破滅的、虚無的なシーンもあるが、その背景を流れているのは、センチメンタルなヒューマニズム。 世界が終わる時も、いいや、終わる時だからこそ、泥棒はしたくない、愛する人と信じあっていたい、みたいな気持ち。 きっと作者は、人間と世界を愛しているのだろう。 頑張って生きていこう、という気持ちになれる、しんみりしたSF。 SFじゃないのもあります。 とくに好きなのは、「野良兵器を拾った少女の話」ですね。 超泣ける。 あそこで終わっちゃうのが逆に良い。
毛色の違った短編がモザイクの様に寄り集まった短編集。それを十把一絡げにコメントするなんて不可能です。だから、エピソード毎に応援コメントを書きました。でも、幕の内弁当の様に妙な統一感が一方で有る。深遠、寂寥、慈愛、そんなものを感じる。作者は割と歳の行った方ではあるまいか? 人生経験が豊富でないと書けない気がする。短編にはMAX2つが信条なんですが、星3つ付けました。
ショートショート形式ですが凄いお話です。小説を書いている方は読むのに覚悟が必要だと思います。完成度の高さに顔が引き攣りました。
起承転結のテンポ、オチの面白さと技術革新の先にある切なさ、人間の悲哀が全て詰まっています。