インターバル
夜の訪問者
ワンダー・プラネットの徳久なる怪しげな人間と邂逅を果たした後も、数日ばかりは平穏に日が過ぎ去った。
気づけば八月も第二週に差し掛かり、いよいよ赤星道場との合同合宿稽古も目前である。
《アトミック・ガールズ》の七月大会以降、そちらの話も順当に進められていた。
鞠山選手が参加を希望したところ、赤星道場の側からも二つ返事で了承をもらえたのだ。
「赤星道場はいつもお盆直前のシーズンに、馴染みの旅館を借り切って合宿稽古をしてるんだよ。きちんと参加費を払うなら、うちの他に十人ぐらい増えても問題はないとさ」
立松の言葉をそのまま連絡網で回すと、かつて合宿稽古に参加した十名全員が参加を表明することになった。
『こんな時期だからね。アタシらはアタシらで、結束を固めさせていただこうよ』
神奈川に戻った小笠原選手は、電話でそのように語らっていた。
合宿稽古の参加メンバーは、のきなみ新生パラス=アテナのやり口に反感を抱いている。もっとものんびりとした気性のオリビア選手でさえ、例外ではなかったのだ。
『ルールの改正とかは大歓迎ですけど、ユーリを不当に貶めようっていうやり口は納得できないですねー。こんな話が続くようなら、ワタシは新しいアトミックから離れるつもりですー』
オリビア選手はフルコン空手の玄武館の所属で、MMAに取り組んでいるのは武者修行のようなものなのだと言っていた。パラス=アテナが望まぬ方向に突き進むならば、遠慮なく切り捨てようという算段であるようだ。
『でも、一緒に稽古をしたみなさんは大好きだから、応援してますよー。今度の合宿稽古も、ぜひ参加させてくださいねー』
そうしてオリビア選手を含む全員が、合宿稽古に参加することになった。
赤星道場と新宿プレスマン道場、そして雑多な女子選手たちによって行われる、きわめて大規模な合宿稽古である。赤星弥生子、青田ナナ、大江山すみれ、そしてマリア選手という顔ぶれまで居揃うのだから、これは期待も高まろうというものであった。
ちなみにオリビア選手はメイ=ナイトメア選手も誘ったそうだが、あっさり断られてしまったそうである。
瓜子との対戦も終えたので、そういう意味では何の弊害もなかったのだが、本人に参加の意思がないのであれば、しかたがない。瓜子に敗北したゆえに、ベリーニャ選手との対戦も望めなくなった彼女が、今後どのようなスタンスで《カノン A.G》に関わっていくことになるのか。まったく予測はつかなかった。
そうして合宿稽古を目前に控えた、ある日のこと。
プレスマン道場における充実した稽古を終えて、瓜子とユーリが三鷹のマンションに帰りつくと――その入り口付近に、やたらと巨大な黒塗りのSUV車が停車していたのだった。
「ちょっと待ってください、ユーリさん。あの車……なんか、怪しくないっすか?」
「ほえ? 怪しいって、何があ? 雑誌の記者さんとかにしては、ちょっとお車が立派すぎるのではないかしらん?」
「立派すぎるから、怪しいんすよ」
瓜子の脳裏には、徳久のネズミ面が思い浮かんでいた。
かつては反社会的勢力にも繋がりがあったという徳久の素性に、瓜子は大きな警戒心を抱かされていたのだ。
「万が一ってこともありますからね。ユーリさんも携帯を出して、すぐ110番に通報できるようにスタンバってください。おかしな連中が出てきたら、すぐに通話をオンにするんすよ? いざとなったら、自分が盾になるんで――」
