六十八話 心の中にある小さな教会

「わかった。それで、ルビアの歳は幾つなんだ?」

「十三です」


 一三歳か、若いが、なら大丈夫かな。

 この世界の成人年齢なんて分からないが、その年齢なら独りでも判断できるだろう。


「そうか。同情はする。だが、離れた先では面倒はみられないからな? それでも良いか?」

「はい。大丈夫です。わかっています」


 冷たく言ったが、最初の支援はしてあげるつもりだ。


「……わかった。その前に死体を片付ける。今日は教会に人々が集まるようなことはある?」

「いいえ、司祭がいないのは分かってるはずなので、さっきのように怪我をした子供たちが来るぐらいです」

「そっか、なら、そんなに急がないで済みそうだ。表に散らばる死体は俺が片付けてくるよ。ルビアは荷物を整理して教会で待っていてくれ」

「はい」

 

 そうして、俺は追奴の死体を片付ける。


 黒猫ロロにも手伝ってもらい素早く死体を畑へ運んだ。

 畑に穴を掘り、死体を穴に埋めてから戦った教会の手前に戻り、生活魔法の水をばら撒いては壁の血汚れも流して落としていく。


 匂いは取れないがあらかたの掃除が終わった。

 ま、こんなもんでいいだろう。


「ロロ、戻ろう」

「ン、にゃ」


 黒猫ロロを肩へ呼び、教会の中に戻った。


「ルビア、終わったぞ」


 俺が戻ると、ルビアは祭壇前にある十字架へ祈りを捧げていた。


「神は天にいまし、世の全ては御心のままに……」


 おっ? 赤毛のアン?

 偶然か……。

 でも、この子はこんな現状でも神に祈ってるんだな。


「……荷物とかはいいのか?」

「はい、この同じ服が二着あるだけです」


 ルビアの手に握られているのは雑巾のような袖なしの下着服だけだった。


「それだけ?」

「そうです」


 マジかよ。どんな慎ましい生活をしていたんだ……。

 これからは生活も変わるだろうし、最後にもう一度、彼女の気持ちを確認するか。


「ルビア、ここを離れたら教会にはあまり行けなくなるかもよ?」

「大丈夫です。わたしは生まれた時から心の中に〝小さな教会〟がありますから、その教会がわたしを生かし続け、導いてくれるはずです」


 ルビアは笑っていた。後光を感じるほどに。

 なんか心が洗われるような笑顔だ。


 心の小さな教会が導いてくれる……か、信仰が深い。

 この子こそ司祭に相応しいんじゃないか?

