ちょこっとファンタジア - 幻想超短編集

作者 猫春雨

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★★ Very Good!!

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ロブ・ゴンセルヴェスのトリックアートを思い出しました。ジャンルはファンタジーとされていますが、各作品の内容はバラエティ豊かです。共通しているのは、主人公たちの意識が、現実と非現実の間を自由に行き来しているところ。非論理的な世界なのですが、彼らの中には確固とした論理性があるらしいのです。短編として必要な情報がきっちり取捨選択されていて、内容がすっと入ってくるところも好きです。
とくに好きな作品を取り上げさせていただきます。

「電気羊の夢」
SF的な作品です。アンドロイドでも電気羊でもなく、集合的無意識を題材にしているのがやられました。主人公の造形に今風の現実味があります。

「熟月」
シュールレアリスムというのでしょうか、詩的な作品でした。不条理な世界観なのですが、不思議に「うん、わかった」と思わせられてしまいます。

「いとしのゾウ」
こちらも上記と同系統の作品だと思います。なんとなくコミカルさを感じます。

「逢魔ヶ恋」
オカルトチックな作品。ゾッとします。怖いのに先が楽しみで、どんどん読み進めてしまいます。オチも、なるほどと思わされました。

★★★ Excellent!!!

――

これは……おもしろいぞ!?
肩肘はらない童話のような、ゆったりとした語り口が心地良い。

<熟れ切った月は自重によって軸からぷつりと切れ、地上に向かって落ちて来たのです。
月は街の上にのしかかります。> 『熟月』より

情景が目に見えるようです。
こういうのが「創作」っていうんだよね。