不信

委員会が終わった果林と誠は凛からのメールを見てお互い顔を見合わせてしまっていました。

そりゃそうだ。いきなり1人で帰るだのもう関わるなだの話しかけるななんてメールが届いたからだ。誰でも驚くでしょう?

「ねぇ、誠君・・・これって何かあったのかな?凛ちゃんがそんな事言うのなんて有り得ないじゃん。どう思う?」

果林の言う通り凛は簡単にそんな事を言う人ではない。ましてや1人で勝手に決めるなんて事はしないんだ。幼馴染みの誠ですら知らないのだ

「どうしようか。絶対可笑しいよね。あいつが関係してるんじゃないかな」

誠という“あいつ”とは同じクラスの谷口涼葉だ。

「そうかもしれないね。でも多分1人じゃないと思う。誠君さ高校で何人に告白された?」

「えっと、7人くらいかな」

果林は考え込んでしまった。恐らく今回の事も誠絡みだと思っているのだろう。

だとするとその7人が怪しい。しかも凛はあんまり人にものを言う事が苦手だ。

誠相手でも自分の思っている事を素直に言えないのだ。だから今回の事もなんならの理由があるんじゃないのかと果林は考えているのだ。

「もしもだよ。今回も誠君絡みでなんかあったとして、それで凛ちゃんが苦しんでるとしたら誠君はどうする?」

果林は真剣な顔つきをしていた。

親友の事となると果林も黙ってはいられないのだ。凛にはこれまでの分まで幸せになって欲しいって思っているからだ。

「そんなの決まってるじゃん。俺は凛と離れるつもりないから凛の事好きだから。」

果林は安心していた。誠が凛の事を好きだという事は薄々気付いていた。だからこの時まで嘘をつかれたら果林は怒っていただろう。

「よかった。私はね誠君が凛ちゃんの事好きなんじゃないかってずっと思ってた。だから今嘘つかれなくて良かったって思ってるよ。後、凛ちゃんには黙ってるから安心して!」

こうして誠と果林は今後どうするのかを決めて2人で凛の家に向かっていったのです。

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