「あ、それはダメ。生きるも死ぬも、ユーリはすべてをうり坊ちゃんと分かち合う所存なのです」
「だったら、一緒に走って逃げましょうね。まずは向かいの道路に渡って、逆側からマンションを目指しましょう。……あ、ちょっと待ってください。その前に、車のナンバーを控えておきます」
と、瓜子が携帯端末のメモ機能を使おうとしたとき、後部座席のドアが開かれた。
反射的に、瓜子はユーリの盾となる。が、そこから現れたのは――血のように赤いワインレッドのパーカーを着込んだ、小柄な娘さんであった。
「ウリコ・イカリ。帰りを待っていた。僕、君と話がしたい」
深くかぶったフードの脇からは赤みがかった金色のドレッドヘアーがこぼれており、その狭間からは黒い無表情な顔が覗いている。
なんとそれは、メイ=ナイトメア選手であったのだ。
「メ、メイ選手? こんなところで、何をやってるんすか?」
瓜子が惑乱した声で反問すると、メイ=ナイトメア選手はうろんげに小首を傾げた。
「僕、君と話がしたい。……日本語、間違ってる?」
「い、いえ、間違ってはいないんでしょうけど……でも、自分なんかに何の話っすか?」
「大事な話。車で話したい」
ポケットから出された指先が、後方のSUV車を指し示す。
まだ警戒心を引きずっていた瓜子は、大いに思い悩むことになった。
「ええと……あまり面識のないお相手の車に乗り込むっていうのは、ちょっと気が引けるんですが……」
「理解できる。僕、同じ立場だったら、断っていると思う」
感情の読み取れない低い声で、メイ=ナイトメア選手はそのように言いたてた。
「でも、同じ理由で、君の家に招いてもらうこと、難しいと思う。僕、どうするべき?」
「いや、ちょっと待ってくださいね。そもそもどうしてメイ選手が、自分たちのマンションを知ってるんすか?」
「調査した。日本の探偵事務所、優秀」
「……わざわざ探偵を使ってまで、マンションの場所を調べたっていうんすか? 用事があるなら、道場に来てくれればいいじゃないっすか。それに、オリビア選手だったら自分の連絡先も知ってるわけですし……」
「大事な話、他の人間に聞かれたくなかった。君にだけ、聞いてほしい」
ますます、わけがわからない。
ただやっぱり、瓜子の脳裏には黒澤氏の脂ぎった顔や徳久氏のネズミ面が浮かんでしまっていた。
「……もしかしたら、パラス=アテナの運営方針が変わったことに関係するお話っすか?」
「そう。関係ある」
「パラス=アテナのお人らに頼まれて、こんなところまで出向いてきたわけっすか?」
「違う。ここに来た、僕の意思」
瓜子はうろんに思ったが、しかしパラス=アテナの人間であれば、選手の住所もわきまえているのだ。ならば、探偵を使う必要などないはずであった。
「さっぱりわけがわからないっすね。立ち話でよかったら、聞かせてください」
「……大事な話、ここでしたくない。車の中、家の中、駄目なら、僕、どうするべき?」
「あ、マンションの中にラウンジがありますよ。こんな時間なら誰もいないでしょうし、そこならどうです?」
メイ=ナイトメア選手は、こくりとうなずいた。
「盗み聞きされないなら、そこでいい。君の親切、感謝する」
口調はぶっきらぼうであるが、瓜子は初めてこの人物に人間らしさを覚えていた。今のうなずく仕草などは、どこか子供っぽくて可愛らしいようにすら思えたのだ。
(でも、あたしなんかに何の用事なんだろう?)