 少し感動した。


 ……と、そんなことはどうでもいい。

 ゲートを起動させる。


「……わかった。ゲートを起動させるから、少し待ってね」

「えっあ、はい」


 ポケットのトラペゾへドロンの二十四面体を取り出し、ゲートの一番目の記号をなぞり入力。


 ゲートが起動した。


「わぁ~」


 ルビアは驚きよりも感動しているような顔つきだ。


「ルビア、手を出して」

「あっ、はい」


 彼女の細く小さい手を握った。

 掌からは力仕事をやっていたと思われる、ごつごつした感触がある。

 だが、小さいのですぐにでも壊れそうな気がしてしまう。


「ここに入るよ」


 ルビアは顔を見上げ、決意の目を浮かべると、大きく頷いた。

 俺も頷き、彼女を連れてゲートへ入る。

 無事にルビアと一緒にゲートを通ることができた。

 同時に【ヘカトレイル】の宿屋に到着。


 ……ふぅ。ゲートは成功。

 狭き部屋に戻ってこられた。


 少し心配だったけど移動できた。ま、黒猫ロロも移動しているのだから、触れてさえいればできると思ってはいたけど。


「ンン、にゃっ」


 黒猫ロロはいつものように硬い寝台へ跳躍。


「ルビア、ここは【城塞都市ヘカトレイル】だ。ルビアがいたところより南のずっと南。大砂漠を越えマハハイム山脈を越えた、南の王国【オセベリア王国】だよ」

「……は、はい。ここが?」


 彼女はきょろきょろと小さい頭を回して、部屋を見ている。


「狭い宿屋だよな……済まない」


 考えてみたら、ここ、ルビアが生活していた部屋より狭いからな……。


「あ、そういうわけではないのです。すみません。ここが【オセベリア王国】ですか……遠い国の名前としか、知りませんでした。――あっ、この鏡っ、同じですね」

「そうだよ」


 トラペゾヘドロンがまた自動的に外れて俺の頭に纏わりつく。

 それを掴み、また胸ポケットにしまった。


「ここにも教会はあるが、瞳が赤になっても、長耳のエルフでも、ヘスリファートよりかは差別されないと思う。その辺についてはあまり詳しくないので分からないが、ある程度は自由に生活できるだろう」

「そうですか……シュウヤ様。ありがとう。やっぱり凄い方だったのですね。このような転移魔法を使えるなんて……」


 助けておいてなんだけど……。

 使えることは黙っていてほしいかも。


「あっ、このことは口外しないでほしい。内密にしてくれないか?」

「はい。わかりました。絶対に話しません。内密にします」

「それと、お金をあげとくよ、これで好きな物でも買って生活の足しにしてくれ」


 そう言って、アイテムボックスから、魔法袋二つと金貨数枚を取り出してルビアの手に握らせた。


「えっ、これ、オセール金貨……こんな大金、貰えませんっ」

「いいから、俺はこれでも金持ちなんだよ」

「にゃっ~」


 黒猫ロロもそう鳴きながらポンポンっと、その場で片足をあげて寝台を叩いていた。


「ロロも賛成している。素直に受け取って」

「……はい。でも、ただ、じゃれてるだけでは……」

「はは、そうかもだけど。違うんだなぁ? あんな可愛い顔をしてるロロディーヌだけど、ちゃんと俺たちの会話を理解している時がある」

「ンン、にゃぁ」

「本当なのですか? 凄い猫ちゃんなのですね」

「ああ、自慢の相棒だよな?」

「にゃ」


 いちいち、返事をする黒猫も何か来るもんがあるな。


「ふふ、でも、シュウヤ様……」


 ルビアは笑った後、急に俯いてしまった。


「ん?」

「どうして、わたしのような何も無い女を助けてくださったのです?」


 そりゃなぁ……。

 ま、正直に言うか。


「将来が楽しみな、綺麗な女だからだ。むさい男だったら助けないで、放っておいた可能性もある」

「……そうですか。ならば、この貧相な体をご自由に使ってください」


 そう言ってルビアは顔を赤らめると、汚い服を脱ぎ始めてしまった。

 ――うひゃ、と言うか、そういう教育は何処の誰に教わったんだ?

 仮にも教会で生活していたんだろうに……。


「待った――勘違いするな。確かに、ルビアは綺麗で、裸にも興味はある。むしろ、いずれは頂きモッコスしたい。だが、こんな行動を取るのは純粋に助けたいと思ったからだ」


 ルビアは不思議そうな顔を浮かべ、


「えっ? もっこす?」


 うぐっ、そんな卑猥な造語を……。

 決して、邪神とかではないぞ? モッコリの進化系なのだ。

 と、心の中でいい訳を繰り返す。


「あ、いや、それは、あぁ~いいんだ。だから、とにかく服を着てくれ。いいな?」

「あっ、はい。よいのですか? 男の人はこうすれば喜ぶと宿場で聞いたことがあったのですが……それに、わたしにはこれしか……」


 だからか。宿場なら、酔っ払いが変な会話をしてそうだもんな。


「いいんだよ。かっこつけてるんだから、深くは聞かないでくれ。それと、俺のような人殺しが言う台詞じゃないが、女の子は体をもっと大切にしろ。男は基本野獣だからな。もっと警戒しなきゃだめだぞ? さっきのようなことは好きになった男だけにするんだ。これからの先の人生はルビア自身が切り開いていくんだから……」


