赤の大捜査線編⑦
そんな赤の誤差玉に苦しめられて、ほぼ1ヶ月。
眠そうな目をこすりながら、ホール業務にあたっていた。
ある日、1人のおっちゃんが、呼び出しランプを押してアルバイトを呼んでいた。
僕は遠くの方から見ていたが、そのドル箱に何か違和感を感じた。
すぐに近づいて、そのドル箱の玉を見た瞬間。
「おぇっ!」
思わず気分が悪くなり、戻しそうになった。
それは、
黒っぽい玉がドル箱一杯に盛られていたからだ!
僕はすぐに、アルバイトに叫んだ。
「あかん!交換したらあかん!」
「?????」
アルバイトもおっちゃんも、何のこっちゃわからん顔をした。
そのドル箱の玉が、黒い!と感じたのは、どうやら僕だけのようだ。
ほぼ毎日、店の玉を抜いて、手の平にのせて選別したから、この色の違いが僕には、わかるようになっていたのだ。
手の平を真っ黒にさせて、自分の店の玉と持ち込み玉を選別していた、僕ならわかる!
このドル箱の玉は、違う!
この色、うちの店の玉じゃない!
「おっちゃん!この玉どこから持ってきたんや!」
僕は叫んだ。
「いや、向こうの台で大当たりした玉、持ってきたんや。」
「嘘や!!」
僕はすぐさま、自分の店の玉を一掴み手に取り、そのドル箱の玉と並べてみる。
「これ見てみい!うちの店の玉と、このドル箱の玉の色!全然違うやろ!!」
「・・・・ほんやな。」
全然悪びれる様子もなく、おっちゃんは認めた。
「おっちゃん!事務所こいや!!」
そのおっちゃんの手を掴む!
見つけたぞ!ついに!
不正な持ち込み玉の犯人を!!
この手、絶対に離すものか!
「・・・・うん。わかった。」
おっちゃんは、おとなしく事務所に行く事を従った。
さあ!どうしてくれようか??
俺らの貴重な時間を!
労力を!
今すぐ返してもらうぞ!!
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