竹下 岩手・東京 聴取編

第60話 明暗39 (200~202 竹下岩手聴取編 前編)

 11月15日、西田は昨夜入手した戸籍謄本のコピーを持って、向坂とこれからの対応について小会議室で協議していた。


「大島が桑野欣也だったという証拠が出て来たわけだから、もう捜査本部に上げてもいいんじゃないか? どうだ西田?」

「そうですね……。1日2日程度の差なら、リスクよりそっちを採るべきかもしれないです」

西田は迷ってはいたが、確かにここまで明確な証拠が出た上に、あと1日程度黙っているだけで、大島側に警察が動き出したという情報が漏れるリスクに差が出るとは思えなかった。

「じゃあ、俺に一任してくれ、いいな?」

「わかりました」


 西田の返答を最後まで聞くまでもなく、向坂は倉野の元へと向かった。倉野は報告を受けると、捜査本部長の北見方面本部・刑事部長でもある大友雄平と共に、西田も呼び出した上でかなり叱責した。捜査責任者としては、報告が遅れたことに対する当然の対応だった。その後、テープの中身を全員で確認した。それを聞いた責任者2人は、改めて事態の深刻さを認識した。


 ただ、向坂と西田から、大島まで捜査の手を伸ばす為には、実際に松島や北村を殺害した犯行グループを挙げる必要性があることと、それが「その筋」の人間の可能性が低くはないため、これまでの「ヤクザ筋」を探る捜査方針からの修正が、現状ほとんど必要ないことを指摘され、大友と倉野はしばらく2人だけで話し合った。


 その後吉村も呼び出し、

「君らの報告が遅れたことはかなり問題があるが、そうした理由は理解出来なくはない。状況も大きな変更が必要ないこともわかった。よって、しばらくは捜査本部の中で情報を共有しているのは、この4人と吉村の計5人ということで行ってみようと思う。現実に言って、北見ここは大島に近すぎる場所なのは事実だから……」

と、大友は結論を3人に提示すると、先程までの険しい表情から多少緩め、

「どれくらい掛かるかわからんが、しばらくは3人にしっかり動いてもらうことになるかもしれん。ただ、向坂係長は立場上所轄の担当係長であるからして、実質自由になるのは、西田係長と吉村、君らだけだ」

と2人に面と向かって喋りかけた。


「わかりました! 心して掛かります。そして、今まさにウチの竹下と黒須の2名が、裏取りに本州へ向かっています。そちらとも連携してやって行こうと思ってますから、その点も事後で申し訳ないですが了承してください」

西田にそう伝えられると、

「既成事実になってるなら、今更どうこう言っても仕方ないな……。しかし、これからは情報は逐次上げてくれよ、今度こそは! そしてアベという人物だな。ヤクザ関係でアベというのを暴対に洗わせるか……」

と倉野は表情こそ柔らかかったが、いつもより遥かに厳しい口調で言った。


※※※※※※※


 竹下と黒須は、花巻空港から盛岡駅前へ連絡バスで行き、更にそこから宮古への高速バス(と言っても、高速道路は無いので一般道を使用する高速バスだが)へと乗り継いだ。


 到着した宮古駅前のバス停には、田老駐在所の四宮しのみやという所員が2人を待っていた。沢井から宮古署への急遽の協力要請を受けて、両名を出迎えていたのだ。別に自分達だけでも構わなかったが、警察とは言え他所よその人間がいきなり入ってくるよりは、役場での対応は良いだろうし、慣れない場所と言うこともあり、地元に精通している駐在所員に、沢井が気を使って案内を頼んでくれたというわけだ。


