初クエスト受注
「じゃあこれで、冒険者登録は終わりです。こちら冒険者カードになります。」
後半、なんか悪口しか言われ帝ないような気がしたが、やっと終わった。
冒険者カードには、レベルとステータスが書いてある。
あと、
種族 人間。
性別 男。
冒険者ランクC級
職業 なし
とか書いてある。
能力値を確認して見ると、ライフが辛うじて二桁、他の数値が軒並み5前後である。
弱いやん。恐らくその辺の子供より弱いじゃあないだろうか。
恥ずかしいよ。もう元の世界に帰りたいよ。
幸いギルドに人が少なかったため俺がレベル1だと言う事実は多分回りに広まらないだろう。
「おい、あいつレベル1だってよ。」「プークス。あの齢でレベル1とか弱すぎだろ。」「笑ったら、可愛そうでしょ、クスクス。」
クソぉおお、殴りてぇ。あいつら殴り飛ばしたいよ。
まぁ、返り討ちにされるのが怖いので今は見逃してやる。
俺も、俺で、性格が悪いのかも知れない。
「では、今日は早速クエストを受けて生きてますか。」
良かった。今日、クエストを受けれないと明日には宿無し、明後日には飢えて、三日目には飢え死にって感じになりそうだ。
「じゃあ、そうします。」
「で、あなたがソロで行けるクエストとなりますと・・・何がいいんでしょう・・・。」
あのぉ、疑問文で返さないでください。
その、このモンスターにも、あのモンスターにも負けそうとか言うのやめてください。
俺だって傷つくんだぞ。心もちゃんとあるんだぞ。
「そうだ、食用として討伐対象になっている、ビックラビットの討伐なんてどうでしょう。」
「それって強いモンスターなんですか。」
「ふふ、ビックラビットはモンスターではありません。タダの大きなウサギです。」
「え、大きなウサギ。」
ウサギって、たまにペットで飼われてるあれだよな。
孤独死したり、野菜畑を荒らしたりで、割と有名なウサギだよな。
「ただのウサギですが、ものすごく足が速いことで有名です。
しかし、こっちから襲ってもほとんど反撃してきません。
基本的に逃げるだけなのでどんなにレベルが低くてもやられるなんて事ないでしょう。
また低レベルの内は、数匹倒せればレベルがあがるでしょうし。」
それ、やられるフラグなのでやめてください。
数匹倒せばレベルが上がるか。レベルがある世界だからモンスターを倒せば経験値的なものがもらえるのか。
なら確実に倒せるだろう弱い獲物から狙っていったほうがいいだろう。
「まぁ、そうですね。それでお願いします。」
「では、この書類にサインをしてください。」
サインを頼まれた書類には、報酬1匹1000ゴル、失敗時の罰金0ゴルと書いてある。
「失敗した場合罰金があるクエストもあるんですね。」
「そうですね、護衛クエストなどで失敗した場合、どうしても依頼者にある程度の賠償金を払わなくてはならないことがあるんですよね。
でも、このビックラビットは、常時募集している討伐クエストなので急ぎではありません。
そのため失敗しても罰金はありませんのでご安心ください。」
なんだろう。受付の人の笑顔が怖いです。
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