第43話 後味


 こうして事件は、色乙女左韻の逮捕という形で幕を閉じた。


 これから動機や細かい手段など、色々なことが明らかになってくるだろう。

 

 ――そうすれば解消出来るのだろうか?

 

 左韻という少年について。

 そして、このもやもやした状態について。

 色々気になる所はある。

 まだ言い訳もできる状態で自白したにも関わらず、最後まで余裕を持たせた、左韻の態度もあべこべで腑に落ちない。

 友人をあんなに惨殺されたのに、動機が不明だったのも気に食わない。

 何より――一緒にいた左韻がいい奴だったのが気持ち悪い。


 後味が非常に悪い。



 それらを解決するような、全てが収束するような答え。

まるで綺麗な円のような、全てが繋がった答えが、果たして出るのだろうか?




 それは分からない。

 僕では絶対分からない。

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