そんな疑念を抱きつつ、瓜子はメイ=ナイトメア選手をマンションのラウンジまで案内することになってしまった。
ラウンジといっても、入り口のロビーのかたわらにソファセットが置かれているだけのことである。朝方にはご老人が新聞を読んでいたり奥様方が雑談に励んでいたりすることもあるが、瓜子たちがそこに腰を落ち着けるのは初めてのことであった。
そうして瓜子の隣にユーリが陣取ろうとすると、メイ=ナイトメア選手はたちまち黒い目をぎらつかせた。
「大事な話、二人で話したい」
「あ、そうなんすか? でも、パラス=アテナにまつわる話だったら、ユーリさんにも聞いてほしいんすけど」
「……大事な話、二人で話したい」
「どっちみち、自分はあとでユーリさんに話さないといけなくなるから、二度手間になっちゃいますね。あと、メイ選手を疑うわけじゃないんすけど……今はなるべく単独行動を避けるようにしているんです」
メイ=ナイトメア選手は、後半の言葉に納得してくれたようだった。
「了解した。ただし、大事な話なので、口出しはやめてほしい」
「はぁい。大人しくしてまぁす」
メイ=ナイトメア選手はひとつうなずくと、おもむろにフードを背中にはねのけた。が、そうするとたちまち長い前髪が顔にかぶさってしまう。
相変わらずの、石のような無表情であるようだ。
黒い瞳は、静かに重く輝いている。そして、真っ直ぐに瓜子を見つめていた。
「僕、おかしなことを言うと思う。でも、真剣だから、怒らないでほしい」
「はい。どういったお話でしょう?」
メイ=ナイトメア選手は、大きく胸もとを上下させた。
鼻だけで、深呼吸をしたようである。
「ウリコ・イカリ。……僕と一緒に、北米に渡ってほしい」
瓜子は心を引き締めていたが、それでも思わず「はい?」と反問してしまった。
「北米に渡ってほしいって……まさか、旅行のお誘いとかじゃないっすよね?」
「旅行、違う。北米で、一緒にトレーニングしたい。それで、《アクセル・ファイト》との契約、目指したい」
瓜子は至極あっさりと、困惑の奈落に突き落とされることになってしまった。
「いやいや、あまりに突拍子がなさすぎますよ。《アクセル・ファイト》が何ですって?」
「僕の目的、ベリーニャを倒すことだった。でも、もう不可能。だから、北米に渡って《アクセル・ファイト》との契約を目指す。君も一緒に、目指してほしい」
「だ、だから、どうしてそこに自分が出てくるんすか? 自分たちは、きちんと言葉を交わすのも初めてなんすよ?」
「でも、君の力、知っている。僕、初めて試合で負けた。でも、《アトミック・ガールズ》のルール、普通じゃない。普通のルールなら、僕が勝つ。君、足りないもの、たくさんあると思う。だから北米で、トレーニングを積むべき」
メイ=ナイトメア選手の声に、じわじわと人間らしい感情がにじんでくる。
どうやら彼女は大まじめに、こんな素っ頓狂な話を語らっているようだった。
「えーと……やっぱりちょっと、根っこの部分がわかりません。そもそもこれは、パラス=アテナにまつわる話だって言ってませんでしたっけ?」
「そう。パラス=アテナ、運営者が変更された。新しい運営者、性根が腐ってる。ルールの改正、正しいと思うけど、あの運営者は信用できない。あんな興行には、もう関わるべきじゃない。だから、君と新しい道、進みたいと思った」
「ああ、そういうことっすか……でも、どうしてそんな話に、自分を誘ってくれるんすか?」
「君、才能を感じたから」
「トレーナーやプロモーターなら、そういうお誘いもわからなくはないっすけど……でも、メイ選手は一介の選手っすよね? それとも何か、裏でそういう活動をしてるんすか?」
「してない。僕……チームメイト、欲しいだけ」
そう言って、メイ=ナイトメア選手はちょっと苦しそうに眉を寄せた。
懸命に、感情がこぼれるのをこらえているような所作である。
「君、オリビアと交流を持ってる。オリビアから、僕の話、聞いてない?」
「ええ。特に立ち入ったことは聞いてませんけど……」