 俺は照れを隠すように説教染みた言葉を吐く。

 素直に心情をぶちまけたが、自分で言ってて恥ずかしくなり語尾では顔を背けてしまった。


「ふふ、シュウヤ様はきっと光神ルロディス様が、わたしに遣わせてくれた光の御子様ですね」


 何処かの女神のように微笑むルビア。

 お祈りポーズを俺へ向けていた。


 そんな拝まれたら、調子が狂う……。


「そんなことしないでいい、拝み祈るのだけは止めてくれ。よし、これから、買い物を兼ねての、少しだけ【ヘカトレイル】の都市を案内をしてやる」

「はいっ、わかりました。お願いします」

「わかった。それじゃ行こう」


 俺はルビアを連れ安宿を出た。

 大通りを通り近くにあった食い処が多い横丁を軽く紹介。

 次に大きな市場を案内してあげた。


「今日は【ヘカトレイル】に来た特別の日だ。奢ってあげるよ」

「はいっ」


 露店では串焼き肉が売ってたので、ルビアの分も買ってあげた。


 美味しそうに肉を頬張ってる。

 その他にも、野菜が豊富に入っている謎の汁物や、甘いサトウキビ系のフルーツ物を買ってあげた。


「ここは本当に凄い都会です。こんな多くの人たちが生活し食に溢れて……それに、こんな美味しい食事は、わたしの人生で初めてです」

「そうか。よかったよかった」

「はいっ」


 笑顔が良いね。こういった都市に上手く馴染んでくれれば良いけど。


「それじゃ、なんでも屋みたいなとこへ案内するよ。俺が離れても大丈夫なようにな」

「えっ、シュウヤ様? もう離れてしまうのですか?」

「いや、まだだ。店はこっちの通りを戻ったところにある」


 ルビアの不安な視線は分かる。

 だが、心を鬼にして不安そうな彼女の視線を無視。そのままルビアの手を握り、バボンの店へ案内してあげた。


「ここなら何でも揃うから。必要な物を買うといい」

「はい」


 ルビアは背曩、剣、盾、皮鎧、ブラシ、金物一式、皮服上下、ベルト、簡易食料、等を買い背曩に詰め込んで背負っていた。


「ルビア、色々買ったな……」


 まさか、冒険者でも目指すつもりなのか?