 軽く挨拶を交わし、そのまま四宮運転のミニパトカーで田老町へと向かう。しばらくして田老の町へと入ると、海側に「壁」が連なっているのが視界に入ってきた。


「あれは何ですか?」

「あれはですね、津波に町が襲われるのを防ぐための『防潮堤』という奴です」

黒須の質問に四宮は淡々と答えたが、聞いたことのない言葉だったので竹下が更に尋ねた。

「ボウチョウテイと言うのは、防波堤と似たような……」

「あ、はい。防波堤の『なみ』のところに『しお』が入って防潮堤ですね」

「ああ、なるほど。やっぱり三陸は津波被害が有名ですから、あれだけ高い堤防みたいなものを作らないとならないんでしょうねえ」

「そうなりますね。ホント、とんでもない高さまで押し寄せたみたいですよ、地元が長い人達が言うには。実際、そういう高さの記録が町内に今でも、警告のためなんでしょうねえ、標識の形で残ってますから……。田老たろうは三陸の中でも被害が特に酷い地域で、今はああいうものを作って備えてるわけです」

四宮は地元出身ではないようだが、いざという時には避難誘導などに従事しなくてはならない以上、一定の知識は頭に入っているようだ。そんな話をしているウチに、3人は町役場の建物へと到着した。


※※※※※※※


 早速「改正原戸籍(作者注・改正原戸籍あきせいげんこうせきとは、戸籍様式の変更を経る前の戸籍のこと。戸籍様式が変更される前に起きた事例については、新様式の戸籍では記載がないこともあり、年長者の死亡相続などにおいて、戸籍謄本とは別に必要になるケースが多いようです)に当たる戸籍を見せてもらった。正確に言えば、死亡もしくは除籍で全員が戸籍から外れているので、除籍簿と言うらしい。


 2人がまず注目したのは、桑野欣也の父母そして弟が同日に死亡している点であった。更に戸籍に「再製」の文字があるのが視野に入ってきた。

「すいません、これはどういうことなんですか?」

竹下が役場の担当の若手職員に尋ねた。

「ああ、これですか……。田老ここは、明治と昭和の2度、大津波に襲われたんですよ。それで役場にあった戸籍も役場ごと全て流されたそうです。だから、「再製」の記述があるということは、すなわち戸籍を作り直したということです。また、この本籍の住所ですと、昭和三陸津波の方でも、集落ごと全員死亡した区域のはずですから、亡くなったのが同じ日というのも、それが原因でしょうねえ……。まあ遺体が見つかったかどうかはわかりませんが、戸籍の場合には、今で言うところの『認定死亡』という制度があって、民法の特別失踪の1年後とは違って、亡くなったと思われる日に死亡を記載出来るんでね。これは戦前の旧戸籍法でもあったはずですよ。この原戸籍自体は、大正4年式という形の戸籍表記になってます」

「なるほど、原因は津波ですか……。さっきも駐在の四宮さんと話してたんですが、それなんですね」

竹下は納得した。


「とにかくそういう状況ですから、おそらく役場の方が主体となって作り直したというより、この生き残った長男の方が、自分の一家の分だけは再製するように役場に要請したんじゃないかな」

職員は書面とにらめっこしながらそう告げた。片田舎の役場の若手職員ながら、戸籍実務にはそこそこ精通しているようだった。


「父親の方は新しい戸籍の筆頭になる前の住所もここだから、桑野家の跡継ぎだったんでしょう。母親の方は、旧姓が小野寺で、元の戸籍が綾里村とありますから、多分、今は三陸町(作者注・この時点では三陸町綾里地区ですが、現在は大船渡市綾里地区になっています。三陸町が大船渡市に吸収合併されたためです)になってる所の小野寺家から嫁入りしたようですね」

「リョウリ村?」

職員の言葉に黒須が反応したが、

「ええ、釜石と大船渡の間ぐらいのところです。周辺町村が合併して三陸町になってるはずですが、私も詳しいことはわかりません」

と答えるに留まった。


「本来ならそっちも行ってみたいところだが、時間もないし、今は桑野欣也の後を直接追うことだけ考えないといけない。そっちは遠軽に戻ってから、西田さんに電話で役場にでも調べてもらうしかないな……」

