第2話 約束

はぁ、今日もあの夢を見たな。いつも見るあの子はいったい誰なんだろう?

「こ、こんにちは。あなた様が柊怜様ですか?」

「柊怜というものですけど何か。」

「怜!あなたが怜なのですね、やっと会えました。約束を果たしに行きましょう!!」


「この子って、いつも夢に出てくる子にそっくりだな。」

「夢ですか?」

「あ、えっ。声に出てましたか?」

「あなたは覚えていないのですか?あの約束のことも私のことも。」

約束?約束ってなんだ。いったいこの子は何を言っているのだろう。

「ごめんだけど、君は誰?」

「怜は覚えていないのですね。私の名前は瑠衣。あなたの婚約者ですよ!!」

「ふーん、婚約者、婚約者!?」

「怜、どうしたのです?」

「いや、婚約者って俺にそんな人いないよ。」

婚約者ってことは夢に出てくる約束ってこのことなのか。

「あの、じゃあ約束っていうのは婚約することですか?」

「いいえ、あなたはきっと忘れてしまっていると思ったので…約束はこのことではないですよ。」

じゃあ、この子の言う約束っていうのはいったいなんなのだろう?

「約束って何か教えてもらえないかな?」

「怜が連れていってくれるって、お気に入りの秘密の場所にって言っていたのですよ。」


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