第三章・ふたたびのきょじん

だい10にゃ・え? またなの?

「うぅ~ん……」


 僕は大きくて柔らかいものと、小さくてつるっつるな丘を両手でモミモミしながら、顔を柔らかい二つの山に挟まれていた。そしてさらに、僕の背中には柔らかくて気持ちのいい感触が乗っかっていた。


「ッハ!! こ、ここは天国!? ――じゃなかったか」


 僕の今の状況は、メロンお姉ちゃんにメロンで顔を挟まれて、片手にモモちゃんのぺったんこを、片手にミーナちゃんのスイカを、そして背中にはシャオたんがしな垂れかかっていた。


 やっぱり天国か。あの後、宮殿にまで運ばれたのかな?


 僕は『モッモッ』と揉みながら『チュッパチュッパ』と吸い付く。


「にゃん! にゃん! にゃぁん!」


 上下左右から『にゃんにゃん』と官能的な響きが聞こえる。


「おっふぅ! おっふぅぅ!! やっぱり猫耳が一番やぁ~」


 ゆっくりと起き上がってから、シャオたんに、秘技啄木鳥きつつきをお見舞いする。


「ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ!!」


 まさについばむような早さで、KISS! の嵐を降らせる。


「にゃぁん」(ぽっ)


 はぁ……。平和だ、脅威も去ったし僕は此処でキャッキャウフフと暮らしていける


 少ししてから、シャオたんが『にゃんにゃん』叫んで、猫耳メイドたちによって朝ご飯が運ばれてきた。

 いつも通りのフルーツの盛り合わせだ。『もっしゃもっしゃ』と口いっぱいに頬張って食べる。この世界のフルーツは美味しいなぁ~。


 相変わらず、僕の息子しゃーくは興奮を感じても全く立たない……。

 いや、待て! もしかして今の僕なら魔法で何とかなるんじゃ!?


 閃いたら即実行だ!

 僕は立って腰を突き出す。


「ばいんばいんでたゆんたゆんな女神様!! 僕の息子へるべぇりあんを治しておくれ!!」


 僕はありったけの、巨人と戦ったとき以上の力を魔法に籠めた。

 すると、優しくも力強い輝きが僕の息子かぺるを包み光り輝いた。


「しゅ、しゅごい!! こ、これが、癒しの輝き!!」


 僕の股間を包んでいた光が、一層強く輝くと、儚く輝いて散っていった。


「な、直ったのか!?」


 僕は息子おるとすを何度も手で上下させて『しゅっこしゅっこしゅっこ』と音を立てる。


「た、立たないだと……そ、そんな……まだ僕では実力不足と言うことか……」


 床に数滴の涙を流しながら、僕は誓った。


「僕は! 必ず立たせるために! 偉大な賢者になってみせるぅ!!!!」


 と、勢い勇んで叫ぶ。

 叫んでいると、直ぐ後ろにメロンお姉ちゃんが立っていた。


「メロンちゃ~ん」(だき)


「ぐっふふふ。ちゅっぱちゅっぱ」

「にゃん」


 メロンお姉ちゃんは僕を強く抱きながら、誘導するシャオたんの後ろに付いて行き宮殿の外へ出て行った。僕はその間『ぢゅっぱぢゅっぱ』していたから気づかなかった。


 それから馬車に乗せられて、メロンお姉ちゃんの膝の上に頭を乗せながらの『ちゅっぱちゅっぱ』

 夢中になって授乳プ○イをしていると、ガタゴトと馬車が動き始めた。御者台にはシャオたんが、授乳プレ○をしている僕の正面には双子のモモちゃんとミーナちゃんが座っている。


