閑話 美花が惚気るだけの話
こういうの書かないと禁断症状が出るようになってきたんです。もう4日か5日に一回は書かないと気が済みません。
#####
「あゆむぅ……」
「どうしたの、ミカ」
ゲームをしていた最中、ミカが後ろからべったりとくっついてきた。いつもどおりの優しい匂いと膨らんだ柔らかい感触が素敵だ。そんなのは毎日毎日体感してるけど。
さらに強く抱きついてきて、俺の頬にミカの頬を擦り付けまでしてくる。
「えへへ」
「えへへ……甘えたいならもっと甘えてもいいよ?」
「そうする!」
許可を出すと後ろから抱きつくのはやめ、前に回ってきて俺の膝の上に腰掛ける。そして抱きついた。
前からだと天使そのものの可愛い顔がよく見える。
しかしその天使はちょっと微妙そうな顔をしていた。それも可愛い。
「んー」
「どうしたの?」
「何かもっと他の甘え方したい! いつもと同じなんだもん。どんな甘え方されたい?」
今まで……アナズムでも日本でも普段から様々な甘え方を研究してきた。お姫様抱っこや膝枕、腕枕、ちょっとエッチなことからちょっとどころじゃないことまで。
故に最近はお互いどちらかのひらめきによって新しい甘え方をする。
「もっと、べったりするとか?」
「これ以上どうやってべったりするのよ……あ、そうだ!」
「なんか考え付いたの?」
「うん!」
ミカは頬を赤らめながらニコニコしている。なんだ、まさかちょっとエッチな部類に入ることをする気なのか!
……ばっちこい!
「じゃあこれきて」
美花が作り出したのは袖が左右に二つずつある服。
言われた通り、今きている服とシャツを脱いでそれをきた。
「なんか変な感覚」
「今からそこに私も入るから」
そういうと服が持ち上げられ、美花が無理やり俺の後ろに袖を通して着てきた。その後、思いっきり締め付けられ、俺と美花が密着することになる。
「これが一心同体……!」
「似たようなことやったことある気がするけど……ん、待っててね、まだ終わってないのっ……」
そういうと、美花が無理やり腕を動かしてガサゴソし始めた。俺の腕も引っ張られて変な格好になってる。
パチリ、と何かを外したような音がしたと思ったら、背中で感じている感覚が一変。
……布の感覚が背中から消えた。
「ま……まさか」
「えへへへ」
ほんと、ミカはこういうことやりだすからね、いつもちょっと身構える必要があるんだ。
「柔らかい?」
「夜伽をするのと変わらないよ」
「まあ、そっかー。死ぬほどしてるしね……。これも却下かな? 別の甘える方法考えなきゃ」
「別に構わない」
「え?」
「このままでもいいってこと」
「………そうかそうかぁ!」
ミカのすごーく嬉しそうな声が聞こえ、体を震わせてくる。背中がプルプル震えてるものがある……。
「まあ私わかってたけどね! 有夢もスケベだから断らないって!」
「む、確信犯かぁ?」
「えへへへへ」
ミカは後ろにいるから顔はよく見えないけど、おそらく満面の笑みを浮かべていることだろう。体を左右に揺らし、俺の動揺を狙っている。
「ふふふ、どうだー!」
「気持ちいけど、そんなに動かして大丈夫? 痛かったりしないの?」
「ちゃんと考えて動いてるから大丈夫よ。えへへ、有夢は私を直に感じて、私は有夢を直に感じてる……最高だね!」
「じゃあ苦しかったりしないの?」
「胸が? 確かにちょっぴりね。でも私が好きでやってることだから」
それから2時間ほどずっとその格好だった。シャツ一枚の中はお互いに裸のためかなり寒いかと思われたが、体が密着していたためちゃんと暖い。
2時間の間にしたことといえば、この格好のまま映画見たかな。用意したポップコーン食べさせ合いながら。すごく難易度高かったけど。
「あゆむぅ……」
「なに?」
「そろそろガォーって襲いたかったら襲ってきてもいいのよ?」
「昼はそんなことしないよ」
「じゃあ夜に期待!」
まあ、それが最善か。3時間が経つ頃にはさすがにお互いこの格好にも飽きてきてこの二人羽織みたいなのをやめた。でも離れるとなるとちょっと惜しい。
「結構体制きつかったね」
「三時間も同じ格好してりゃ、誰だってキツくなるよ。ほら、上着着て……」
「……もっと見てもいいんだよ?」
服も着ずに上目遣いでそう言われた。確実にミカは狙っている。何をとは言わないけれど。
「ぷくー、これから夕飯の支度しなくちゃいけないからね! ダメだよ!」
「えっ……もうそんな時間!? あ、ほんとだ。じゃあ続きは寝る前ね」
やっと着てくれた。
でも確か明日も仕事はなかったはずだから、こうやって甘えられてしまうに違いない。そもそも今夜は寝かせてくれそうにもない。
無論、どっちも楽しみだけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます