第27話 冒険者

「じゃあね、アリムちゃん」



 セインフォースの4人が宿に戻り、この場から居なくなる。

 俺はジーゼフさんに話しかけた。


「あのぅ……」

「なんじゃ?」

「ご迷惑かけてしまって、申し訳ありません。お世話になります」



 そう話すと、ジーゼフさんは微笑みながら答える。



「いいんじゃよ、いいんじゃよ。子供は遠慮しなくてもなぁ。それよりも、あのミュリという冒険者さんに感謝するんじゃぞ?ヒールをお主にたっくさんかけてたからの。看病もしとったし。傷はもう塞がっとるじゃろ?後でお礼を言っておくといいのぅ」



 いや、ヒールかけてもらう前に塞がってた……。まぁ、いいか。お礼を言ってこう。



「なぁ、嬢ちゃんや。お前さん、傷も完全に塞がっとるんじゃし、もう動けるん元気があるんだったら、この村を見て回ると良かろうて。

体調はどうじゃ?」



 そう、ジーゼフさんが聞くので、俺はベッドから降り飛び跳ねて見せた。



「ふぉっふぉっふぉっ、元気が一番じゃて。治りが早いのう。そうじゃ、この高価そうな小物入れを返しておこう。これはお前さんが身につけていたものじゃ。お前さんが着ていた服は今、家内が洗っとるで。あと、その服はプレゼント、ということにしとくかのぅ」



 俺はポーチを返してもらい、お礼を述べた。



「いい娘じゃのぅ~…」



 ヨーゼフさんはそう呟いた。

 俺は言葉通り、ポーチを肩にさげて村を見て回ることにする。


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 村の人たちには俺が村長さんの家に血だらけで運ばれたが伝わっているようで、大人達には



「もう動いて大丈夫なのかい?」

「元気そうだな!よかった。」

「きゃー! 可愛いっ!」



等と心配され。子供達には



「ねぇ、君、どこから来たの?」

「きれーなポーチだねっ!」

「お名前、なんてゆーの?」

「キャー!かわいいっ!」



等と声をかけてきてくれた。村の人数は総勢35人位だ。


 村をぐるっと見物している途中、あの一行の一人、オルゴさんに会った。

 剣の素振りをしていたみたい。


 オルゴさんは、こちらにきづいて声をかけてきた。



「もう大丈夫なのか?」



 俺は大丈夫だと答える。



「ガハハハ! いやぁ、よかったな。うちのミュリに感謝すんだぞ? 嬢ちゃん」



 そんなに頑張って回復してくれたのか。お気持ちだけでもありがたい。

 そういえばこの村には仕事で来ているとかいってたな。どんな仕事だろ? 聞いてみよう。



「いやぁな、この村が、黒兵犬が一度に3匹も出たってんで作物が荒らされそうになったんだよ。かなり珍しいことなんだがな。しかも、10匹位の黒般犬を連れてな。タチが悪いことに、黒兵犬はDランク。そこそこに強い。そこで呼ばれたのが俺たち、冒険者パーティ、「セインフォース」ってわけだ。つまり、その害獣を討伐しに来たんだ」



 話しを聞いても、わからないことが複数ある。

 まずは黒兵犬と黒般犬とはなにかだ。そして冒険者が、なにかも。

 ……いや、冒険者に関してはなんとなくわかるけど。ゲームのおかげでね。とりあえず、もう少し質問してみるか。



「オルゴさん、黒兵犬と黒般犬ってなんですか? あと、冒険者も」

「ん? あぁ、そのこともかぁ……。黒兵犬ってのはDランクの魔物だ。黒般犬はその下、Eランク。魔物のランクってのはF~SSSまである。Fは子供でもなんとかなるんだが、Eからは大人じゃねえと…な。さらに、Dランクなんかになると、一般の大人の男が5~6人居ても勝てない。下手したら冒険者や兵士でも負けちまう。そんなランクだ。そんなのがこの村に3匹、子分を連れて出てきやがったんだ。大変だろ? そこで、俺たち冒険者、戦闘のエキスパートの出番だ。次は、その冒険者の説明するぜ?」



 あぁ、成る程、名前からして黒兵犬と黒般犬は犬ホイホイにかかった奴らだな。Dランク、そんなに強かったのか? 今じゃ、素手で1発殴ったら倒せるぜ。

 まぁ、いいか。続きを聞こう。



「はい、お願いします」

「うん、いい返事だ。まぁ冒険者のことを、何でも屋っていう奴もいるがな。俺はそっちのが近いと思ってる。王都には…。いや、王都だけじゃねぇ。このアナズム中の全部の国や町に共通の[冒険者組合]又の名を"ギルド"がある。そこで登録した者達を"冒険者"って言う。冒険者は今回の俺らみたいに魔物を討伐したり、危険な場所にいって特定の物を採取したり、時には商人の護衛だとかする。ちなみに冒険者になるには資格はいらねぇぜ?基本、誰でもなれる。まぁ、問題起こしたりすると職を剥奪されるし、大犯罪者とかもまずなれねぇが、元奴隷とか超貧困な奴とかワケあり貴族とか…。様々だな。ここまではいいか?」

「はい」

「じゃ、続きな。ギルドのランクにもG~SSSランクとある。俺らのようなパーティにもパーティランクとしてF~SSSあるな。例外としてXランクもあるが……まぁ、Xランクは適年令以下の子供がお小遣い稼ぎするようなランクだ。ランクは大事だ。なぜならそれで受けれる仕事が増えるからだ。俺ら4人ともDランク。でもパーティランクはCだ。だからCより上のランクの依頼は受けれねぇ。ちなみに、この仕事はCランクの仕事だ。依頼は勿論ギルドで受けるぜ!まぁ、こんなもんだな。」

「……ふむふむ。よくわかりました! ありがとうございました!」

「おう、いいってことよ」

((本当は幼児期の間に全員が知ることなんだがな……。やっぱり記憶がとんでるのか、可哀想に。))



 なかなか、オルゴさんの説明はわかりやすかった。意外だを

 あ、そろそろお昼だ。お腹すいたなー。

 丁度、そう考えた時、オルゴさんと俺を呼ぶ声が聞こえた。おそらく、あれはリロさんという人の声だろう。

 オルゴさんはその声に従って、呼ばれた場所に向かう。俺はトコトコついてくことにした。

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