第9話 魔族に会ったみたいです

今日の予定をこなした俺は大事なことに気が付いた


「俺の泊まる宿がない…だと」


そこで俺はダッシュで商人のおっちゃんの店に向かった



「いらっs…また兄ちゃんか、どうだ?詰め所と冒険者ギルドには行ってきたのか??」

「あぁ、終わったぞ。一つ聞きたいんだが、この近くに安くて水浴びができる宿ってあるか?」

「すぐ近くに一見あるぞ、確か名前はブタクサ亭だったはずだ。冒険者ギルドの4軒隣にあるぞ」

「ありがとな、助かった。あとこの店に傷を治す薬とかって売っているか?」

「ポーションとかなら売ってるぞ、品質は俺が保証するぜ」


鑑定を行ってみる



ポーション 品質 高品質

体力をある程度回復できる


確かに品質は良いみたいだ


「これは1個いくらだ?」

「ポーションは本当は銅貨1枚だが、兄ちゃんは特別に小銅貨7枚でいいぜ」

「おぉ、ありがとうおっちゃん、恩に着るぜ。じゃあとりあえずポーションをあるだけ全部くれ」

「兄ちゃんも随分とリッチになったもんだな」

「盗賊の発見と討伐の報酬で金が一気に貯まったからな」

「俺も一度は一攫千金目指してみたいもんだぜ、まぁそれはいいとしてポーションが40個あるから銅貨28枚だな」

「わかった」


そう言って俺は銅貨を29枚渡した


「おいおい…一枚多いぞ、枚数の計算ができないわけじゃないだろう?」

「おっちゃんには何かと世話になっているからな、お礼としてとっておいてくれ」

「はいよ、毎度あり!また来てくれよな!!」


こうして俺は商人のおっちゃんの店を出た


「とりあえず宿が満室になる前に宿に向かうか。確かブタクサ亭とか言ったか、冒険者ギルドから近いみたいだし、宿代が安いといいけどな」


そう独り言を言いつつ宿へ向かって歩き出した。


宿につくとすぐに受付に向かった


「宿に泊まりたいんだが、部屋は空いているか?」

「あ、はい。空いてますよ。何日のご宿泊予定ですか?」

「とりあえず3週間だ。水浴び付きだといくらだ?」

「えーと、1泊が小銅貨3枚ですので3週間だと銅貨6枚と小銅貨3枚ですね」

「これでピッタリなはずだ」

そう言って俺は金を払った

「確かに丁度お預かりしました。朝食は6時~7時、夕食は17時~20時です。水浴びは宿の裏庭に井戸がありますのでそちらをご利用ください。他に質問はございますか?」

「いや、特にない」

「では、ごゆっくりどうぞ」



「今日は色々あって疲れたからもう寝るかぁ」


そう独り言を言いながら俺は深い眠りに落ちていった


「ん?この部屋は見覚えがあるぞ、もしかしてまた人神の仕業か?」

「いや、すまないが、今回は人神ではない。」


そう言って出てきたのは引き締まったイイ体をした美人さんだった。

(ウホッ、めちゃくちゃ綺麗な女の人だ)


「で、あんたはどちらさんだ?人神を知ってて『今回は』と言うことはあんたも神もしくは神の仲間なんだろ?」

「いかにも、私は戦乙女ヴァルキリーだ。貴方に加護を与えに来た。」

「まじか、こんな美人さんから加護を貰えるなんて長生きはするもんだな!」

因みにツバサは16歳である

「わ、私が美人だと!?」

(めちゃくちゃ照れてる、カワユス!!)