 ガタゴトと揺れる事数時間。


「にゃん」


 シャオたんの鳴き声を合図に猫耳娘たちが外に出る。僕も吸い付きながら外に出た。


 そして、目を見開いて驚いた。


「ちゅっぱちゅっぱ!! ちゅーーっぱ! ちゅっぱ!」


 おっと、喋らないと。


「ちゅっぱちゅっぱ。きゅぽん!」


 僕は口を離すと叫ぶ。


「な、なんでまた巨人がいるんだよぉぉぉ!!!!」


 以前に岩の巨人に会った場所よりもさらに奥に行った場所に、全長35メートルの銀色に輝く四つ目の巨人が居た。

 な、何匹いるんだ? こ、これで終わってくれると嬉しいんですが……。


「ふふふふふ! だが今の僕は最強だ!! はーっはははははは!」


 僕はシャオたんから杖を受け取ると、近づいてから早速詠唱に入る。


「ふぉぉぉぉー!! こい! こい! 来るんだ!! ウィンドカッター!!」


 30センチほどの風の刃が数個、銀色の巨人に向かって飛んでいく。


 だが、『ガァイーン』と、間抜けな音を響かせただけで、まったく効いていなかった。


「な、なんだと……い、いや。きっと金属なんだ! なら溶かしてやる!」


 僕はありったけの魔力を籠める。


「ふんぬー!! 来い! 赤き血潮よ! 来い! 紅蓮の炎よ! バースト!!」


 銀色の巨人の前に、一つの真っ赤な光が出現する、寄り集まる様に凝縮し凝縮し凝縮して、さらに赤みが増した後に大爆発をした。


 今回は距離があったから少しコロコロ転んだだけですんだ。


「っふっふふふ。やったな――え?」


 銀色の巨人は胸の部分が少し、ほんの少しだけ溶けただけだった。


 口を空けて呆けていたら、銀の巨人に『ガシ』っとケツを掴まれた。

 え? また? またなの!?


 銀色の巨人は、僕を掴んだ方とは逆の手を見せるように出して、人差し指をドリルのように回転させた。


「まぁ!! まってくれ!?!? それはマズイ! 最初よりもグレードアップしすぎだから!!」


 ケツのあたりから『ぎゅるるるるるるるるるるるるるる!』と高速回転する音が聞こえてくる。


「ひぃぃぃぃぃ!! ま、ママー!! たすけてぇー!!」


 もう僕のケツの穴には、ドリルが回転する時に生じる風が当たっていた。


「ヒッヒヒ……ひ、ま、まだ諦めないぞぉぉぉぉ!!」


「ふんぬ!! ふんぬ!! 結界展開ぃぃーー!!!!」


 魔法を使ってケツの穴の手前に魔法の障壁を作る。即興で作ったにしてはなかなかいいで――

『ピキ……ピキピキ』と障壁にひびが入る音がした。


「っく! 二重展開!! 三重展開!! よ、四重展開!!」


『パリン……ピキ、ピキキ』一枚目が割れて二枚目に突入していた。


「こ、このままじゃヤバイ!? 最初の奴と比べると強すぎだろ!!」


 ど、どうすれば!? どうすればいいんだ!?!?


『ピキ、ピキ、パリン! ……ピキ』


 二枚目が割れて早くも三枚目にも嫌な音が聞こえてくる。


 も、もう疲れてきて魔法が使いにくく……

 その時に僕はメロンお姉ちゃんを見た、そして今までしていた授乳○レイを思い出す。


「あぁ、ケツが裂けたら、もうできないかも……ん?」


 まだ手はある!?


『ピキキ……パリン』


 時間がない! もう最後の四枚目まで来た!!


 僕は集中して魔法を使う、体から『ニュル』っとした液体が出てきた。

 これぞ、僕が考えた『抜けないならニュルっとしよう作戦』だ!!


『ピキキキ』四枚目が割れそうになった瞬間に、ケツから風を飛ばして、僕は『ニュル』っと飛んで行った。


「やったぁぁーー!! 成功だ――ぐべ!!」


 宙を舞った後に、赤土に顔を滑らせながら止まる事ができた。

 ガバっと起き上がって猫耳ちゃんたちを見る。


「早く帰るよ~」

「にゃぁ~」

「にゃん」

「にゅ」

「にゃんにゃ」


 満場一致で帰る事ができた。

 こうしてまた、巨人との戦いが始まったのである。

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