第312話 ダンジョンクリア! (叶・桜)
「これで終わり?」
「そうみたい。ほら、宝箱と…なんか剣でてきてるし」
カナタが指を指した方向には、宝箱と台座に刺さってる剣がいつの間にか現れていた。
二人はそれに近づく。
「剣は桜のだね」
「そうね…宝箱どうする?」
「一緒に開けよう」
宝箱は二人の手によって開けられた。
中身は伝説級の装飾品2つ、スキルカードやエンチャントカード、魔核の4種類のモノ。
宝石などがジャラジャラと入ってることを予想したカナタは少し残念がったが、その分、ショーとリル達より伝説級の装飾品が多いことは、二人は知らない。
それぞれの伝説級のアイテムを鑑定した。
【「自動攻撃魔剣 ディアホーン」
・状態→ 最良
・出来→ 最高
・価値→ 伝説
・材料→ オリハルコン
金色猪の牙
森林巨鹿の大角
思考鴉の羽根
記憶鴉の羽根
エンチャント
・種類→魔剣
・説明
:攻撃+300
:この剣は鞘から引き抜いた瞬間、自動で敵を判別(所有者の記憶から推測)し、攻撃する。
:この剣の自動行動時の強さは、持ち主の剣の扱いの強さと同等(最低『剣の豪』保持者並み)。
:所有者はこの剣に命令できる。】
【「雫黄金の腕輪 ドラウプニル」
・状態→ 最良
・出来→ 最高
・価値→ 伝説
・材料→ 黄金巨兵の核
黄金龍の鱗
記憶鴉の目
エンチャント
・種類→魔法の腕輪
・説明
:防御・魔力+300
:この腕輪は念じる事で8つまで増やす事ができる。増えたモノは24時間で消滅する。
:装備者にかかる補助魔法の効果を伝説的に上昇する。
:装備者の腕の太さに大きさを合わせる】
【「燃ゆる黄金の首飾り ブリーシンガメン」
・状態→ 最良
・出来→ 最高
・価値→ 伝説
・材料→ 黄金巨兵の核
炎竜の尾骨
思考鴉の目
緑宝玉の幻石
エンチャント
・種類→魔法の首飾り
・説明
:器用+350
:この装備者が『魅了の才』以上の魅力的な称号を所持していた場合、全てのステータスを2倍にし、MPの消費を半減、受けるダメージを半減させる。
:所有者が『醜態の才』以上の醜態な称号を所持していた場合、全てのステータスを半減し、MPの消費を倍に、受けるダメージを倍にする。
:回復魔法の効果を伝説的に高める。
:自分に対する火属性の魔法・技のダメージを半減させる。
:所有者の望む大きさに変える事ができる。】
「じゃあ…俺はこのドラウプニルってのを貰おうかな。あとは桜でいいよ」
「えっ…いいの?」
「うん。ほら」
「あ…ありがと」
カナタはドラウプニルのみを受け取り、サクラはディアホーンという剣とブリーシンガメンという首飾りを受け取った。
カナタは早速、ドラウプニルを装備する。
「なんか良くない? 成金って感じがするけど…かっこいい」
「そ、そうね! 似合ってるよ!」
「えへへ、ありがと。桜も首飾りつけてみたら?」
「う……うん」
サクラはブリーシンガメンをつけた。
サクラが望んだからか、だいぶ控えめな大きさとなったがそれはまるで美人であるサクラの魅力をさらに引き立てるように輝いている。
「ど、どう…かな?」
「桜…すごく綺麗」
「えっ!? えっ…あ…ああ、ありがとう!」
カナタはあまりにサクラに似合うため、思わず本音が出てしまった。動揺したサクラの礼を述べる声に、すぐに正気を取り戻す。
「あっ…俺、今なんて言った?」
「えっ? 覚えてないの?」
「うん。ゴメン、なんか一瞬ボーッとしちゃって…。感想ね、感想。とっても似合ってるよ。ん……と、か…可愛いよね…か、可愛いっ……とても可愛い…」
カナタはとても恥ずかしそうに、サクラの容姿について褒めちぎった。
何度も何度も。
数十秒言われ続けたところで、サクラはカナタの鳩尾を軽く殴った。
「うぉぅぃ」
「……バカにしてんの?」
「い…や…違う。ぜ…全部本当の事だし…その…『魅惑の才』ってのがどうやって手に入れるのかわからないから…一応、本音を連呼して桜を褒めればいいのかな…なんて」
カナタは先ほど赤くした顔をさらに赤に染めつつ、笑いながらそう言った。
サクラは嬉しさを感じるとともに、その謎の努力に対して溜息をつく。
「はぁ…。あのね、叶。私、その…『魅了の才』どころかその上の称号を手に入れてるの…。なんかの間違いだと思ってたし、恥ずかしかったから今まで教えなかったけど…」
「そ…そうなんだ! そうだよね、桜はすごく美人で可愛いもの! そっかそっか~! いやぁ…やっぱり桜は綺麗だよね…! 幼稚園からずっとずーっとそう思っててさ、本人は自信ないみたいだけど、そんなの____あ」
自分の目は間違いではない、サクラは可愛いんだという喜びはカナタの気持ちを上らせ、考えていた事ほとんどすべてを口に出させた。
サクラはカナタが心の底から言ってるのか、何か目的があってそう言っているのかを見極めることができる。
彼女曰く、その理由は『幼馴染だから』だ、そうである。
目的を持って言われた言葉にしろ、本心から言われた言葉にしろ、容姿について褒めちぎられたサクラ。
気付いた頃には、サクラは、茹でタコのように顔が真っ赤になっていて、カナタの方を全く見られないでいた。
しかし、お礼はしっかりと言う。
呂律は回っていない。
「あにょ…かにゃた…あの…そんにゃに褒めりゃれても…あたし…その…かにゃた…に何もお返しできにゃいよ? は…恥ずかしい…。で…でも、ありがと…ありがとね」
その礼を言われた瞬間、カナタは思わず、サクラにハグをした。
何故、そうしたかは自分でもわかっていないようだ。
サクラはさらに頭の中を爆発させる。
「うわ…うわぁぁ!? うわぁぁ」
「あれ…? ご…ごごごゴメン、身体が勝手に……」
「あうあうあうあう_________」
____
__
_
「いきなり抱いたりしてゴメンね」
「……まあ、ちょっとビックリしたけど…別に良いわよ。今更だし…減るもんじゃないしね」
数分後、二人はだいぶ落ち着いた。
互いの顔は見れないままでいるが。
「そ…そう。帰ったらまたケーキか何か作ろう。だから…その、ここらにあるモノ全部回収したら、ここから出よう」
「そうね」
二人は手分けしてマジックバックで鴉の死体や羽根の一本一本余す事なく回収していった。
お宝も全て、カナタの所持しているマジックバックに入れた。
「じゃあ、あそこから出よう」
「うん…!」
忘れ物がないか確認した後、二人は光に向かって飛び込んだ。ダンジョンをクリアした。
【ニヴルの森の「怒り」のダンジョンをクリアしました。
称号「「怒り」のダンジョン攻略者」「SSランク魔物討伐者」を入手しました。
印「双子の思考記憶鴉の森」を入手しました。
ダンジョンエクストラクリア報酬として、STP・SKPを4000入手しました。】
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桜「……まあ、ちょっとビックリしたけど…別に良いわよ。今更だし…減るもんじゃないしね(叶か美花に限る)」
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