幼馴染みから・・・

凛が泣き止んだ頃辺りは夕焼けで空が綺麗になっていた。

「ごめんね」

凛から聞こえた第一声は“ごめんね”だった。

2人は何な誤っているのかわからなかった。

それは勝手に帰ったことなのか、もう関わるななんてメールを送ってきたことなのか、それとも全部なのか・・・・・・それでも凛の口から聞きたいと思っていた。

「何がごめんなの?」

誠はこれまでに聞いたことのないような優しい声で凛にきいた。

「あのね、私誠の事が好きなんだ」

誠と果林は目が点になっていた。

(今確かに俺のこと好きって言ったよな・・・ってことは・・・両思い?)

果林も笑顔になっていた。それなのに次の凛の一言で急に静かになった。

「でもね、もういいの。この思いは忘れるの」

なんて言い出した。今度は2人とも焦り出した。

「俺は、凛の事好きだよ。もちろん恋愛対象としてね。それなのに凛の好きは違ったの?」

誠は凛に告白をしていた。凛は嫌いなわけがない。むしろ好きすぎて困っているくらいだ。

「私が一緒にいると2人が不幸になるんだよ〜」

なんて言いながらまた凛は泣き出してしまった。その様子にまた誠は凛を抱きしめた。

「大丈夫だから。だから話してみ?今日何があったのか包み隠さず全部」

凛はあまりの誠の優しさに耐えきれず話し始めた。

「今日2人が委員会に行ってた時私1人で待ってた。そしたら涼葉達に呼ばれた。なんで呼ばれたかなんてわからなかったから素直にそう聞いたそうしたら・・・」

「私のせいで誠に振られたんだって言ってきて、誠から離れないと果林まで不幸にするぞ!って言われたから。」

凛の話しはあまりにも重い話だった。

この前の事があってから凛を1人にしないようにこれまでやってきた。それなのに同じ日に委員会が入ったのだ。

すぐに終わるだろうと思っていたので待っていてもらっていたのだがこんな事になるなんて思ってもいなかった。

「ごめんな。それ俺等のせいでもあるな。それであんなメールを送ってきたのか?」

凛はコクリと頷いた。そして・・・

「誠、果林。もう私に関わらないで。

2人が幸せじゃないのは見てられないから」

凛はいつでもそうだ。自分の事より相手の事を優先してしまっている。それだけ優しい子だということなんなけど・・・

そんな事は決して2人は許さないのに・・・

「だめだよ。凛はこれからもずっと一緒にいるんだよ。俺の彼女としてね」

そう言った誠は凛をぎゅっと抱きしめた。

「凛ちゃん。もう辛い事を1人で抱え込まないで?少しでも私たちに話してみてよ。分け合っていこ?誠君がいるんだもん大丈夫だよ」

凛はポカンとしていた。誠に彼女なんて言われてショート寸前だった。

「私といると不幸になるよ」

「そんな事はないよ」

「私は我が儘だよ」

「そんなの今に始まったことじゃないだろ?」

「信じてもいいの?2人の事」

『当たり前だろ/でしょ!』

2人はそう言って凛を抱きしめた。

凛はこれまでにないほどに幸せな気持ちになっていた。

「これからはずっと俺が守ってやる。だから俺のそばにいろ」

誠はプロボーズみたいな事を凛に言った。

「・・・・・・はい」

そして凛は顔を赤くし涙を流しながら、でもとびっきりの笑顔でそれに答えた。

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