第256話 肉まんおでん・・・その2
次は、「デイジー・ミマサキ」だ。
コンビニでありながら量り売りの惣菜コーナーを持つなかなかに差別性の高い店舗。おでんもこだわっているようだ。
「煮崩れしないように温度調整には細心の注意を払ってるよ。それでいて、ほら、染みてるでしょ」
「ほんとだ。大根の色も濃いですね」
「どちらかというと
ただ、染みすぎてて、食べ過ぎの胃には結構こたえた。
・・・・・・・・・・・・・・・
途中でもう一店舗を回ってもはや限界近くなった頃、学人くんが呟いた。
「最後の難関か・・・」
「heaven twelve」
コンビニ最大手で若年層から後期高齢層まで幅広く利用されている。
おでんも若者向けにパンチの効いた品が多い。
今、わたしたちの目の前にある。
「ウインナーのおでんはいいとして、ハンバーグのおでん?」
「つくねじゃないんだね」
「いや、つくねは別にあるよ」
「ハンバーグ、大きすぎない?」
実物を前にして怯んでしまう。
さて、ハンバーグは誰が食べるのか。
「もよりさんで」
「ええ?」
学人くんに振られて思わず声を出した。
「わたし、結構限界なんだけどな」
「ごめんなさい。いざという時の頼みはやっぱりもよりさんで」
「うーん。残したらごめんね?」
わたしは容器に移されたどでかいハンバーグに割り箸で裂け目を入れた。
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