第73話 人工知能と量子コンピューター
メガネ君、石田三成、真田幸村は大型トレーラーで<バリュースター>島根オフ会に向かっていた。
「そろそろ何か出るぞ、用心しろ」という信長の残した忠告があったからだ。
織田信長には<魔人眼>という異能の目があり、未来や物の本質などを見通すことができた。
「三成さん、ICOとか、RAMSAとか、何なんですかね?」
メガネ君が運転中の三成に話しかける。
京都府宮津市経由で山陰の海沿いの道を行く。そろそろ、日本三景のひとつ、
すでに深夜になっていて、月明かりに海が照らされている。
「ICOは<Initial Coin Offering>の略で、株式投資のIPOのように、新規上場企業の資金調達に仮想通貨を利用して資金集めすることです。RAMSAは日本で仮想通貨のプラットフォームを作ろうとしてる新興IT企業で、大規模な
三成が答えるが、メガネ君はきょとんとしている。
正直、ちんぷんかんぷんだった。
「今の<バリューコイン>のシステムは電気代の安い中国のIT企業によって牛耳られていて、8月1日の<バリューコインキャッシュ>の分裂騒動もシステムの脆弱性、マシンパワーの不足が原因なんだよ。<バリューコイン>の処理などに遅滞が発生しはじめていた。そこで全く別次元の量子コンピューターと
幸村が話を補足する。
少し分かり易くなったが、量子コンピューターって何?という感じだ。
「しかし、量子コンピューターが進化すれば<バリューコイン>の要である暗号化技術も解析されて、<バリューコイン>自体の存続が危ぶまれているともいうよ」
三成がまた訳の分からないことをいう。
メガネ君の頭は混乱してきた。
「でも、まだ、それは無理だろう。そこまでの性能になるには時間がかかる。その前に、この世界の支配者である中央銀行システムの王が<バリュースター>のシステムを利用して<ベーシックインカム>を導入するのが先だろうな。<バリュースター>は資本主義の新たなるステージである<評価経済社会>への可能性を見せつつあるし」
幸村が追い討ちをかける。
メガネ君はちょっと話についていけなくなっている。
「
三成が問いかけてきた。
「僕の強み? ええと………ボトムストライカーの操縦技術とかですかね?」
ボトムストライカーとはネットゲーム『刀剣ロボットバトルパラダイス』に出てくる架空の人型機動兵器である。
だが、神霊となって数千年を生きた陰陽師、安部清明の力によって、
「それもある。だが、お前の本当の強みは別にあるだろう?」
幸村が謎をかける。
「さっぱり、わからないです。何か才能あったかな?」
メガネ君は必死で考えるが、何も浮かばない。
三成はにっこりと笑う。
メガネ君の視線の先、月明かりに照らされた天橋立にウサギの姿が見えたような気がした。
(あとがき)
ICOブームの一因はIPO市場の低調にある
http://markethack.net/archives/52051889.html
COMSAの未来は「メディチ家」、それとも「ロスチャイルド」?
http://markethack.net/archives/52052069.html
数万台のコンピューターを導入して行われるBitcoinマイニングの現状はこんな感じ
http://gigazine.net/news/20150119-bitcoin-mining/
Bitcoin採掘の7割を中国が占め、元開発者が「実験は失敗だった」と表明
http://gigazine.net/news/20160525-chinese-bitcoin-mine/
量子コンピューターの暗号通貨への影響+5秒でわかるブロックチェーン
http://www.syaticrypto.xyz/entry/2017/06/29/222400
アントノポウロス氏曰く―NSAは量子コンピュータを使ったビットコインのクラッキングは行わない
https://jp.cointelegraph.com/news/nsa-will-not-use-quantum-computers-to-crack-bitcoin-antonopoulosjp
相変わらず説明小説が続いて、ストーリーが全く進まない訳ですが、仮想通貨、人工知能、量子コンピューターなどの技術や評価経済社会への移行は行き詰った資本主義の進化のひとつかなと思ってます。
次回はちょっとストーリー進む予定です。
VALUにいるといろんなことが起こるので、なかなかついていけない状況ですね。
何とか消化しつつ、ストーリーに取り込んで、半歩先に行けたらなと思います。
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