竹下は残念そうに黒須に話した。

 

※※※※※※※


 2011年3月11日に発生した東日本大震災により、東北の太平洋沿岸、特に岩手から宮城のリアス式海岸地域を筆頭に、宮城県平野部沿岸、福島県沿岸が壊滅的な被害を受けたのは我々の記憶に新しいが、それ以前から三陸地域はリアス式海岸という形状から、津波の影響を非常に受けやすい地域で有名であった。


 明治以降でも、1896(明治29)年6月15日の「明治三陸大津波」、1933(昭和8)年3月3日の「昭和三陸大津波」、1960年の「チリ地震津波」の3度の大津波に襲われていた。


 田老町においては、チリ地震津波では被害がなかった(理由後述)ものの、明治三陸大津波においては人口の8割を越える1900人弱が亡くなり、昭和三陸大津波においても、人口の3割超である900人を超える死者数を記録している。


 いずれも各津波で最大の被害を被った地域であった。また直接的な被害においては、明治三陸大津波より少なかった昭和三陸大津波は、同時期の世界恐慌や東北地域の天候不順による飢饉と相まって、その後の政情不安(昭和恐慌・娘の身売り・226事件等)に繋がったと言う指摘が多い。


 ただ、田老地区においては、明治と昭和の2度の津波により、ほぼ全集落において壊滅状態になったこともあり、「防潮堤」を戦前より構築し始め、戦後本格的に工事を再開。高さ10mの壮大な防潮堤で町を囲むことになった。


 その甲斐もあり、チリ地震津波では防潮堤により津波の被害を完全に免れることに成功した。しかし、その成功体験が、チリ地震津波を遥かに越える、東日本大震災における大津波に対しての危機感を減少させ、避難を遅らせたという指摘もある。


 また、莫大なパワーの津波のため、防潮堤は一瞬にして破壊され、人工的な津波阻止の限界も露呈することになった(作者注・尚、前述の通り、人口の80%超が亡くなった明治三陸大津波と比較して、昭和三陸大津波においては、死者は30%超と、かなり軽減されてはいるものの、本作品においては、設定上多少「誇張」して表現していることを事前に記述させていただきます)。


※※※※※※※


 詳細な説明を受けた竹下と黒須は、戸籍をコピーしてもらいながら、

「この当時の桑野家について詳しく知ってる方、どなたか生存してますかね?」

と尋ねてみた。

「どうですかねえ……。年齢的には居るでしょうが、集落ごと消えてますから、その集落に居て、実際に知っているかと言うと、正直相当厳しいと思いますけど……」


 それを聞いていた四宮が、

「駐在所の近くに、昔、地元の中学の社会の先生だった人が住んでおるんですが、その人は趣味で郷土史を色々調べてる人なんで、もしかしたら、何か知っているかも知れません」

と言い出した。

「郷土史ですか……。そういう感じだと、またちょっとジャンルが違うような気がしますが……。まあダメで元々ですから、お世話になろうかな……」

竹下は、四宮の好意を無為にしたくなかったこともあり、無碍に断れなかった。


※※※※※※※


 会いに行った「おく 高政たかまさ」という元中学教師は、70代後半で、四宮の言った通り、地元の歴史を個人的に研究していると自己紹介した。実際に会ってみると、かなり年齢より若い印象を受けた。好きなことを自由にやっているせいなのかもしれない。


 竹下が用件を告げると、

「尋ね人の類すか(ですか)……? おら(私)はそういう個人的なものを研究しているわけじゃねえでがんすから……」

と案の定の言葉を口にした。

「ですよねえ……」

黒須はそう言うと、チラッと横に居た四宮を睨んだ。いや、睨んだと言う言葉は言い過ぎだったかもしれない。少なくとも黒須よりはかなり年齢が上の四宮を睨むほど、黒須の性格は尖ってはいないからだ。


