「手紙」9

                    あとがき




この様な拙い文章を最後まで読んで頂き、誠に有難うございます。


約一年半、嘘の様に感じるかもしれませんが、私は本当に旅をして、この物語に出てくる人達に出逢えたのです。


旅に出た頃は、歩く事にさえ精一杯な程、生きる事が苦痛で仕方ありませんでした。辛い事になんてもう遭遇したくない。誰とも関わりたくない。そう思って、下を向いて生きてきたんです。


ただ自分の歩む道を見ることだけで、精一杯だった。


だけど旅に出て人と関わっていく中で、自分の歩む道だけではなく、その人の歩む道も見る事になった。


気付けば顔を上げて、様々な人の人生を見てきました。


私達は失敗を繰り返しながらもがき苦しみ、あの苦しみを二度と味わうまいとして生きている。


この旅で教えられた事、それは月並みだけど、幸せは自分一人では築けないという事です。私は色々な人から、色々な形の幸せをもらった。


他の人からすれば些細な事、それが自分にとっては輝いてみえて、とても大切な物に感じる。


妹が言っていた様に、辛い経験を多くするからこそ、感じる幸せが多くなる。


日々何かを失い、それと同時に、闇が心をむしばんでしまう事があると思います。だけど人に優しくする事、そして、生きる輝きを失くさないで下さい。光の下で生きていける人が居ます。あなたという光を失くしてしまったその時、その人は闇に覆われてしまうのです。


この物語を最後まで読んでくれたあなたへ。


あなたの幸せを、心から願います。今が辛い人は、まだその物語は始まったばかり。きっと最終話には、幸せが待っています。


この物語は小説ではなく、私からあなたへの、長い長い手紙です。





                          笠井 恵利 





                       ...................END

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