「そ、そんなことはどうでもいい、と、とりあえず加護を与えるぞ」

「OK、でもさ、俺は加護を貰えるようなことなんて何もしてないぞ」

「私は冒険者ギルドの前で戦っていた貴方達を見ていたが、最後のあの一撃は素晴らしかった。あの戦いは私の加護を付けるに値する」

「俺の戦い方を戦乙女に褒めてもらえるなんて光栄だね。」

「そうか?まぁいい、では加護を与える。『汝に我の加護を与えん』」

「お、なんか力がみなぎってくる!」

「それがヴァルキリーの加護だ」

「おぉー、サンキューな!!」

「あぁ、そろそろ眠りが覚める頃だろう。では、常日頃から技の鍛錬に励むのだぞ」


ヴァルキリーのそんなセリフを聞きながらツバサの意識は薄れていった


「うーん、よく寝たぁ。…それにしてもヴァルキリー可愛かったなぁ、また会えるといいな」

そんなことを言いながら俺は朝食を食べに行った


朝食を食べ終わると探し物を探しに商人のおっちゃんのところへ向かった


「おっちゃん、居るか?」

「おう、いるぜ。何か探し物か?」

「よく分かったな。ちょっと魔法について書かれている本を探しているんだが、ここに置いてないか?」

「長年の商人の勘ってやつだな。魔法の本ならあるぜ、ちょっと待ってろ」

そうしておっちゃんは本を何冊か持ってきた

「これが魔法の初級の本、そんでこっちが中級、これが上級だ」

「おぉ、すげー!とりあえず、魔法の初級と中級と上級の本をくれ」

「毎度あり、全部で小銅貨4枚だな」

ツバサは小銅貨4枚を渡した

「それにしても、兄ちゃんが魔法に関心があったとはな、まぁ三日坊主にならないこったな」

「おう、絶対に魔法を覚えてやるぜ」


そう言って俺は店を出て一度森に入って魔法の練習をすることにした


「とりあえずステータスを確認してみよう、魔法のレベルが高かったのがあったはずだ」

『ステータス』


------------


ツバサ    人間?


LV60

HP 452000/452000

MP 696000/696000


スキル

鑑定 LV10(MAX)

強奪 LV6

吸収 LV15

消化 LV18

水魔法 LV8

火魔法 LV6

風魔法 LV7

無魔術 LV9

威圧 LV6

剛腕 LV8

跳躍 LV7

状態異常耐性 LV3

気配察知 LV9

アイテムボックス

剣術 LV8


パッシブスキル

ヴァルキリーの恩恵


ユニークスキル

異世界翻訳

ステータス数値化 


称号

異世界を渡りし者

加護を授かりし者

スライムの天敵


加護

剣神の加護

人神の加護

狩神の加護

戦乙女の加護


------------


俺はだんだん自分が本当に人間なのか不安になってきた


「ところでステータス倍増とステータス数値化が出たってことは『魔法適正』とかも数値で見れるっていうことか!これは嬉しい特典だ!!」


そんなことを言いながら早速ステータス数値化を使ってみる


『ステータス数値化』

【ステータスの数値化をONにしますか?】

と声がしたので(ONにする)と念じてみた。

すると

【ステータス数値化がONにされたので数値を表示します】


------------


ツバサ    人間?


LV60

HP 452000/452000

MP 696000/696000

筋力 463000

防御 428600

素早さ 397600


スキル

鑑定 LV10(MAX)

強奪 LV6

吸収 LV15

消化 LV18

水魔法 LV8

火魔法 LV6

風魔法 LV7

無魔術 LV9

威圧 LV6

剛腕 LV8

跳躍 LV7

状態異常耐性 LV3

気配察知 LV9

アイテムボックス

剣術 LV8


パッシブスキル

ヴァルキリーの恩恵


ユニークスキル

異世界翻訳

ステータス数値化 


称号

異世界を渡りし者

加護を授かりし者

スライムの天敵


加護

剣神の加護

人神の加護

狩神の加護

戦乙女の加護


------------


「なんか人間をやめてる感じがする(泣)」

ちょっとショックを受けた

「でも、いつまでも落ち込んでいても何も始まらない!気を取り直して魔法の練習をしよう」


こうして俺の秘密の魔法練習が始まった



「取りあえず初級の魔力の供給からだな」


意識を集中させ、体に流れる魔力を感じ取る


「この血液のような感じのが魔力だな」


そうして魔力をゆっくり指先に集め火のイメージをして放出する


「我が身に宿りし魔力よ、炎となりて目の前の敵を焼き払え『ファイヤーボール』!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


すると物凄い轟音を立てながら4メートル位の炎の球が手から飛び出し、そのまま正面にあった山に直撃して爆発した


チュドーン


そして爆発の影響で飛んできた岩や木が俺をめがけて音速に近い速度で飛んできた

(やばいやばい、これは死ぬ!まじで死ぬって!!もう魔法の練習はやめよう!っていうかこれ絶対称号に破壊神とかついたでしょ!?)