「ただ私の知人に、この桑野一家について何か知っている者が居るかもしれねえですよ、この住所を見る限り。思いアダル(思い当たる)節があるんで」

と予想外且つ異様に回りくどいことを言い出した。

「よくわからないんですが、どういうことですか?」

竹下は当然聞き返した。


「おらがこの町の中学で勤務していた頃、同僚だった同年代の元教師に、鈴木って人が居だ(居た)んすが、その人が今、この戸籍の住所と同じ番地に、退職後、ええ(岩手弁で家を『ええ』と呼ぶ)を建でて住んでるでがんすよ。その人が数年前に言っていたのは、何でも、『おらのおっぱさん(叔母さん)に当たるおなごが、田老で昭和のヨダ(津波)で亡くなったが、その人が女中をしていた 家があった場所と同じ所にたまたま住むことなった。これも運命か』とか、そったな(そのような)ごど(事)を言っていたごどがあるんでがんすよ。そうなると、この桑野という一家について、べあっご(少し)は知ってるかも」

ところどころ、なまりでよくわからないので、2人は四宮に解説してもらった。そうしてきちんと理解した上で、思いもしない流れに2人の刑事は色めき立ったが、四宮もここに来てメンツが立ったか、嬉しそうにしていた。


「女中だったということは、桑野家は資産家だった?」

「そこまでは私に聞かれてもわがらねえでがんす」

奥は苦笑した。

「こったらこと言ったら失礼かも知れねえが、昔から田舎のそう豊かではない集落だから、資産家という表現が当てはまるかどうかは……。まあ女中が居たんだから、貧しいということもながったかな」

地元の教師だった割に、地域に対して随分な物言いだとは思ったが、今はそんな人物評価をしている場合ではない。

「じゃあ、その鈴木さんという方、紹介していただけますか?」

「ええでがんす」

自分から口にした話でもあったか、竹下の要請をあっさりと引き受けてくれた。


 奥から紹介を受けて、鈴木宅を訪ねたが、奥宅から徒歩で5分程の距離にあった。事前に奥が電話で連絡をしてくれていたので、鈴木の妻が門の前まで出迎えてくれていた。


※※※※※※※


「まんつ ゆっくりねまって おじゃっこでもおのめんしぇ(ゆったり座って、お茶でも飲んでください)」

居間に座ると、妻がそう言ってお茶を運んできたが、言っている意味はよくわからないまま、行動で「お茶をどうぞ」と言っているのだろうと推察し、2人は

「どうぞお構いなく」

と妻に一言言った。鈴木はまだ現れていなかった。余りジロジロと見るのも失礼ではあるが、東北の田舎にありがちな、日本風の大きな家屋と言ったところだ。数分経っても出てこない主人に代わって、また妻が現れ