 詳しくは聞かないでおく……。


「はいっ、必要最低限の物は用意しておこうかと……」

「そうか。重さは大丈夫か?」

「大丈夫です。教会での力仕事はわたしの仕事でしたので」

「そうか、ならいい。それと、まだ案内したいとこがある。まだ、この都市に居ると良いんだが……」

「?」

「こっちだ。行こう」


 案内するのはドワーフ兄弟の店だ。

 仲が良い知り合いはこの二人しかいないし、ルビアを頼めるのはザガぐらいしかいない。


 ――ん、まただ、背後から俺をつけている気配。


 まぁ、距離を保ち襲ってくる気配がないのが救いか。

 今はルビアがいるし……正直、襲われたくない。


 ドワーフの店まで、足早に急いだ。


 俺とルビアが店前までいくと、ボンが走って出迎えてくれた。

 そして、いつものようにロロが走っていく。

 店前に馬車が置かれた状態なので、引っ越しはまだ少し先らしい。


「エンチャントッ」

「にゃぁ、にゃ」


 はは、まただ。

 ボンとロロのメルヘン空間。


 ルビアも不思議そうに見つめていた。


「ボン、ザガに用がある。店の中に入るぞ」

「エンチャッ」

「ルビア、いくぞ」

「はいっ」


 そう言って、店の中へルビアを連れて入った。


「おっ? シュウヤじゃねぇか。どうした? 武器のメンテか? にしては早すぎるよな……」

「よっ、ザガ。今日は武器や防具とかの話ではないんだ。その、突然だが、この子、ルビアの世話を頼みたいと思ってな」


 ザガとボンなら、信用できる。

 本当なら俺が助けたんだから、俺が面倒を見るべき。とは思う。

 でもな、俺といたら危険、それに目的が遅れる。


 嫌、そんなことは建前だ。


 単に俺が無責任なだけ。

 少女の命を守る責任から逃げる、無責任野郎なのさ。


「……んおっ、なっ、なんだと?」

「シュウヤ様?」


 ルビアは突然のことに俺を不安気に見つめてくる。


 う、すまんな……。


「……ルビア、このドワーフはザガだ。ボンは外にいたザガの弟。兄弟で、この鍛冶屋をやっている。腕は一流だ」

「おぃおぃ、突然だな。シュウヤ。俺らにその子を世話しろと?」

「あぁ、頼む。いっぱしな鍛冶屋にしろとは言わない。彼女には金も渡してある。ただ、生活に困らないだけフォローをしてくれればと……」


 俺は頭を下げてお願いした。

 ザガはルビアを見ている。考えているようだ。


「あの、シュウヤ様。わたしは大丈夫ですよ」

「だが、知り合いはできた方が良いだろう?」

「はい。ですが……」

「おい、ルビアと言ったか。俺はザガだ。外にいたのは俺の弟でボンだ。“これからも”よろしく頼む」


 お、ザガは間断なく了承してくれた。


「受け入れてくれるのか?」

「当たり前だ。シュウヤの頼みとあっちゃ断れんよ。こないだ、たんまりと儲けさせてもらったからな。それにな、何かこう、お主とは不思議な縁を感じさせるんだ。ボンもあの黒猫と不思議と通じているし、これからも俺たちドワーフ兄弟を儲けさせてくれると、そんな商売の予感がするのだ」

「本当にいいのですか?」


 ルビアはザガの厳つい風貌とは違う、正反対の言葉を喋る姿に驚いているようだ。


「あぁ、だが【迷宮都市ペルネーテ】に引っ越す予定だ。それでもいいなら、世話をしてやる」

「はいっ、大丈夫です。よろしくお願いします」


 ルビアは嬉しそうな顔を浮かべて、頭をザガに下げている。

 そこに、ボンと黒猫が店に戻ってきた。


「エンチャント」

「ン、にゃ」

「ボン、そこのルビアという女の子と一緒に生活することになった。挨拶しとけ」

「エンチャ? エンチャントッ」


 ルビアを見たボンは優しく笑顔を向ける。

 くりくりした目を輝かせ、ルビアの傍にとてとてと歩き近づくと、サムズアップして挨拶していた。


「――あの、よろしくです。ボンさんとザガさん」

「エンチャッ」

「おうよ」


 ボンについてはザガが上手く説明してくれるだろう。


「それで、ルビア。俺は基本鍛冶屋だが、それなりの商人でもある。お前さんは何ができる? 何か得意な物や、何かしたい物とかあるのか?」

「はい。わたしは回復魔法が得意です。それと……冒険者に成りたいです」


 ルビアは話途中で、俺に振り向き、そう力強く話す。


 俺と同じか……。

 あの回復魔法ならパーティでかなり重宝されそうだ。良い選択かも。


 だったら、最後の置き土産でもしていきますか。


「ほぅ、冒険者か。【迷宮都市ペルネーテ】ならうってつけだ。あそこは冒険者の数がハンパないからな。ルーキーからベテランまで、ごまん、といる。なんとかなるだろう。それに俺らもできるだけフォローしてやるさ、なぁ、ボンよ」

