第55話 ジャンル分けに関する考察 その11

「大志、次いくぞ」

 廊下から数人の横山高生が声を掛けて来た。

「はーい。ごめん、先輩から呼ばれたから行くね。じゃあ」

「うん。またね、大志くん」

と別れを告げて彼が行った後にもう1人気配を感じた。

 牧田さんだ。

「上代さん、今の人、誰?」

「うん?横山高校の人。科学部なんだって」

「へえ・・・・名前は?」

「名前?」

「う・・・ん」

「何で?」

「いや・・・なんとなく」

 ん?一体何がなんとなくなんだ?・・・もしかして・・・

「境大志くん」

 フルネームを教えてあげた。

「へえ」

「うちのクラスのテーマが面白かったって。科学部に遊びに来ないかって言われた」

「あ、そう・・・なんだ」

「一緒に行く?」

「え?」

「行こうよ。それとも行きたくない?」

「うう・・ん、行きたい」

「じゃあ、行こ?来週あたり」

「うん」

 そうか、大志くんみたいな子がタイプなんだ。

 牧田さんって、かわいいな。

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