エピローグ2『青紫のポーラ』

 ところ変わって北の辺境へ、常に雷雲からくぐもった雷鳴音が響く、黒い城塞都市があった。

30メートル近い高さのブロックで組まれた城壁が四方それぞれ3キロずつ囲み、城壁の内と外にはへばりつくようにボロの民家が雑然と立ち並び、中央部には高さ100メートルの太いメインタワーの周りに大小様々な塔が立ち並んでいる。それぞれの塔には数隻の戦岩が浮かぶ。

ロマニー軍の本拠地ドリューゲン。メインタワーの42階にある作戦会議室に新たに第5艦隊を率いることになった“紫のポーラ”ことポーラ・ヴィネットの姿があった。集合時間より10分早く来ているのはザンギュラ将軍が2人だけの話をしたいとの連絡があったからである。

 四角い会議テーブルの奥に白髪のモヒカン頭をした筋骨隆々とした壮年の男が立っていた。

 「ほう、青いマスクか……、ポーラ、似合うぞ」

 ポーラは顔の火傷跡を隠すために、青いマスクを被っていた。肌が見えているのは口元だけで目にあたる部分には黄色のフィルムが当てられている。

 「お褒めいただきありがとうございます」

 「これより先は“紫のポーラ”改め“青紫のポーラ”と名乗るがよい。それで、おまえの前の上官だが……、新たな別働隊のリーダーに納まった」

 「別働隊の目的は何です?」

 「プリンセス・リリアの誘拐と新型DTの奪取だ。あわよくば国王暗殺もやってほしいところだがな、フハハハッ」

 ザンギュラはバンバンと平手でテーブルを叩いた。ポーラは目を細める。

 「──それはていのいい厄介払いですね」

 「おまえもそう思うか? だがベルディアにその任務を与えたのは他でもない。イコルス様だ」

 「なんですって……」

 果たしてロマニー首領イコルスの真意とは如何に?


 つづく

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