第66話 AI問答 40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす?

「メガネ君、めぐみちゃんと神沢社長の隣にあの方・・・がいるんだけど、私、帰ろうかしら?」


 神楽舞が茶室から帰ってきて、そんなことをいう。

 めぐみちゃんというのは、Web小説投稿サイト『作家でたまごごはん』の三代目運営リーダーである織田めぐみである。

 彼女は織田有楽斎うらくさいの子孫だという。

 織田信秀の十一男で信長の十三歳年下の弟で、千利休に茶道を学び、利休十哲の一人にも数えられている。後に有楽流茶道を創始した。

 それで彼女のれるミルクコーヒーは美味しいのかもしれない。


「ま、舞さんもあの方・・・とは初対面ではないし、とりあえず、座りましょうか」


 メガネ君がいやいやして首を横に振っている舞を何とか説き伏せようとする。


「舞さん、神沢社長もいるし、ここはちょっと行ってみたほうがいい」


 飛騨亜礼も畳みかけた。

 仕方なく、舞は『市場に連れて行かれるドナドナ』のような様子で茶室に入ってった。


「おお、メガネ、飛騨、舞さん、久しぶりじゃの。そっちの美人のウサギさんの名は?」


 茶室に入ると、ちょんまげにどじょう髭、まるで・・・織田信長・・・・のような・・・・戦国武将が声をかけてきた。


「私、<うさうさ☆>といいます。よろぴく☆」


 まずい!と思ったが、光速の<へし切り長谷部>が<うさうさ☆>を両断したかに見えた。

 が、真田幸村が漆黒の忍び刀で受け止めていた。

 さすが幸村さんだとメガネが胸をなでおろした。


「あ、こちらは<織田信長>さまです。ま、そういう設定というか」


 石田三成が冷や汗をかきながら弁解する。


「そうですか。びっくりしました。本当の日本刀みたいですね。迫力あります」


 <うさうさ☆>も顔面蒼白になりながら空気を読んで話をあわせる。

 いや、本物の日本刀だし、本物の<織田信長>だとはさすがにメガネ君には言えなかった。

 正確には一度、死んだ魂が神霊になり、火星で仮初めの機械の体を得て甦ったという複雑な事情があった。長くなるので説明は省く。

 

「まあ、そういう訳なんだけど、ちょっとクイズでもしようか」

 

 神沢優が妙なことを言い出した。


「クイズって?」


 メガネ君が問い返す。


「皆さん、お手元に置かれているサイバーグラスを着用してください。人工知能AI<ワトソン>から問題が出ます。その理由について答えるクイズです」


 神沢優と飛騨以外の座布団前にダークブルーのサイバーグラスが置いてあった。

 それぞれ着用する。


「第一問です。40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす。さて、理由はなんだ?」


 人工知能<ワトソン>らしき男の声がした。

 サイバーグラスの内部モニターに『第一問、40代ひとり暮らしが日本を滅ぼす』という金色の文字が浮かび上がってきた。

 AI問答がはじまった。








(あとがき)



NHKも凄い番組を作ったものです。

ネタ満載です。


AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン

http://www.nhk.or.jp/special/askai/

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