第80話 異世界
「う………ん……」
あれ……私は一体?
えーっと、確か有夢にお別れの言葉をスマホでうっていて、で、そこにトラックがきて…………。
そうだ、私、轢かれたんだ。
……で、ここはどこ? どう見たって病院じゃないよね。
だって森の中だよ? まず、考えられることはここはあの世……。
うそ、うそでしょ? 私、死んじゃったの?
やだ…いやだぁ…まだ、まだやりたいこと…。…でも、そのやりたいことの大半は、アイツとじゃないと…でも、アイツは死んじゃったし…。
あぁっ! お母さん、お父さん、桜ぁっ……。
私の頬に涙が伝う。
もう枯れたと思っていたのに、まだ残ってたんだね。私の涙。
しょうがないよね。私、死んであの世にいるんだもん。大泣きしたっていいよね。
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しばらく泣いて、少し冷静になった私は、自分の身長が縮んでいることに気がついた。
そもそも、髪の色も、薄黄緑色だ。黒じゃない。
死んだら身体も変化するのかな?
そんなこと考えてると、頭に一枚の紙が、どこからともなく落ちてきた。
なんだろう? これ。何か書いてある。
私は、その紙のなようを読んだ。
《君へ
突然のことでビックリしたことでしょう。
残念ながら貴女は地球で、車と衝突し、死んでしまいました。しかし、貴女がいつも、道端にいる私のことを気にかけてくれたのをとても感謝しております。
ですから私のできる範囲内で魂だけでもすくいだしました。
この世界の名前は"アナズム"。
本当は貴女が地球で死ぬのを回避させたかったのですが私にはそこまでの力が及ばず………。本当に申し訳ありません。
こうして魂を別の世界に送ることはできました。そこの世界で人生を楽しみ、幸せになって頂けると嬉しいです。
ここからはこの世界についての説明ですが、貴女に特別な力などを授けたりすることも、力及ばず、することができませんでした。ただ、この世界の言語を貴女は読み書きできるようにはなっています。
また、目を閉じ[ステータスを見たい]など頭で念じると、色々な説明がみえてきます。まぁ、それはこの世界の住人全員ができることですが。
最後に忠告です。
貴女本来の年齢は16歳ですが、今この世界では貴女は12歳ほどになっている筈です。ちなみに、この世界でも死ぬと、今度は魂も死にます。
どうぞ、お気をつけて。
以上です。
幻転地蔵より。》
幻転地蔵……? あ、あのウチの近くにあるお地蔵様か。 神様って本当にいるんだね。
つまり、これはラノベやネット小説でよくある、異世界に転生ってやつよね?
なるほど、だから私の髪の色が違ったりするのか。
とりあえず、ステータスを見てみないことには始まらないわよね?
私は『ステータスを見たいな』そう、頭の中で念じてみた。
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-ステータス-
name:ミカ
EXP:0
HP :10/10
MP :10/10
A(攻撃力):5
C(器用度):5
D(防御力):5
W(魔法力):5
S(素早さ):5
STP:10
-スキル-
SK1)
[E(X):火術]Lv - [E(X):水術]Lv -
[E(X):風術]Lv - [E(X):土術]Lv -
[E(X):念術]Lv - [E(X):癒術]Lv -
[E(X):強化術]Lv - [E(X):弱化術]Lv -
SK2)
[剣技★]Lv - [体技★]Lv -
[槍技★]Lv - [弓技★]Lv -
SKP:10
称号: -
印: -
--------------------------------------------
なるほどねー、これがステータス…。まさにゲーム。
ところでSKPとかって何?
説明みたいなのないのかな?
そう考えると、頭の中に、説明らしき文字が浮かびあがる。
【コレは貴方のステータスです。特殊なSKや印などがない限り、他人のステータスを見ることはできません。】
__________________
______________
___________
________
___
…
……
………
私からの説明は以上です。新しい人生、幸せを掴んでください。
なにか本当に困ったこと等があったら強く、私のことを念じてください。
このような形でいいのでしたら、できる限り協力します。
by 幻転地蔵】
やっぱり、この説明も全部、お地蔵様だったか。
途中からそんな気がしてたわ。
とりあえず、そうね。MPにSTPをまるっと10振っちゃって、このレベルが低い時は魔法が沢山使えるようにしといたほうがいいかも。
SKPは[火術]に6、[水術]に3振ったの。
………この世界。アイツが居る気がする。
アイツこういうの、私を置いてっちゃうくらい大好きだったし、幻転地蔵様にも、よくお供えものしてたし、この世界にいる可能性はなくないわよね?
しばらくはアイツを探すことを目的にしようかしら?
その前に、この森を出なくっちゃ。
私は恐る恐る歩み始めた。
そして、5時間くらい歩いたころかしら?
不思議な生き物に出会った。
顔がついてる不気味な木。
その木は私を見るや否や、蔓のような物で私を吹き飛ばす。
私は意識を失った。
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