などと考えながら俺は全力で街まで走っていった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


街につくと街は大騒ぎになっていた


「きっと魔族が攻めてきたんだ!さっきの爆発は魔族がやったんだ、そうに違いない!!」

「いやぁー!まだ死にたくない!!」

「外に出たくないでござるー!」

「誰か助けてくれー!!」

(…おいっ!ニートが混ざってんぞ!!っていうかこの状況どうしよう?)


と、俺が悩んでいると


「がーはっはっは、この街は俺たち魔族が占拠するぜ!」


などという声が聞こえたので見てみると、魔族らしき人物が3人ほどいた。

取りあえず鑑定を行ってみた

『鑑定』


------------


ブルー   魔族


LV45

HP 28000/28000

MP 30000/30000

筋力 5400

防御 5100

素早さ 4900

魔法攻撃 5000

魔法耐性 4780

魔力回復 3000


スキル

心操作マインドコントロール LV7

身体強化 LV6

魔力操作 LV6


称号

お調子者


加護

魔人の加護


------------


ベリー   魔族


LV43

HP 24000/24000

MP 28000/28000

筋力 4500

防御 4900

素早さ 4600

魔法攻撃 4500

魔法耐性 4350

魔力回復 2800


スキル

隠蔽 LV7

身体強化 LV4


称号

隠蔽小僧


加護

魔人の加護


------------


ジャム   魔族


LV49

HP 8/8

MP 3/3

筋力 5

防御 3

素早さ 2

魔法攻撃 5

魔法耐性 8

魔力回復 5


スキル

無能


称号

無能


加護

無能の加護


------------


「…ジャムって奴、可哀想(泣)だけど、この街を攻めてくるなら容赦はしねぇ」


と、俺はさりげなく罪を擦り付けた


「お、威勢のいい人間がいるぜ。まずはお前から殺してやるぜぇ!」


などいいながらブルーが殴りかかってきたのでツバサはそれを躱しつつ強奪でスキルを全て奪いとろうとした

(ちっ、身体強化しか奪えなかったか、まぁいっか。んー、ブルーの攻撃は遅すぎて話にならないな、こんなんじゃ俺に攻撃が当たったとしてもHPを1も削ることができないぞ。本当に魔族ってのはこの程度なのか?)

すこしイライラした俺はブルーを優しく殴った。

すると、「ごふぇ」とブルが50mほど吹っ飛んで行き壁にめり込んだ。


「よくも兄貴を!!」


と言いながらベリーが槍を突き付けてきたが、ツバサはその突き出された槍を掴もうとして、折り曲げてしまった。


「あれ?」

「お、お前、いったい何をした?」

「え?いや、すまん!掴もうとしたんだが、折り曲げちまった」

「こ、この化け物め!」

「お前魔族に言われたくないわ!」


そう俺はツッコミを入れてベリーもブルーと同じように優しく吹き飛ばした。ジャムに至ってはブルーとベリーを殴った時の衝撃で既に死んでいた。

(なんか、さっきよりまたステータスが高くなった気がする。まさか、さっきのファイヤーボールでまたレベルが上がったのか?)

考えると怖くなってきたのでステータスを後で確認することにした

(とりあえずさっきの山の件は魔族のせいにしておこう)


「みんな!この街を襲っていた魔族は倒した!!だから安心してくれ!」


と優しい笑顔で山を消し飛ばした罪を魔族に擦り付けた俺は出来るだけニコニコしながらブルー、ベリー、ジャムの死体を騎士団の詰め所に持って行った

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