第63話 砂利でも大ダメージ

 となれば答えはひとつ。


「ジル。

 お前は俺が倒す!」


 俺は、そう言ってジルを睨む。


「出来るのか?

 お前に!」


 ジルが、そう言って笑う。


「やるんだ。

 出来なくてもやってやるぞ!」


「ゴミクズであるお前に俺が倒せるかよ」


「倒すさ……

 ジル、お前は俺が必ず!」


 俺は、そう言って小石を持つ。


「そんな小石で何が出来る?」


 ジルが、ケラケラ笑う。

 ゴミだ。

 この小石はゴミ……


「ジル、知ってるか?

 ゴミは、世界を救うんだぞ」


「はぁ?

 何言ってんだ?ゴミはどこまでいってもゴミなんだよ!

 このゴミクズ野郎のカス野郎が!」


 全く本当に酷い言われようだな。

 だが、俺にとってその言葉は攻撃力があがる。

 俺は、軽く小石を投げる。

 ジルは、それを刀で斬ろうとする。

 すると刀が壊れた。


「うっし!」


 俺が、ガッツポーズをキメた。


「はぁ?

 なんでだよ!

 この刀は、ムラマサだぞ?ム・ラ・マ・サ!

 なんでも斬れるんだぞ?」


「じゃ、お前の腕が悪いだけじゃないのか?」


 俺は、そう言って鼻で笑う。


「このゴミが!俺を舐めるなよ!」


 ジルは、そう言って新しい刀を召喚する。


「刀、いっぱい持っているんだな」


 俺が、そう言うとジルが刀に魔力を込める。

 当たると痛そうだ。


「ああ、俺の趣味は刀集めだからな」


「へぇ……

 いったい何本あるの?」


「教えるかバカが!」


 ジルは、そう言って俺の方に向かって駆ける。

 俺は、上手に間合いを取る。

 そして、地面を蹴り砂利をジルにぶつける。

 砂利が、ジルの眼に入る。


「よっし。

 命中!」


 俺は、再びガッツポーズをした。


「くそ。

 目が見えねぇ!なんでだ?」


 ジルが、そう言って目を押さえる。

 思ったよりダメージを与えれたみたいだ。

 ジルの目から血が大量に出ている。

 そうか、俺の力か……

 ゴミを武器に変える力。

 それは、ゴミじゃなくても武器にならないモノなら武器に出来るんだ。

 なんとなくわかった。

 俺は、ゴミのみを武器に変えれるのだと思った。

 でも、違った俺の能力は武器以外のものを武器に変えれる能力だったんだ。

 だから、武器だと思っていない砂利でも大ダメージを与えれるんだ。

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