「僕、資産家の養女。MMAの世界でトップに立つため、養女にされた。子供の頃から、ずっとトレーニングだった。目的を達成しないと、本当の家族たち、援助を打ち切られる。だから、必死にトレーニングを積んできた」
いきなり思いも寄らない言葉を聞かされて、瓜子は言葉を失うことになった。
黒く燃えるメイ=ナイトメア選手の瞳には、さまざまな激情が渦を巻いている。
「僕、《スラッシュ》のチャンピオンになったけど、養父、満足しなかった。せめて、ベリーニャを倒さないと、目的の達成にならない。だから、日本、追いかけてきた。でも……僕、君に負けたから、チャンス失われた。だから、《アクセル・ファイト》で結果を残したい」
「いや、だけど……そこで自分が、どう関係してくるんすか? いきなりチームメイトって言われても突然すぎて……」
「君、ものすごく強い。僕、本気でぶつかって壊れなかった女、君が初めて。君だったら、本気でスパーリングできる。僕、君と一緒に練習したい」
「なるほど。スパーリングパートナーとして雇用したいってお話っすか?」
「違う。君も一緒に、《アクセル・ファイト》、目指してほしい。僕……チームメイトが欲しい。同じ目的のため、頑張る仲間、欲しい。僕……ずっとひとりだったから」
そう言うなり、メイ=ナイトメア選手はぎゅっと唇を噛みしめた。
まるで、子供が泣くのをこらえているような表情だ。
あの石のように硬質な無表情の下には、こんな素顔が隠されていたのだった。
「そんな風に言ってもらえるのは光栄っすけど……でも、自分はまだ《アクセル・ファイト》のことなんて考えられません。今は目先のことで手一杯なんです」
「住む場所、練習場所、すべて準備する。滞在ビザも、準備する。僕の養父、目的のためなら、いくらでも資金を出す」
「いや、そういう問題じゃないんすよ。仮にこの先、北米進出を目指すとしても……自分は日本で頑張って、結果を残したいと考えてます」
メイ=ナイトメア選手の目に、ふっと影が落ちてしまった。
「日本、環境が整っていない。《アトミック・ガールズ》、終わりが見えてる。結果、残す場所がない」
「いやまあ、今のアトミックはひどい有り様ですけど……でも、なんとかしてみせますよ」
「なんともならない。《JUF》、ジャパニーズ・マフィアと癒着して、終わった。《アトミック・ガールズ》、同じ道を辿る。そうしたら、女子選手が活躍する場所、なくなる」
「なくならないっすよ。たとえ《アトミック・ガールズ》が崩壊しても、自分たちはどうにかして居場所を作ってみせます」
「無理」と、メイ=ナイトメア選手が低い声で言い捨てた。
その目に渦巻いていた複数の感情が、やがてひとつの感情に集約されていく。それはまぎれもなく、怒りの激情であった。
「君、才能ある。でも、まだ穴だらけ。こんな腐った国にいたら、君の才能も腐って終わる」
「腐った国とは、ずいぶんなお言葉っすね」
「本当のこと。だから、《アトミック・ガールズ》も腐った。一緒に腐りたいなら、勝手に腐ればいい」
それだけ言って、メイ=ナイトメア選手はゆらりと立ち上がり、そのまま背中を向けて歩き出してしまった。
「あ、ちょっと――」と瓜子が呼びかけても、振り返ることなくマンションを出ていってしまう。そうしてすぐに、車の排気音がこちらにまで届けられてきた。
「……むにゅう。どうやらメイ選手も、うり坊ちゃんの魅力に悩殺されてしまったようだねぇ」
「いやあ、なんと言ったらいいのか……なんか、デジャヴを感じちゃいますね」
「うんうん。ユーリが卯月選手に北米行きをお誘いされたのと、同じようなシチュエーションなのかしらん」
そう言って、ユーリは起伏の激しい肢体をもじもじとさせた。
「それであの……うり坊ちゃんは、このお誘いに心を動かされたりは……」
「動かされたように見えましたか?」
「ううん! だけど……住む場所に練習場所まで準備されて、格闘技だけに没頭できたら……それは理想的なお話でありましょう?」
「ユーリさんだって、それに近いお話を蹴ってたじゃないっすか」
