閑話 佐奈田のマル秘メモ 〜成上叶 編2〜
今度は彼の人間関係について。
兄弟仲は実に良好。ただ、互いに別の遊び相手がいるため一緒に遊んだりはあまりしないみたい。
あゆちゃんは叶君のことを自分よりしっかりした弟だといい信頼し、誇ってる。叶君自身も世話が焼くけど大切な兄だと思ってるよう。
どうやら叶君は成上家の誇りみたい。でも、過度に期待するなど、圧力をかけてしまうような育て方は一切していない。さすがは世界的研究機関の幹部といったところか。
次に美花ちゃん。
そのうちどうなるにせよ、叶君と美花ちゃんは義理の姉弟になるわけだけど、二人の関係も良好。
美花ちゃんは叶君に女装させたがっているけれど、叶君にとっては嫌みたいで、美花ちゃんも諦めている様子。
その次にどうやら火野とリルちゃんとも交流があることについて触れておく。
交友関係があるみたいで、親しげにどちらかと話しているところをよく目撃されているみたい。自分の兄の親友だから親しみやすいとことかあるのかも。
リルちゃんとはなんだろう、IQが高い者同士の会話でもしてるのかな。
ただ叶君はこの二人には敬語で接している様子。
そういえば私がインタビューした時も終始敬語だった。そういうところはしっかりしている子なのね。
学校での評判は最高。
先生方からの評価は(なぜか中等部だけじゃなく、高等部の先生からも)低く定めている人なんて一人もいない。
すでに世間ではドキュメント番組のおかげでかなり有名人だからかもしれない。
そもそも中等部では実質彼が生徒代表で学校を牛耳っているようなもの。本人はそう認識していないみたいだけど。
委員会とかは何にもやってないのに、その役職の人たちから必ずアドバイスをするようにお願いされているみたい。桜ちゃんが委員長だから通して相談しやすいのかも。
そんな彼のスクールカーストもトップ。いや、まずうちの学校にそんな制度はないけれど。
イケメン(可愛い)で、頭脳が人間離れしており、世間でもテレビ出たから有名で、誰にでも優しい(基本的に桜ちゃんに)。そんな最強の人間なんだから当たり前か。
妬みや嫉みの目を向けられることはあれど、悪口を言われてしまうようなことはなんてない。
ちなみに彼の性格が豹変することはたまにある。
それは桜ちゃんが心身どちらかが、あるいは両方とも傷つけられた時。その時は相手に対して無情なほど、徹底的に追い詰める。
そのことをみんな理解してるため、誰も叶君を敵に回そうとはしない。
大人にも余裕で口論勝っちゃうし。
ただ問題なのは叶君はあゆちゃんと同じで、基本的に
自信が友達だと思っている人間が少ない。
相手が友達だと叶君のことを認識していても、叶君がそう感じてないことが多々ある様子。私がみた限りだから正確ではないけれど、そう感じた。
なんというか……自分の周りの大切な人たちさえ居ればいいという感じかな。
でもやっぱり人気者。
あまり深く考えずに見ていたら、友達が多いと思うことでしょう。
あとは……そう、学校外でも人間関係を築いている。たとえば自身の父親の研究所の職員とか。
昔っからずっと頭脳について研究されているらしいし、そもそもメンバーの一人だったりするからか。
お給料はもらってないみたいだけど、研究施設や設備は自由に使わせてもらっているみたい。特許をとるべき発明をした時、色々と手続きを手伝ったりもしている。
最後に桜ちゃんとの関係について。
叶君にとって一番大切な人が桜ちゃんであることには間違いない。誰でも一目みたらわかる。
何をするにも基本的に桜ちゃんを考え、桜ちゃんのために動き、桜ちゃんのことを優先する。
一言で言えば保護欲求が凄まじい。
そんな桜ちゃんとは生まれた頃から一緒らしい。偶然にも、誕生日が一緒で生まれた病院も一緒。
本当にすごい偶然。
だから生まれてから一日たりとも顔を合わせなかったことがないのだとか。もはや双子と言っても過言ではないんじゃないかな。
そう……だから、叶君はおそらく桜ちゃんの目が見えなくなるところを間近でずっと見続けてきた。
守り続ける理由はそれかもしれない。
そんな二人だけど付き合い始めたのはごく最近。
驚くべきことに、本当に最近付き合い始めた。まだキスまでしかしていないらしい(桜ちゃんから、姉にそれ以上は止められていると言われた)。
そりゃ、中学生なのに経験あったら恐ろしいわ。
美花ちゃん大正解……だけど、やっぱりその言い方って美花ちゃんはすでに経験済みってことだよね?
まあ高校生なら人によるけど許容範囲か。
最後に、叶君は将来、歴史に名を残すようなことをするであろう人物であることは間違いない。
もしこの学園内の生徒であるという繋がりがなくなっても、どうにかしてコネクトを保ち、ネタを提供してもらわなければならない人物の一人なのだ!
と、いうわけで次は桜ちゃんについてまとめようと思う。
そんな叶君の奥さんとなる子だからね。うんうん。
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