第36話 わたしを見て その8
骨盤が傾き、とうとう足の筋肉もはっきり形として見えるようになった。筋力と酸素をここで使い切るつもりだ!わたしも心の中で気合いを発する。
”南無っ!”
背の高いそのわたしの身体規格以上のストライドが生み出される。
ー身長差ー
佐古田くんが努力だけでは決して埋められないその差をーそのとっておきの差をーここで一気に白日の下に晒す。
周囲も明らかにわたしの走りの変化を察知したようだ。
「おおーっ」
男女一斉にどよめく。
佐古田くんの背中にぶつかりそうになる手前でアウトに軌道を変え、抜いた。
ああ、気持ちいい!幸せだ!
わたしの顔がほころぶ。
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