第818話 親に感想を聞くよ!
「で、どうだった?」
帰ってきてから俺はお父さん達に感想を聞いてみることにした。あれだけそれぞれ楽しそうに話してたんだもの、なんて考えたりしたか教えてほしいものだよね。
「いや、なに、本当にただ王様と会うだけだと思ってたけど案外貴重な体験になったよ」
「ああ、この世界情勢も騎士団長殿に聞けたりしたしな」
「城の内部はお店の参考にしたりできると思う」
そっか、そんなに収穫があったなら何よりだね。
「あと、思ってた数倍は王様、謙虚だったねぇ」
「そうそう、もっと踏ん反り返ってるものだと思ってた」
「あ、言い忘れてたけど正統な王家はお妃様の方で、国王様はもともと冒険者だったんだよ。貴族出身かなんかだったとは思うけど、一般人って言っちゃえばそうだっのかも」
「なるほどね、通りで」
今思えば国王様とお妃様の間柄って相当大変だっただろうなぁ。まあSSSランカーって確かにこの世界じゃかなりの権力もつし、王族に近づけるのはわかるけどさ。
それでも最初の方は国王様の方がカルナさんに恐縮してたりしたんじゃないかな。
「お姫様達、可愛らしかったわー」
「ねぇ、本当にお姫様って感じで! 絵本から飛び出してきたのかと思った」
「王子様も予想を裏切らない立ち振る舞いだったしね!」
主にお妃様やカルアちゃん達と話していたお母さんチーム。確かにカルアちゃんはザ・お姫様って感じだし、ルインさんとティールさんもザ・王子様って感じするもんね。
「ね、ね、あの固まってた四人……そうそう、国王様の息子さんと、騎士団長の息子さんと、大臣さんの娘さんと、大司教さんの娘さん。冒険者パーティを組んでるのはわかるけど、他にも何か関係あるんじゃない?」
お母さん達が俺にそう聞いてきた。流石に鋭い。
「うん、ルインさんとリロさん、オルゴさんとミュリさんでお付き合いしてるよ。でも四人ともが四人とも幼馴染のくせして、付き合い始めたのはつい数ヶ月前なんだよ。もっと早く付き合えばよかったのに」
「へぇ、なんかそんな気はしてたんだよね! でもねぇ…」
「有夢君がそれを言っちゃダメよ」
「ブーメランってやつね。いつ美花ちゃんとお付き合いを始めるのか待ってたんだから」
むむっ、確かにそうだった。あまりにラブラブだから忘れてた。でもいつ付き合うかどうかなんて本人達にはわからないもんなんだよ! うん。
「んー、なんか呼ばれた気がしたなぁ」
美花が俺の後ろから甘えるように抱きついてきた。ちょっと話をするとすぐに嗅ぎつけてくる。さっきまでリルちゃん達と一緒にいたのに。
「むふー」
「ね、リルちゃん達はなんだって?」
「んー、ああ、大司教さんに助けてもらってたでしょ? やっぱ聖職者は違うねーって話ししてた」
「ずっと緊張しっぱなしだったもんね」
「住人として登録てもらうために連れてったとはいえ、無理させすぎちゃったのかな」
その割には俺の用意したステーキは家族三人揃ってすごく美味しそうに食べてたけどね。狼の血は争えないってところか。
「リルちゃんは何回か来たことあるからちょっと慣れてたけどね」
「ふむ、じゃあリルちゃんみたいに何回もお城に連れてってあの二人を慣れさせるってのもアリだね」
「わふぇ!?」
「わふん!?」
「気にしないでください、冗談です」
すごく小さな声で言ったのに聞こえてたみたいだ。さすがだね。だいたいのことまとめ終わったから、俺たちはいつも通り各自自分の部屋に戻ることになった。
いつも通り美花が甘えてくる。
「えへへ、えへへへ」
「よしよし、かわいいなーもー」
「嬉しいっ……あ、そうだ」
強く抱きついたまま身体を擦り付けてきていた美花は、急に何か思い出したみたいだった。
「どうしたの?」
「いや、エルさん居るじゃない。ちょっと気になることがあって」
「んー?」
エルさんに何かあったかな? いつも通りカルアちゃんとカルナさんと姉妹のようにそっくりで上位品な立ち振る舞いだったと思うけど。確かにいつも通り会話の輪の中にはなかなか入ろうとはしなかったけどさ。
「私に相談して来たのよね、何か最近、へレルさんがそわそわしてるって」
「あー、確かに俺にもなんかいやーな予感がするから注意してねって言ってたよ、へレルさん」
「あ、そうなんだ。エルさんはそのソワソワが気になるけど教えてくれないからヤキモキしてたみたいなの」
「ふーん」
自分の恋人には心配されたくないから嫌な予感するってことは話してないのかな。
その嫌な予感ってのも曖昧すぎるしね。それにどうせ俺の高すぎるレベルに、アイテムマスターとアムリタさえあればなんでも、なんとでもなるんだ。
魔神三柱が同時に出現するレベルの何かがあったって簡単に対応できちゃうはずさ!
「何にも気にする必要ないと思うよ」
「そうよね! でも、へレルさんの嫌な予感って少し心配かも……まあ、私は何も感じてないけど」
「美花が感じてないなら大丈夫だと思ってるよ、俺は」
「んもー、私の勘が鋭いからってあてにしすぎたりしないでよね」
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