伍 ‐ゴ‐
「ねぇ、藤杜さん。『
ケータリングの食事を終えて、学生会長が
「……使い、人?」
聞いたことのない単語に、玲花は首を横に振る。
「
「神々のチカラ……」
――
楓の言葉を復唱した玲花の頭の中に、楓の説明を
やや
降って湧いた言葉に驚いて辺りを見回すが、その声の主はいない。あまりにも明示的な言葉に引っ掛かりを感じた玲花は、それを
その声に、
「そう。火の神の能力を使う『
玲花の呟きに頷いてから、楓が隆弥と雅紘を指し示しながら説明をしている
――聞いたら、あかんよ。
そう止められた瞬間、耳をつんざく鋭い雷鳴が
ぞくり、と玲花の背筋が震えた。
「うわっ! こんな時間に、雷かよ」
「この時期に
隆弥の迷惑そうな声に、雅紘が窓の外を見ながら状況を説明する。
『自然のもの全てに神が宿っている』
楓の言葉を思い起こし、玲花はサッシに切り取られた空へと目を移す。
……八百万の神々。これは、雷の神様。
「そして、
雷鳴を気にする
水無月は、一緒に住んでいる藤の
藤の
知り合って十年。
自分は藤のことを何も知らない。そのことに今気づいた。
稲妻がまた落ちて、風が
……この
激流に引き込まれるような、
何かが
そう認識した玲花の耳に、谷の
――まだ、
ばさり、と玲花の思考に
「藤杜さんは、朝凪家と
楓の問いかける声を聞きながら、玲花は振動するスマートフォンを手に持ち、操作をする。
「……」
ディスプレイに表示された藤の名前を見て、玲花は
「藤杜さん?」
気配の変化を
学生会室の空気が、
「これは……?」
室内の空気が変わったことにようやく気づいた雅紘が室内を見回して、楓が
この部屋に来た時の心細げな顔色は消え、
「藤杜さん?!」
雅紘の呼びかけに玲花は
「
楓たちに見せるように、左手に持つスマートフォンを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます