俺だってな

次の日。凛は1人で学校へ向かった。

表の凛がいらないと断ったからだ。

誠も果林も凛が二重人格とは知らない。

というか教えてない。誠は幼馴染みで気づいているかもしれないが何も言ってこない。

もちろん教室には誠と果林がいた。

それでも2人は凛の事は無視していた。

周りにいた子や涼葉や雅はびっくりしていた。

一緒に来ない事もだけど、教室に来ても凛は誰とも話さなかったからだ。

みんなが凛と話さなかったのはわかる。

それでも誠と果林は別だと思っていたのに話さないのは不自然に思えたのだ。

しかし涼葉と雅はそれをいい事に凛を呼び出した。

そう、誰も来ない所。つまり体育館裏だった。

「ねぇ凛ちゃんとうとう藤宮君たちに嫌われたの?全く話してないじゃん?ざまーないわね」

雅が最初に話したのはこれだった。

流石に凛も怒りが湧いたが黙っていた。

「黙ってないでなんとか言いなさいよ!」

次に涼葉だった。

「お前は赤ちゃんなのか!!何も言えないのか?その口は飾りか?」

涼葉と雅は言いたい放題言っていた。

それでも凛はただただずっと黙っていた。

何をするわけでも無く言い返す雰囲気も無かった。そんな凛の態度に2人の怒りもMAXになってきていた。

「お前まじムカつく!今も昔も変わってないじゃん!私はあの時信じてたのに!!凛ちゃんはやってないってそんな事してないって信じてたのに!!あんたは私が虐められてらもう話しかけてこなくなった何でなの?なんで私との関わりを辞めてしまったの!!」

今まで黙っていた凛はようやく口を開いた。

「それは違う。私は雅とずっと話したいって思ってた。それなのに雅は私を無視した。そして虐めが始まった私は前からやられてたからどうとも思わなくなってしまっていたけど、雅は違うでしょ?だからこれ以上巻き込む理由にはいかなかったから・・・ごめんなさいそれがかえって嫌な思いをさせていたのね・・・」

雅は泣き出した。自分の事を棚に上げて話していた雅とは別に凛はなにも包み隠さず全てを話してくれたからだ。

「それでも・・・私はお前を許さたない!!」

なんて言い出して雅と涼葉は凛に殴りかかった。そんな事をしても凛には全く効かないというのに・・・・・・

初め凛は大人しく殴られていた。それでも時間が経てば2人の威力は落ちてくる。

それに凛だってやられっ放しでは凛の気が済まなかった。皆さんはお忘れかも知れないが今涼葉たちの前に出ている凛は裏の凛だったのだ。

そして凛は相手が気を失う所のツボをピンポイントで殴った。他に傷をつけないようにするためだった。凛は2人が気絶したのを見て・・・

「すまなかったな。こんな事するつもりじゃなかったんだけどさお前らが全く分かってくれないからさ・・・本当にごめんな。でも雅に話した事は全部真実だよ。なぁ涼葉私なにか悪い事したかな?誠に振られたのは自分の魅力が無かったからでしょ?そんなの俺に言うなよ」

ちなみにこれはボイスレコーダーにとってある。そしてそれを”後で聞いて”と残した手紙の上にのせると凛は歩いてかえって行ってしまった。そのまま凛は家まで帰ったのだった。

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