「おがす(お菓子)でもおあがってくだんせ」

と煎餅を持ってきた。

「どうも」

再び礼を言ったところで、やっと鈴木が現れた。これまた年齢より若々しい、かなりがっちりとした老人だった。


「いやいや、待だせて おもさげね(申し訳ない)」

と何やら待たせたことを謝ったらしいが、それに対し妻が

「おっとう(お父さん)、お客さんこったに(こんなに)待だせて」

と小言を口にした。これは2人にも理解出来た。しかし、今度はそれを聞いていた四宮が、

「鈴木さん、おもさげねえが、お客さんは方言さ ほでないから(訳がわからないから)、標準語でさべって(喋って)くだんせ(ください)」

と告げた。勿論これも竹下達にはよく伝わらなかったが、

「そでえにへわれりゃ(そんな風に言われると)、がつっと(ちゃんと)標準語さべらないとなあ」

と笑った。


 中々会話に入りづらく間合いを図っていた竹下だったが、

「どうもお世話になります。北海道警察・遠軽署の刑事の竹下と、こちらが黒須です」

と改めて自己紹介した。

「いやあこれまた遠くからおいでになって。お話はさっき奥さんから大体聞きました」

と、イントネーションは訛っていたが、今度は標準語で語りかけてきた。

「それで、桑野家について、私に話をして欲しいとのことでしたが?」

「そうです、是非お願いします」

竹下も黒須も、居間の机に両手を付いて一礼した。


「じゃあ、桑野家と私の家の関係からお話しさせてもらいます。私の父親の妹、つまり叔母に当たる人が桑野家で当時女中として働いていたんだけれども、昭和の津波で桑野家の人や他の使用人と一緒に亡くなってるんですよ。そういうこともあって、桑野家については、ある程度は父親から聞いていましてね。私の実家は隣の岩泉町にあって、その後教師になって、最後がこの田老でして……。地域の人にも良くしてもらったこともあって、ついの棲家としてここを選んだんです。母ちゃんも気に入ってましたから、ここを。そこでちょうど売りに出ていた家がありまして。広い敷地の割に安かったこともあって、決めたんですが、まさかその家が、桑野家の跡地に建っているとはねえ……」

としみじみと言った。

「それはどうしてわかったんですか?」

当然の疑問を竹下は鈴木にぶつけた。


「岩泉の実家……、今、私の亡くなった兄の息子が継いでいるんですが、たまたま一昨年の盆に帰って、小さな、いや本当に小さな蔵ですが、それを漁っていたら、生前、叔母から父へと送られた手紙が出て来ましてね。その叔母の住所がここと、まあ当時は田老村だったんですが、同じだったんですよ。びっくりしましたよ、その時はさすがにね」

「まさに運命のいたずらですか」

竹下も少々わざとらしくではあったが、円滑に話を進めるため、合わせて驚いてみせた。とは言っても、実際にかなりの奇跡的な偶然であったことは言うまでもないだろう。


「そうなんですよ。私も小さかったが、叔母のことは記憶にはあるから、色々思う所があってねえ」

鈴木は、2人の刑事と旧知の仲であるかのように親しげに喋りかけてきた。横に居た駐在の四宮ともかなり面識はあることが影響したか。


「そうでしたか。ところでご実家は津波に巻き込まれなかった?」

「さっきも言いましたが、ウチは岩泉で隣の山側なんですよ。だから津波の被害はなかった」

「そうだったんですか」

今度は黒須が話に合わせるように大げさに頷いて、

「こちらとしてはお会い出来て幸運でした」

と語りかけた。

「そう言ってもらえるとありがたいが、どこまでお役に立てるか……」

黒須の社交辞令に、鈴木は(おそらくそれをわかった上で)にこやかに会釈した。


「それでですね、聴きたいことは、もうちょっと込み入った話なんですが、この戸籍に載っている、生き残った桑野欣也という人物についてなんです。ただ桑野家自体についてまず詳しく聴いた方がいいのかな?」

竹下は鈴木が話し易いように、状況を整えておく必要があり、お伺いを立てた。

「いやまあ、私がどうこうというより、その方が御二人も話を捉えやすいんじゃないかな?」

鈴木は逆に2人に気を遣ってくれた。

「じゃあ、我々は鈴木さんにお任せしますよ」

「そうですか。じゃあ桑野家についてまず私が知っていることを幾つか」

そう言うと、鈴木は掛けていたメガネを手にとって、レンズを拭きながら切り出した。


「桑野家は、当時の田老では大きな網元の家だったようですね。叔母は、早世した祖父に代わって父代わりでもあった兄、つまり私の父の薦めで桑野家で働くようになったらしいんですよ。それが叔母が亡くなることになったわけですから、父も生前はずっと悔いてましたね……。それはともかく、桑野家では女中数名の他に雇われた漁師が10人程居たそうです。父は、私と同じ教員だったんですが、ああ、とは言ってもいわゆる代用教員って奴でしたが……。以前に田老で教えていたことがあったらしく、地元では発言力があった桑野家とはある程度付き合いがあったようで、詳しくは聞いてませんが、それが妹を女中にやった理由だったんでしょう」

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