「エンチャントッ」


 よかった。大丈夫そうだ。

 これをルビアに渡しとこう。


 アイテムボックスを開いて、古代竜の牙で作られたロングソードを取り出した。


「ルビア、冒険者で頑張っていくなら、この長剣をあげるよ」

「おっ? そりゃ……」


 ザガは古竜の長剣を見て驚く。

 俺はザガに向き、黙って頷いた。


「ありがとう。でも、いいのですか?」

「ああ、頑張れよ。それじゃ、俺はここまでだ。また何かの縁があれば、いつか会えるだろう」

「……はい。シュウヤ様。本当にありがとうございました。……いつか、またお会いしたいです」


 ルビアは丁寧に深くお辞儀をしてから、すぐに頭を上げると、熱い眼差しで見つめてくる。

 彼女の離れたくない視線には気付いていたが……。


 俺にはやることがある。


「……あぁ、またな。ザガとボンもまた、会おう」

「にゃっ」

「おうよ」

「エンチャントッ」


 俺と黒猫ロロはそこでドワーフの店を後にして、ルビアと別れた。


 いずれ、【迷宮都市ペルネーテ】には行くつもりだし、会えるだろう。



 ◇◇◇◇



 さて、久々にポポブムの姿を見に行くか。

 ホルカーバムに向かうにはやはり、乗り物がないとな。


 ギルドの隣にある厩舎へ向かった。

 背後からは、またついてくる気配がある。


 その魔素の気配を無視して、厩舎に歩いていった。


 おっ、ポポブム発見。


 黒猫ロロが早速、ポポブムの頭の後ろへ跳躍。

 後頭部を占領するように丸くなった。


「ブボッ?」

「よっ、ポポブム。久々だな」

「ブボッ」


 ははは、元気そうだ。

 鼻息が荒い荒い。ざらざらした肌を撫でてやる。


 乗ってみよ。


「よしっ」


 懐かしい、鞍の上からでもわかる。

 堅い筋肉の感触から一気に柔らかく動く。

 ノシッノシッと、いい感じだ。


「あっ、旦那。その魔獣連れていくんですかい?」


 ポポブムを気に入ってくれた厩番が話しかけてきた。


「そうだ。今まで世話になったな」

「いえいえ、お元気で、……寂しいですが、お前もまた元気でな?」

「ブボッ」


 厩番へ返事をするポポブム。


 はは、ポポブムもこの厩番を気に入ってたようだな。

 ポポブムに乗り宿屋に戻った。


 さて、暫くはゲート先を調べるのは封印だな。

 【ホルカーバム】に到着したら考えるか。

 そこでアイテムボックスの格納を押し、パレデスの一鏡をボックスの中へ入れる。


 部屋を後にし、その足で宿部屋を解約。

 宿主人の無愛想だった親父さんから、去り際に、ミカンのような果実をもらった。


 サイカという名のフルーツだ。

 名前は宿と同じサイカ。


 黒猫ロロがそのサイカを物欲しそうに紅い瞳を細めて見ていたが、無視。

 その果実を胸ベルトのポケットに入れ、ポポブムに乗り込む。


 あっ、どうせ、【ホルカーバム】へ行くなら、またギルドに戻るか。

 ホルカーバムに関する依頼があれば一石二鳥だし。


 依頼を見て決めよう。


 またギルドの隣にある厩舎に戻り、ポポブムを預けた。

 厩番に変な顔をされたが、気にせずに黒猫ロロを連れてギルドに入る。


 依頼のボードを見ていく。


 ホルカーバム行きの依頼は……。

 殆どが隊商護衛の依頼だな。CやDの依頼ばかりだ。


 依頼主:ルクソール商会

 依頼内容:Cランク、魔鋼都市ホルカーバムまで隊商の護衛。

 応募期間:最終期日。出発は荷物の関係で午後からの予定。

 討伐対象:なし

 生息地域:なし

 報酬:金貨一枚

 討伐証拠:なし

 注意事項:陸上輸送なので盗賊やモンスターには気をつけてください。北口の新街、港から出発します。緑と黒の旗色に馬と剣の紋章が目印です。

 備考:三つの荷馬車と、二つの幌馬車で移動予定。定員は最低六名。定員オーバーは無し。ただし、馬や魔獣の乗り物必須。農作物に果実や金細工など、多種多様の荷物なので、その荷物を盗賊たちから守ってほしいのです。尚、数時間後にこの紙は撤去します。


 この依頼がホルカーバム行きで一番ランクが高い。

 報酬が少ないがこれにしようか。Cランク依頼だと何れもこんな報酬だしな……どうせ、達成数にはプラスされるんだ。


 決めた。

 受付に木札を持っていく。


 ギルドの受付嬢には癒しのおっぱいさんがいなかったので、違う美人な受付嬢にギルドカードと木札を提出。


 依頼はすぐに受理され、ギルドを後した。


 ポポブムに乗り込み、ギルドカードを確認。

 依頼達成数は十。順調に増えていってる。


 さて、もうこれで【城塞都市ヘカトレイル】の冒険者ギルドとはサヨナラか。

 結局、最後までおっぱい受付嬢の名前を聞かなかったなぁ。


 あの爆乳に顔を埋めてみたかったよ……。

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