閑話 お正月! 2019
「せーのっ!」
「「「あけましておめでとうございます!」」」
六人の着物を着た男女がぺこりと頭を下げた。金色に包まれた部屋の中に鏡餅や豪勢な料理が並んでいる。
「俺たちが新年を迎えるのもこれで三回目かな」
「もう四年目だからね、普通の高校生だったら入学してから始まって、もう卒業ってわけだよ」
「早いね」
「三年経っただけじゃねーだろ今回は」
「そうそう、そうだよ!」
アリムが合図を出すと彼らの頭上にあったくす玉が割れた。大文字で『書籍化ありがとう!』と書いてある。
「ふふふ、なんと言ってもこれだね」
「俺らにはよくわかんねー話だけどな。俺らが本になったってことでいいのか?」
「そうだね、さっき見知らぬ侍からもらった手紙にそう書いてるよ」
「そういえば去年と今年のこの部屋を用意したのもその人なんだっけ」
「まさか、俺の腕を斬った……」
「た、多分違うよ」
手紙を用意した人物が何者かは置いておき、四人は今年あった出来事について料理を食べながら話し始めた。
「今年はなにがあった?」
「主にSSSランクの魔物が大量出現したね」
「うちの父さんのおかげでなんもかなりそうな目処が立ったけど、きつかったね……」
「どんなのがいたっけ?」
「とにかくやばいやつがいたよ。あの貝みたいなのとか、スライムみたいなのとか」
その魔物を指す言葉に桜は敏感に反応した。
「す、スライムといえばかにゃたが大変な目にあった……」
「俺としてはまだ俺でよかったって感じだけどね」
「ん……」
桜は叶の腕にしがみついた。叶は料理を食べ辛そうにしているが嫌そうにはしていない。翔は少ししんみりとした空気を元に戻そうと話題を変えることにした。
「あれはアムリタの活躍だよな。アムリタといえばリルの御両親も生き返らせてよ」
「俺のおかげでもあるね! えっへん!」
「正直、あれさえあればどんな敵でも楽勝なんじゃないの?」
「そ、そんなことないよ!」
「アムリタとアリムってなんか似てるよな。直接的な繋がりあったりすんのか?」
「ないよ!」
アムリタとアリムの名前が似ているのは偶然である。
六人は今度は今年の干支について話すことにした。
「今年はイノシシ年だね」
「わーふ、イノシシは豚のもとだからね、猪肉を食べる、今年の私は捕食者側なのさ」
「リルは戌だもんな」
「去年も言ったけど、私は狼だよ! お、お、か、み!」
「おお、そうだな」
「俺たちの中にイノシシに関連する人はいないね?」
「逆にイノシシに関連するなんて珍しいんじゃない?」
「まあ、そうだね! でもとりあえず猪料理は用意してあるよ」
再び有夢が合図をすると机の上に並んでいた料理群、そこに開いた不自然な隙間から猪鍋が出現した。
「わふ、さすがあゆちゃんだね!」
「じゃあもっかいご挨拶したら食べようね」
六人は改めてしゃんとした態度をとりこちらを振り向いた。そして座ったままぺこりとお辞儀をする。
「一年、ほんっっっとうにありがとうございました!」
「2019年も」
「「「よろしくお願いします!」」」
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今回はちゃんとした話がついてるわけではなく、この話の内容も短くて申し訳ありません。
今年は皆さまに深く感謝を述べるとともに謝るべきことが沢山あります。まずはそっちから。
まず一番なのは投稿ペースを二日に一度にし、また休載日も大幅に増えてしまいした。そして新年の投稿もこれしかできませんでした。また、先日連絡した通り、1/3と1/5の投稿もお休みさせていただきます。本当に申し訳ございません。
また1000話で終わると前々から散々言ってきましたが、2019年中にも終わりそうにありません。やっと敵幹部が揃った状態なのでさらにもう100~200話かかりそうです。
そして事情があったとはいえ、「アルファポリス」からのLevelmakerの削除、申し訳ありませんでした。
そんでもって今年は例年のように新年イラストがありません。描く時間がありませんでしたし、それに伴い画力が大幅に下がってしまい、とても人に見せられる絵を描ける自信がなくなりました。すいません。しかしイラストレーターさんにちゃんとしたイラストを描いていただいてますから、尚更不要だと考えております。
次に感謝することです。
11月後半からLevelmakerは4年目に突入しました。この話でアリムたちも言っておりましたが、気がつけばこんなにも長い期間書き続けられたのはひとえに皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!!
飽き性の私がこんなにも長く、閑話含めて1000話以上という話数を書き続けられたのもです。
そして、そしてそして今年はなによりも。
Levelmakerの書籍化です。念願でした書籍化です。前々から色々な方に書籍化はしないのか、書籍化してほしいなどのコメントを頂いておりましたが、それがついに現実となりました。
TOブックスさんから話をいただいた時の衝撃は絶対に忘れられないと思います。なにより平成最後ですしね、思いが深いです。
ここまで頑張れたから、皆さまの支えがあったから、なし得たことでございます。本当に本当にありがとうございます。発売後の発見・購入報告を受けるたびに天にも登るような心地です。
そして担当者さん、イラストレーターさん、TOブックスさん、全ての読者さんに深く感謝を。
もう一度感謝を述べさせてください。
皆さま、本当に本当に本当にありがとうございました。
そしてLevelmaker、他私の作品、そしてこのSs侍自身、2019年どうかよろしくお願いします。
今年も誠心誠意、書籍とサイト掲載の両方の執筆にこのSs侍、侍としての武士道を構え、努めさせていただきます。
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