瓜子は笑いながら、ユーリの頬をつつくふりをしてみせた。
「去年の一月の自分だったら、一も二もなく飛びついてたかもしれないっすけどね。あの頃は住む場所もなくなって、自分も途方に暮れてましたし」
「むにゃー! メイ選手よりも先にうり坊ちゃんと出会えた幸運を、神仏に感謝するユーリちゃんなのです!」
そんな風にわめいてから、ユーリはふにゃんと微笑んだ。
「でも、そうだよねぇ。実は卯月選手にお誘いされたとき、もしもうり坊ちゃんも一緒だったら……って夢想したんだけど、それでもなかなか踏み切れるもんじゃないよねぇ」
「そりゃあそうっすよ。北米には、サキさんも立松コーチもジョン先生もいないっすからね。北米進出を目指すなら、早見選手みたいにプレスマン道場の人間として頑張りますよ」
「うんうん! それならユーリも頑張れそう! ……でも今は、北米進出どころじゃないもんねえ」
「ええ。まずはアトミックをどうにかしないと、話は始まらないっすからね」
「そうだねぇ」と同意を示してから、ユーリはふっと息をついた。
「ただ……メイ選手がちょっぴりお気の毒だにゃあ。きっと一大決心して、うり坊ちゃんにプロポーズしたんだろうしねぇ」
「ええまあ、探偵を使ってマンションの場所を探すぐらいっすからね。それにずいぶん、複雑な環境みたいですし」
「ほんとだよぉ。MMAの選手として育てるために養女にするなんて、まるでマンガみたいにドラマチックですわん」
「事実は小説より奇なりって言いますからね。《S・L・コンバット》なんて、《アクセル・ファイト》の試合観戦で柔術にのめりこんだアラブの王子様か何かが立ち上げたイベントなんですから。桁違いの資産家ってのは、自分たちと思考回路の出来が違ってるんでしょう」
そんな風に応じながら、瓜子は無人の玄関口へと視線を飛ばした。
そこから出ていったメイ=ナイトメア選手は、黒い火のような憤懣をみなぎらせながら――どこか、寂しそうに見えてしまったのだった。
(一緒に《アクセル・ファイト》を目指したいなら、そっちがプレスマン道場に入門すればいいのに……なんて、そんな無責任なことは言えないよなあ)
メイ=ナイトメア選手はようやく真情をさらけ出してくれたのに、瓜子はそれに応えることができなかった。そんな思いが、予想外の苦さをともなって瓜子の心に食い入ってしまっていた。
(オリビア選手に連絡先を聞いて、もういっぺんちゃんと謝りたいな……余計に怒らせるだけかもしれないけど、こっちだって収まりがつかないよ)
それにメイ=ナイトメア選手は、自分の言いたいことだけを言って、さっさと帰ってしまった。瓜子がどれだけ彼女の強さに驚かされたか、あの試合が自分にとってどれだけ重要な意味を持っていたか――そんなことを伝える隙も与えてくれなかったのだった。
(要するに、あっちもあたしに劣らず社交下手ってことだな)
瓜子はメイ=ナイトメア選手の不興を買ってしまったが、瓜子のほうは彼女に対する親愛の念を抱くことができた。
それに、もしかしたら――今のパラス=アテナをどうにかできれば、メイ=ナイトメア選手やベリーニャ選手が心置きなく試合をできるような環境を取り戻せるかもしれなかった。
(アトミックがこんなことになってなければ、メイ選手だってああまで思い詰めずに済んだかもしれないしな。ベリーニャ選手の専属契約は春までのはずだし……望みを捨てなければ、なんとかなるはずさ)
そんな風に考えながら、瓜子はソファから立ち上がった。
「それじゃあ、部屋に戻りましょうか。明日もスケジュールはパンパンっすからね」
「うんうん! ユーリはもうおなかがぺこぺこちゃんだよぉ」
そうして瓜子はユーリとともに、自分たちの部屋を目指すことにした。
メイ=ナイトメア選手が次なるアクションを起こしたのは、それから数日後――瓜子たちが赤星道場との合同合宿稽古に取り組んでいる真っ最中のことであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます