第831話 久しぶりの商売の話?

今回出てくる人のことを覚えていない方は、百二十話付近の「多忙な日常3」をご覧下さい。


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「あゆむ、ううん、アリムのえっち……」

「へっへっへ、いいじゃないかぁ」

「うん、いいよ!」



 ローズやラハンドさん達にダンジョンについてのアドバイスをした翌日、ボクと美花はお部屋でイチャイチャしていた。

 今してる遊びは、互いの性別を女に固定し、じゃんけんして負けた方が一枚ずつ脱ぐというもの。

 結構ハラハラできて楽しい。でも今のところボクが惨敗しており、美花を今やっと上着を一枚脱がしたところ。

 そしてボクは下着とブラジャーだけ。

 次負けたらブラジャーを取られてしまう。



「はくちゅん!」

「あれ、アリム寒い? くしゃみ可愛い」

「いや、なんだか脱ぐたびに寒気がしてきて……。本当に寒いわけじゃないんだけど」

「そっか。あ、ちなみにアリム、次以降私が勝ったら、男になってアリムのこと襲うからね」

「ま、マジで!?」

「マジだよぉ」



 ミカがニヤニヤしながらそう言ってくる。

 次の試合限定じゃなくて、次の試合からボクが負けたら襲われる。もうこれ、残り全部ミカを丸裸にするまでボクが逃れるすべがないじゃない。えっちなのはどっちなんだか。



「心の準備はいい? 最初はグー」

「じゃんけんポン!」

「えへへぇ……勝った!」



 ほら、言われたそばから負けてしまった。嬉しそうな顔をしながらミカはミカミへと変貌を遂げる。

 でも女の子の服装のまま男になったからちょっと辺な感じ。ミカミもそれはわかってるのか、一瞬で全部脱ぎ、パンツ一丁になった。


 うーん、相変わらずいい具合に腹筋割れてていいなぁ。有夢にはあんまりないからね、腹筋。その代わりくびれがあるけど。



「さぁて……」

「目が怖い、目が怖い」

「有夢だってミカを食べる時いつもこんな顔だぜ?」

「嘘だぁ!」



 あっという間に組み伏せられ、ベッドに押し倒されてしまった。やっぱりエッチなのはミカミの方だよ。今そう確信したね。



「いただきます」

「……優しくね?」

「それは保証できないなぁ」

「あっ……いきなりそこ……! ……ちょっと待って」

「え、なに?」

「メッセージが来たっぽい」



 いいところでメッセージがくる。なんかデジャヴだ。

 よく呼び出されてた頃と違うのは性別が逆転してることくらいか。

 

 メッセージを開き、誰からかを見てみる。

 そこにはメディアル商人組会会長マネと書かれた名前欄が。

 うっ…わぁ、メディアル商人組会とか何ヶ月ぶりだろ。もはや2年くらい前のことのような気すらしてくる。


 物を売るなんてアイテムマスターとダークマタークリエイトができるようになってから全然してこなかったからなぁ。国王様から国を救った報酬もらったり、アイドル活動が主な収入源になってたから。

 ちなみにポスターのモデルで商人組会には一度も呼ばれたことはない。多分、販売してる俺考案のおもちゃがたくさん売れてるから、今更俺のアイドル効果にあやからなくてもいいってことだと思うけど。

 俺のモデル料って、別に俺が決めたわけじゃないけどすごーく高いんだよね。


 えーっと、マネってどんな人だっけ。たしかエルフですごく美人で、見た目は20代なのにメディアル商人組会、この国で一番規模が大きい商人の組合の会長さんだっまはず。

 大きな取引をした相手ではあるけれど、何回かしか話してないな。

 ボクにこの世界のお金の概念を教えてくれたアーキンさんとかならまだはっきりと覚えてるんだけど。



「誰から?」

「んー、ボクにとってはかなり久しぶりの人からだよ。昔、商人の組合と取引してたことあったじゃない?」

「ああ、そこからってことね」

「うん、しばらく関係は自然消滅してたんだけどなぁ。なにがあったんだろ」



 とりあえず胸をさらけ出したまま話をするのも、ミカミ以外に見られるわけじゃないけど恥ずかしいので、一瞬で服を着なおし、そのメッセージに応答した。



【はい、もしもし】

【もしもし……? なにかしらそれは。まあいいわ、お久しぶりねアリムちゃん。あんまり話したことないけど覚えてるかしら、メディアル商人組会の……】

【覚えてますよ、マネさんですよね! お久しぶりです】

【あら、貴女ほどの大物に覚えてもらえてるなんてとても光栄だわ!】



 うそ、今なんとか思い出しただけだけ。

 でもマネさんは非常に気分を良くしたようだ。



【いやぁ、メディアル商人組会とはたくさん取引しましたから。ボクの取引相手によくなってくれていた人達は元気ですか?】

【ええもちろん、二人とも元気よ】

【それなら良かった!】



 逆に今この国で景気が悪い商人の方が珍しいけどね。

 そろそろ要件をきこうかな。早めに終わる話なら、そこでそわそわしてるミカミの相手をしなきゃいけないし。



【それで、久しぶりにお声をかけてくださったご用件はなんですか?】

【ええ、ちょっと貴女を頼りたいことがあって】

【モデルやイベントの依頼ですかね?】

【今のアリムちゃんはそっちの方が主流だろうけれど……私からの依頼は、アイテムなの】

【なるほど、アイテムですか】



 なにを探してこいって言われるんだろうか。アイテムのことなんて久しぶりだなぁ。



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昨日は休載申し訳ございませんでした。

……しかしながら、おそらくは、今までよりこういうことが頻繁に起こるお思います。もし休載や投稿スペースの変更がありましたらご報告いたします。

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