第735話 魔神をどうするか
さて、まずはどうするか。中で秘密裏に悪巧みとかされてる可能性なんて大いにある。
これ以上なにか模索させないためにも、シヴァと同じように、別の入れ物を用意してしまうという手もあるよね。
でもその場合、あの二柱は凶暴だから全く身動きが取れないようにしなくちゃならない。
だったらいっそ、こけしか何かの形をしたものを作り出して封印し直せばいい。
「……って、思うんだけどどうかな?」
俺はそう、ミカに提案してみた。
シヴァもいるけど封印済みだし問題はないはず。
「まあ…とりあえずそれで良いんじゃないかしら」
「しかし、封印し直すとしたら再びあいつらが出てくるという可能性も…」
「それはないよ。封印したまま移すことできるし、そもそももう一回出てきたとしても俺なら圧倒できる」
「だろうな、杞憂だったか」
スルトルとサマイエイルが2人同時出現したとしても楽々勝てる自信はあるしね。
アイテムのおかげでミカと俺が揃ってればどちらかが死んじゃうこともない。
「じゃあ移すよ。教えてくれてありがとうシヴァ」
「いや、なに、いいのだ。それに会話を試みるつもりでもいるんだろ? 私も数百年ぶりに奴らと会話してみたい」
うん、自由に会話できる(こちらが許可すれば)機能もつけなくちゃね。それなら小さなホログラムで姿の映像が出てくるようにもしようか。
どんなやつだったかわかりやすくするためにも。
まあ一回お話したらそれ以降、しないだろうけどね。俺はサマイエイルを恨んでるし、ショーなんて生き返らせることができることを知らない状況でリルちゃんを殺されたわけだから、あの時の嫌な思い出は強いはずだ。
「それじゃあ俺は入れ物を作っちゃうから、二人とも待っててね」
「わかったわ」
「ふむ、私はミカと雑談でもして待っていよう。付き合ってくれるな?」
「えー…まあいいけど」
_____
___
_
できたー!
目から立体映像が出てくるこけし! そしてお地蔵様と同じくらい封印機能として強固。
一個作るのに時間の流れが遅いマジックルームに素早さでさらに時間を伸ばし、体感時間で24時間、現実時間で1時間かかった。その他いろいろと機能を盛った結果、普通の時間で3時間かかってしまった。
でも俺にとっては2日も経っている。
ミカとイチャイチャしたい。あとさらに2日は働いてたら、ミカ欠乏症と言う名の禁断症状みたいなのが発症してたに違いない。
一休みしつつやればよかったよ。
「ただいま、できたよ!」
「………」
「や、やめろ美花! 悪かった、悪かったから!」
ミカがシヴァの首根っこ掴んで持ち上げている。人で言えば襟首を掴んでる状態かな?
ていうか久々にミカのキレてるところ見た。目を細めて眉間にしわを作り、口はほくそ笑んでいる。
うーん、怒ってるところもクールで可愛い。
激情はしてないから、大層なことではなかったみたいだけど。
「どしたの?」
「おかえり有夢。あのねシヴァと有夢のどこがいいか話し合ってたんだけどさ。その話の途中でちょっとね。シヴァ、私たちのお風呂だとかエッチしてるところとか、裸は覗いたりしてないって言ってたじゃない」
「ああ、うん、言ってたね」
「そ、それは本当だ!」
シヴァは救いを求めるように尻尾を振り、足もジタバタさせている。でもミカは全く動じない。
「でもね、アリムのスリーサイズと私のアナザムでのスリーサイズ、さらには地球での私のスリーサイズも誤差プラマイ1程度の範囲でほぼ完璧に答えやがったのよね」
「うわぁ……」
「やめろ、有夢もそんな引いた目でみるな! ほ、ほら、私は外を見る期間が長かったから、経験で大体わかったのだ!」
ほんとかなー。
ミカはそれを訊くと、少し乱暴にシヴァを下ろし、こう言った。
「私はね、有夢の前ではいくらでも脱ぐの。あとお父さんや叶君や……一応翔も意図的じゃなかったら許す。でもそれ以外の男の人から裸を見られるのは絶対に嫌なの」
「ぞ、存じているぞ……」
「話が早いわね。もし、さっきの話が嘘で、推測で測ったとかじゃなく裸を見たんだったら……有夢にこけし送りにしてもらうからね? あ、ほらちょうどそこに二つあるし」
「ち、違うと誓おう! 神の名において!」
ひょえー。ミカ怖いや! 怒ってるところもやっぱりクールって感じで可愛いけどね! 大事だから2回言うよ。
「それより…できたんだろう?」
「うん、時間を短縮させてね、過ごした時間で言えば48時間はやってるかな?」
「寂しくなかった?」
「寂しかったよぉ……」
「おいで」
ミカが両手を広げて俺を迎えてくれている。
ぎゅーっと抱きついた。2日ぶりのミカはいい匂いで柔らかい。柔らかい……どこがとは言わないけどね。
「本当に有夢はすごいな! そんなアイテムを現実時間で3時間で作れるなんて」
「褒めても何も出ないよ!」
「そうか……まあ、お互いにお互いを堪能したら、魔人らの元へ行こう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます