第146話 貫禄
ウチの子(猫)は五歳を過ぎた。
人間で言えば、三十歳前後だそうだ。一番猫盛りの時期らしい。それでなのか最近のウチの子は貫禄が出てきたように思える。横になって顔をあげている姿が人がひじ掛けに寄りかかっているように見えるのだ。まるで大奥の主のように。
猫はゆったりと横になりわたしを見つめる。そして鳴く。
「くぅ」
なんて言っているのかは、わからない。しかし、
「苦しゅうない。近うよれ」
という言葉がよく似合う。わたしは思わず「ははーっ」と言ってしまいそうだ。
もちろん可愛くない訳ではない。そんな姿も可愛いのだが、いつの間にこんなに態度が大きくなったのか。どこの家の猫でもこうなるのだろうか。
なんだか子猫の頃が懐かしい。
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