第40話 ピピー村との別れ

 朝を迎えた。

 あと、20分後には馬車が出るという。

 特に準備することはなかったけど、まぁ、一応身支度をして、村の停留所まで向かう。

 すでにルインさん達は居た。



「おぅ……アリム、もう少ししたら出発するぜ!」



オルゴさんがそう、俺に呼びかける。



「はいっ」



 1つ、返事をして馬車に乗り込んだ。

 この場にはジーゼフさんとガーベラさんがお見送りに来ていた。お礼言わなきゃ。



「ジーゼフさん、ガーベラさん、お世話になりました」



 ペコッと可愛らしく、頭を下げてみる。

 二人はその様子をみてこう言葉を返す。



「ふぉっふぉっふぉっ……最初にアリムちゃんを見たときは本当にビックリしたのぉ……。実を言うとグレートポーションとか昨日の料理とかの方が驚いてたりするがの。……元気でな」

「いつでも、遊びに来るといいわ。記憶が戻っても。勿論歓迎するわよ!」



 優しい、いい人達だ。あぁ、最初に触れ合えた人間がこの村の人達で本当に良かったと思う。



「本当に……ありがとうございましたっ!」

「いいんじゃよ。困ったときは、お互い様……じゃろ?」



 あー。絶対遊びにこよう。色々とひと段落したらね。

 ガーベラさんはルインさんたちにお礼を言う。



「セインフォースの皆さまも……本当に、ありがとうございました」



それに答えるのはリーダーであるルインさんだ。



「困った時はお互い様ですよ。また、何かあったら頼りにして頂けると嬉しいです!」

「ふぉっふぉっふぉっ、勿論ですじゃ。」



 村長さんは髭をなでている。

 顔をこちらにむけ、俺に話しかけてきた。励ましの言葉。



「あぁ、最後にアリムちゃんに1つ。お前さんはこれからたっくさん、人よりも辛く、苦しい経験をする時が来るやもしれぬ。だけどな、人生は一度きり。楽しみなさい。」

「………っ、はいっ!」




 御者さんが口を開いた。



「そろそろ……出発しますぞw」



 ルインさんは言う。



「みなさん!どうかお元気でっ!」



 ルインさんの別れの言葉と共に御者さんが手綱を引くと、馬車が動きはじめる。


 多数の人影が動いてるのがわかる。村の人達だ。



「ありがとう!」

「また来てください!」

「きゃー!アリムちゃん!可愛いっ!」

「竹とんぼ、ありがとー!」

「いつでもまたこいよなー!」



 みんな、それぞれ別れの句を述べている。

 俺ら5人はピピーの村の人達に向かって、その姿が見えなくなくまで手を振り続けた……。



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 ここから目的地、『メフィラド王国』の王都まで1日半かかるらしい。


 俺は国に入る際の、門の前の審査などの心配をしたが、商人…アーキンさんがうまくやってくれるらしい。流石商人。


 俺はリロさんとミュリさんにいじられたり、アーキンさんから王都のこと、王国のことを教えてもらった上に地図までもらい、何か売り買いする時は是非ここへと、アーキンさんが所属している商人組会の名刺ももらった。


 これを見せるだけで商会の本部に入れてくれるらしい。完全に取引相手として認識されたよね。

 まぁ、ここまで親切にしてもらってるし、行くか。


 後は、ルインさん、オルゴさんに冒険譚を聞いたり、ミュリさんとリロさんにいじられたりして1日を過ごした。

 今後どうするかについても話した。


 まずは役所等で俺のことを聞き、わかり次第、俺の頭にメッセージをよこすとのこと。

 そんなことができるのか。電話いらないんだね、この世界。


 そして、再度、俺を本当はパーティで引き取りたいが、どうしても無理な理由があるということを伝えられた。

 ルインさんだけでなく、4人とも同じ考えだそうな。しかも、役場で話を聞いたらすぐに別れなくてはいけないらしい。忙しい人達なんだね。



「わかりました。大丈夫です」



と、だけ答えておいた。

 今のうちに4人に、助けて貰った礼と別れを述べておく。

 4人も俺に助けて貰った礼と別れを述べた。リロさんなんて、少し泣きそう。


 その上、また抱きしめてくるんだもの。だから当たってるんだって。結構大きさがある、やわこいものが。

 ミュリさんも俺を抱きしめる。……リロさんよりは無いな。Bの上かCの下くらいかな?


 オルゴさんは頭をポンポンと撫でた。ルインさんは、「ごめんね……どうか、元気で」ってかっこいいこと言いながら、俺のほっぺをプニプニしてくる。

 そんなにいいの? 俺のほっぺ。でも、アリムは、痩せ型だよ?プニプニする場所あるの。あ、お肌スベスベなんですか。そうですか。



 ………そうこうしてるうちにメフィラド王国の王都が見えてくる。その大きな外壁の中に、俺の"これから"がまっているのだ……。

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