第86話 ピアス
わたしは普段ピアスをしている。
ピアスを外すのはお風呂に入る時だ。わたしはお風呂に入るためピアスを外してキッチンのテーブルの上に置いた。そしてお風呂に入り出てきた時、ピアスの片方がなかった。犯人は一人(一匹)しかいない。そう、猫だ。
しかし悪いのはわたしだ。キッチンのテーブルの上に置きっぱなしにしてしまったのだから。いつものように何故洗面室に置かなかったのだろう。辺りを探したがピアスは見当たらない。どこか棚の下にでも入ってしまったのだろうか。
再度言う。悪いのはわたしだ。それはわかっている。だがどうしても猫に恨みがましい目を向けてしまう。しかし猫は知らん顔だ。愛くるしい顔でわたしを見上げてくる。現場を見たわけではないので叱ることもできない。
でもあのピアスは高かったのに!
たまに猫はなくなったと思ったおもちゃで遊んでいることがある。どこかに隠すところがあるのかもしれない。
わたしは猫がなくなったピアスで遊ぶのを待っている。
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