状態でも認証カードを見ることができる。
このことでカードに犯罪履歴を見ることができるので中世程度の文化でも治安もそこまで悪くないらしい。
不思議カードさん。マジパネェぜ。
ちなみに俺はゲームにはそんなスキルなどなかったので持っていない。
「ん?あるじ様も持っているはずじゃぞ?まぁ、無くとも我がどうにかしてやるがの」
「え?」
「ほれ、スキル欄を確認せい」
『ステータス』を確認するとNewという文字と共に『解体』というスキルがはいっていた。
これに俺は新しいスキルが入手できた喜びに思わず頬がにやけたが、先程の『ファイアーボール?』の炎がひいて仲間がどうなったのかでも見にきたのかあのギトギトオーク達の仲間が森からこちらをみていたので、戦闘用に思考を変えた。
先程の戦闘で『ファイアーボール?』が何故ああなったのかを思考してみる。
なんとなくそうだろうという仮説ができたので、確認のため今度は『ファイアーボール?』の氷雪系バージョンのDランクの初級スキル『アイスボール』を改めてしっかりとしたイメージを固めて、発動したところ
今度はちゃんと50㎝くらいの冷気の塊が真っ直ぐ左手から飛び出し当たる直前に拡散し辺り一帯のオークを氷付けに、ではなく数個の小さな氷柱ができた。
これで森林火災をいちいちする必要が無くなった。
この結果によって仮説がほぼ実証されたので私は満足そうに頷く。
アリアは、よくわかっていないようなので、当然ごとくの疑問をかけられた。
「のう、あるじ様?今度のは『アイスボール』に聴こえたのじゃが?
『アイスボール』って普通拡散せんんよな?
しかも、あんな見事に氷柱まで立たせて凍死したりしないじゃろう?どういう事なんじゃ??」
「それはですね。多分というか確実に魔法使いの固有スキルの『魔導の神髄』というものの効果ですよ」
そう、これはかなりの自信を持って言える仮説となったが、転生されてから追加されていた職、魔法使いの固有スキルだろう『魔導の神髄』の効果だと考えられる。
『魔導の神髄』の効果は、自分が創造した通りに魔法が発動できる。というものだった。
あきらかに内容からもわかる通りチートなのだが多分魔法を使う前にイメージした通りに発動したのだろう。
まあ、威力は想像を超えていたのだが。
なのでこれを言えばアリアにも理解できると思ったのだが。
「な、ちょ、ちょっと待て!あるじ様?『魔導の神髄』?我は知らんぞそんな名前のスキル。
ま、まさか、あるじ様?全ての魔法系スキルを習得したりして無いだろうのう?」
「え、ええ、元々魔法系のを集め終わってから他のスキルを集めはじめましたから」
ちょっとアリアの焦りようから何か不味い事でもしてしまったのかと不安になってきたのだが?
「やっぱりか…。うむ…なんていうか、その固有スキルなのじゃが、恐らくは、神格を宿した固有のものだ。
そう考えれば、あの威力も納得できるというものじゃの。
我も眷属として鼻が高いぞ」
と、腰に手を当てながら高笑いをしていた。
ああ、やっぱりアリアは可愛いなぁ。
「ちょっ、あるじ様!なにをするのじゃぁ」
おっと、無意識のうちにアリアの頭を撫で回していたようだ。
俺は慌てて身を引く。
「あっ!」
アリアの頭から手を離した瞬間、一瞬寂しそうな顔をしていたような気がした。
「ごめんね、いやだった?」
「い、いや。そ、そんなことは無いぞ!
というかもっと撫でて欲しかった」
最後の方がゴニョゴニョしていて聞こえなかった。
それでもやっぱり「アリアは可愛いなぁ」
「な、なにを言っておるのじゃ\\\
と、とりあえずオークから素材を取ってくるのう!」
慌ててオークの方に走って行ってしまった。あれ?声に出てた?
「さて、私も手伝おうかな」
「ねぇ、アリア?魔物とかは凍死の状態でも『解体』は可能なの?」
「ん…。ああ、凍死は状態異常扱いだから疑問じゃったのか?
死んだ状態の死体ならば、状態異常は関係無く『解体』できるから大丈夫じゃ。安心して採取するといいぞ、あるじ様」
なるほど、それはいいことを聞きました。これで遠慮なく凍らすことができます。
「そうなんですか⁉︎知りませんでした。ありがとうございます、アリア。では…『解体』……………?あれ?」
ええ…今の反応でわかったかも知れませんがまたスキル柄みというかオーク柄みで予想外の事態です。
と、俺が首をかしげていると、首をかしげているのを疑問に思ったのかアリアがやって来たのですが。
「ん?どうしたのじゃあるじ様?。
ああ、なるほどのう。というかまさかじゃのう」
「 ええ…本当そうですね。『精力増強剤』、ってなんじぁぁぁぁぁこれぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
天に向かって魂からの叫びを空に上げた。
「「オークはやっぱりそういうイメージだったんだな(じゃの)」」
あと余談ですが、アリアの方では普通にお肉(豚肉)が出たそうです。それでいいのかオークよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます