第1109話 しばらくのち
「あー、疲れた」
「有夢が疲れたってぼやくなんて珍しいわね」
「そりゃあ……これだけやったらね」
俺の頭の中に、俺千人分の記憶が流れ込んでくるからね、流石に酔っちゃいそうだよ。……でもまあ、全員ちゃんと目的は達成したみたい。経験値もスキルも取れるだけ取ってきてるね。ふふふ、全員俺だから不足なんてあるはずないけどね。ちなみに、本体である俺はこの自宅で美花にずっと膝枕してもらってたよ。
「しかしまあ、こんなSSSランクの魔物しか居ない世界でもレベル上げの効率を最大限まで高めちゃうなんて、さすがはレベル上げの鬼と言われてるだけあるわ」
「ふっ……楽しい楽しいレベル上げの時間だったよ……」
「もう今日の分は終わりにするの?」
「うん」
ザ・インクリースで自分を千人に増やし、アイテムマスターとザ・クリエイトで大量に作った衛星を用いてSSSランクの魔物の位置を確認。そして千人がそれぞれ、該当する場所に究極空間移動で飛んでいく。そして衛星で見つけたSSSランクの魔物をスキルをぶん取りつつ倒したらこの自宅まで、何日か前に手に入れた星五つのスキル『究極探知』を発動させながら走って帰ってきてもらう。帰宅途中に衛星に映らなかった魔物を見つけたらそれも倒すって寸法さ。
それで今日の成果は1024体か。流石にこのレベル上げ方法を初めた初日と比べたらだいぶ数が減ってきちゃってるなー。分身できるようになってから早一ヶ月半、ずっと乱獲し続けたら仕方ないか。ダンジョンみたいに無限湧きするわけじゃないみたいだし、そろそろなんらかの対策考えないと。。
「えへへ、有夢さ、分身使ったレベル上げおわったら必ずべっとり甘えてきてくれるよね。今もこうしてぎゅっと抱きしめてくれてるし」
「千人分の俺が直前まで考えてたことが今の俺に反映されるからね。毎回ね、えっと、だいたい八百人くらいが帰ったら美花とイチャつきたいって考えるみたい」
「ほほう……これは八百人分の有夢から愛かぁ。残り二百人は?」
「ゲームかご飯かレベル上げのことだね」
「有夢らしい」
確かに俺らしいといえば俺らしい。ただ毎回こうやって美花から離れられなくなるのはいかがなものかと思う。まあ美花は大喜びしてるみたいだからいいんだけど。
「それにしても、これで転生回数は……?」
「65535回だね」
ここまでくるとステータスが全部カンストしてるのはもちろんのこと、残りスキルポイントも残りステータスポイントも999万でストップしてる。スキルポイントはちょくちょく使うからちょうどの数値じゃないけどね。
正直、魔物からスキルさえ取り出しちゃえば倒さなくてもいいくらい。……この余りに余ったスキルポイントとステータスポイント、何かに使えないかなと思ってしまう今日この頃。
「もうさ、マスタースキル作るだけでいいんじゃないの? スキルだって回収するだけ回収して全部見きれてないし」
「んー、だね。今のところ5日に1つのペースでマスタースキル作れてるから。もうちょっとペースあげれたらいいね」
今、所有してるマスタースキルは俺が6個、美花が3個。合計9個だね。俺の方が多い理由は、レベル上げのために進んで魔物に挑んでるからだよ。安全に戦える確率を上げた方がいいって美花がそう言ったんだ。一つ持ってる時点で相当なんだけどね。
俺が所有しているのは『アイテムマスター』『アルケミーマスター』『サモンマスター』『サイコマスター』『ウェポンマスター』
美花が所有してるのは『マジックマスター』『ウェザーマスター』『チャームマスター』
もちろん、二人で各々の『マイスター』は習得済み。
それぞれ説明すると、サモンマスターは召喚術系の魔法をたくさん作って、召喚魔法に補正がかかるカテゴリ2のスキルもたくさん作って、全部合成したらできた。
サイコマスターは美花の提案で透視とか探知とか念術とか、エスパーみたいなことができるスキルを合成していってみたらできた。それぞれの超強化・統合版みたいなことができ、その上、念術の威力も上げる。さらに念術を強くするスキルと重複してくれるみたい。
ウェポンマスターは武器系の『○神奥義』を5個合成したらできた。剣、槍、弓だけでは足りず、斧と鎌を追加で覚えたけどね。効果は奥義をさらに強くした感じ。
美花の方のマジックマスターは、属性系の強化スキル『○の女神』を4つ、『○神』を一つで完成。美花が作ったのは氷神だったけど、これは同じような氷属性で女神とか鬼神とか竜神とかって文字のついてるスキルを3つ合成したらできた。パラスナさんもこうやって覚えたんだね。
ウェザーマスターは水、雷、氷、風、火の五属性の神系かSSランク、あと天気が関係するスキルを3つ掛け合わせたら出来上がった。単純に天気を操るみたい。
そしてチャームマスター。これは昨日作ったばかりなんだけど、かなり習得方法が他のやつと違ったんだよね。効果は万物を魅了できるとかっていう最高の美貌を持つ美花らしいスキルなんだけど……。
「あ! そういえば私、実はさっき有夢を膝枕しながら考えてたことがあるんだけど」
「なぁに? お夕飯何にするか?」
「違う違う! マスター系のスキルになんか共通点がある気がするじゃない。それは有夢も昨日言ってたでしょ? チャームマスターが出るまで」
「うん」
ちなみに美花はこのスキルができた時、とても恥ずかしがっていた。美花が恥ずかしがるのをみたのはとてもとても久しぶりだったのでいいものを見れたよ。
「だからそれを踏まえて改めて考えてみたのよ」
「なるほど、おしえて!」
改めて、何回も言うけど、美花の勘は恐ろしいほどよく当たる。もしこの考察が俺も賛同できそうなものだったら……一気にマスタースキルが作れるかもしれないね!
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